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【西の日】JR最西端の街、佐世保とは?

長崎県佐世保市

 JR最西端の看板がある駅が長崎県佐世保市のターミナル駅でもある佐世保駅。佐世保駅は九州最西端の鉄道、「松浦鉄道」の始発駅でもあります。
 佐世保市は、人口23.7万人で長崎市に次ぎ、長崎県第2の都市。自衛隊、米軍の基地があり、明治時代から軍港の街として栄えました。また、テレビショッピングで有名な「ジャパネットたかた」の本社もあります。オランダをイメージした観光地「ハウステンボス」もあります。
 今回は、佐世保駅周辺を散策しました。目的は、佐世保バーガーを食べること、スターバックスの波佐見焼のコーヒーカップを買うこと。佐世保は、海軍の街として発展したイメージがあり、名物の佐世保バーガーが気になっていました。さらに、スターバックスでは、特定の地域で出会えるお土産があり、その1つが、佐世保市のスターバックス限定で販売されている波佐見焼のコーヒーカップ。それらを求めて佐世保市へ行ってみました。

JR最西端の駅、佐世保駅

佐世保の海軍

 19世紀後半、欧米列強により、東南アジアを中心に植民地化が進み、中国まで、その波が広がりつつありました。欧米列強による植民地化に危機を感じ、当時の幕府、明治政府は、海軍を整えるため、イギリス、アメリカなどの海軍を参考に、戦艦の建造地、軍港の整備を検討しました。最適な場所を見つけるために、政府は日本海軍の軍艦による測量など調査を行いました。このとき、伊万里湾か佐世保湾かに絞られ、当時の両村民が歓迎し、アピール合戦になりました。調査の結果、佐世保湾は出入り口が狭いこと、湾の懐が大きいこと、水深が深いこと、周囲の山々によって早朝に濃霧を発生させ、敵の目から隠せること、というメリットがありました。これらのメリットが伊万里湾より大きいという結論から、佐世保港が軍港として選ばれました。1886年の開設後、すぐ軍港建設が始まり、艦船の係船岸壁、修理ドックなどが造られました。現在も佐世保重工業(SSK)によって現役で活躍しています。

佐世保バーガー

 米軍のある街にとってハンバーガーは切っても切れない縁と言っても過言ではありません。神奈川県横須賀市には、横須賀バーガー、沖縄県にはA&Wなど独自のハンバーガーチェーンがあります。
 佐世保は、戦後、米軍基地が置かれ、音楽、ファッション、食べ物などアメリカ文化が伝来しました。1950年代、朝鮮戦争特需により復興し出した佐世保。このとき、アメリカ海軍関係者からレシピを教わったのが始まりとされています。当初は、米軍関係者向けに本場の味をそのまま提供いていましたが、徐々に日本人向けのレシピにアレンジされ、1999年頃からローカルフードとして普及が始まりました。
 クオリティを保つため、「コンセプト、独自性、信頼性、地産地消、将来性」という佐世保バーガー認定基準を満たしたものだけが佐世保バーガーと名乗れます。認定基準の中には、「オーダーを受けてから作り始める」、「本社が佐世保にあること」、「フレッシュな生野菜が使われていること」、「オリジナルソースが入っていること」などがあります。25店舗以上で提供されています。
 佐世保バーガーを食べたいときは、認証店マークと、「佐世保ハンバーガーボーイ」、「させぼのボコちゃん」というロゴを見つけてください。ロゴの作者は、アンパンマンの作者でもある、やなせたかし先生です。

JR佐世保駅北口にある佐世保ハンバーガーボーイ

 今回訪れたお店は、佐世保駅から徒歩8分のところにある「Y’s Burger Sasebo」。佐世保バーガーはバンズ、チーズ、ビーフパフィがチーズバーガーのベース。そこからトッピングとして、ベーコン、レタス、オニオン、トマトを追加。さらに、ポテト、フライドチキンのセットも選択できます。まるで定食みたいな注文スタイル。
 アメリカンサイズの大きなハンバーガーを豪快にかぶりつくのが、おいしく召し上がるための方法。ちなみに、バンズの上下の向きを反転させて食べると、具材がこぼれにくく、最後までバランスよく食べられます。
 Y’s Burger Saseboのチーズバーガーはジューシーなパテが特徴。フレッシュな野菜、とろけるチーズが一度に味わえて美味しいです。

Y’s Burger Saseboのチーズバーガー、BLT(ベーコン、レタス、トマト)追加

Y’s Burger Sasebo(テイクアウト専門)

営業時間 11:00~20:30
定休日  月曜日
アクセス佐世保駅から徒歩8分

佐世保市のスタバ限定、波佐見焼のマグカップ

波佐見焼

 1599年、朝鮮出兵後、肥前大村藩主、大村喜前が連れてきた陶工により、連方式階段状の登り窯を気づいたのが発祥。長崎県北部の佐世保市三河内付近で良質な磁器の原料が発見され、染付と青磁を中心とする陶器が生産。染付とは、中国から伝わった技法。素焼きした器に直接的藍色で絵を描き、透明の釉をかけて焼きます。こうすることによって、ガラスの被膜のような仕上がりになります。釉薬に含まれる鉄分により、少し青みがかった磁器に、藍色のデザインが施されている特徴があります。藍色の江戸後期には日本一の染付の生産量になりました。唐草模様を筆で簡単に描いた器をくらわんか椀と呼び、厚手で壊れにくく、素朴なデザインが特徴。大坂摂津の淀川沿いの船に小舟で近づき、「酒くらわんか、餅くらわんか」と言って売った言葉から名付けられました。大量生産により、手頃な値段だったため、庶民にも人気。伊万里港経由で江戸、大坂に販売され、日本の食文化の発展にも貢献しました。

 スターバックスでは、「JiMOTO Made」という特定の地域にあるスターバックスのお店で購入できるインテリア。日本各地にある地元の産業、素材を取り入れた商品開発を行い、地元の店舗のみで販売するプロジェクトを行っています。目的は、地元を大切にするため。以前、記事に書きましたので、最後に関連記事に掲載します。
 波佐見焼もJiMOTO Madeに選ばれ、隣の佐世保市のスターバックスでコーヒーカップが7260円で販売されています。日本初のコーヒーカップを再現しつつ、港町 佐世保の人々が大切にしてきた風景がデザインに込められています。
 白い磁器に、藍色の染付で描かれた佐世保港をイメージしたデザインが特徴。描かれた蓋を開けると可愛らしい錨が登場します。

ハウステンボス(オランダ語で森の家)

 大村湾北部にある入り江。江戸時代に干拓され、戦時中に埋め立てられ、海軍学校、海兵団が造られました。戦後、引揚港に指定された後、高度経済成長期に針尾工業団地として長崎県が工場誘致をしますが、うまくいかず20年以上放置されます。
 バブル期に環境保全未来都市ハウステンボスを建設することになり、1992年テーマパークとして開業。名前は、オランダ語で「森の家」。しかし、前年のバブル崩壊により、不景気が続くことになり、経営悪化。現在は旅行会社大手のHISが運営し、2022年、200万人以上の観光客が訪れ、復活の兆しが見え、街のシンボルにもなっています。
 ハウステンボスの特長は、日本一広いテーマパーク。モナコ公国と同じ広さ。徒歩だけで回ろうとすると、翌日、筋肉痛に。園内にはバス、タクシー、フェリー、自転車、馬車があり、乗り物を楽しみながら移動するのがよいです。
 日中はチューリップ、バラなど四季折々の花、夜はイルミネーションによる光で園内をカラフルに染めています。

佐世保に行って感じたこと

 軍港の街から発展したJR最西端の街、佐世保市は、現在では、ハウステンボスを中心に観光の街として栄えてました。アメリカンと地元を融合させた佐世保バーガーをいただき、佐世保駅前のスターバックスでは、お土産に波佐見焼のマグカップを購入できました。
 今回は、佐賀県を経由したため、短時間の滞在になりました。佐賀編について、執筆中ですので近々公開予定です。

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参考文献


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