【BtoBマーケター必見】学生インターンの私が、1から展示会運営を行った話
はじめまして!
テクロ株式会社インターン生の、比留間と申します。
私のように、まだマーケターとしてはひよっこだという方や、大学生視点でのマーケティングを知りたいという方向けに何か書いてみようと思い立ち、noteを始めました。
今回は、2023年7月に東京ビッグサイトで行われたJapanマーケティングWeek2023夏に出展したときのことを、これから展示会の準備をする人に向けて、時系列順に書いていこうと思います。
言うなれば「ちょっと面白くて読みやすい展示会マニュアル」です。
時間がある人はぜひ最初から、時間がない人は気になる部分だけつまみ食いして見てもらえたら嬉しいです。
展示会運営を任されるまで
「7月にまたビックサイトの展示会に出るんだけど、比留間さん、今回運営側をやってみない?」
1on1中に上司からそう言われて、「ぜひやらせてください!」なんて安請け合いしてしまったことから、約2か月間の苦悩、今となっては貴重な経験が始まりました。
これまで3回ほど声掛け要因で展示会には参加していたので、なんとなく展示会の準備とは何をするのか、というイメージはありました。
運営側と言われ、てっきり業務の一部を担当するんだろうなぐらいに思っていたら、まさかの任された仕事は「統括」。
つまり展示会に関わるほぼ全部。BtoBマーケ歴1年半にも満たないインターン生が、何百万という予算を使って展示会を主導することになったのです。
全くノウハウがないわけではありませんでしたが、今までテクロが参加した3回のうち2回は、展示会から直接の成約は0という惨敗っぷり…。(Webマーケの会社って感じ!とも言ってられなくなりましたね)
これでまた1件も成果をあげられずに終わった場合、ワンチャン解雇では?という焦りと不安を抱えながら、あたふたと準備が始まりました。
準備編
人員とホテルの確保
まず行ったことは、人員とホテルの確保です。
「そんなのは当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、意外と甘くない世界です。
過去3回の展示会の大きな反省として、「ピークタイムに圧倒的に営業の数が足りていない」ことが挙げられました。
ちなみに、ピークタイムは大体昼過ぎの13時〜15時半です。
うまくお昼の時間をずらしてシフトを組む必要があります。
前回までは声掛け担当:営業担当=1:1で、1コマ5人前後で回していたのですが、今回はPMの方にもお願いして、声掛け担当:営業担当=1:2で、営業ができる人員を大幅に増やしました。
また、展示会は2〜3日連続して開催されるものが多いと思いますが、特に声掛け要因はずっと立ちっぱなしになるため、疲労がたまりやすいです。
2時間おきに30分の休憩を取ったり、複数日程参加するメンバーには半休を作ってあげるなどして、無理のないシフトを組むことをおすすめします。
ちなみに、今回はこんな感じで組みました。
テクロではMAツールに名刺を取り込んでいるのですが、200件以上のリードが手に入る展示会ではこの作業が中々大変です。
取り込み担当を別で用意しておくor優先度が高いリードには、会場にいないメンバーにできるだけ早く名刺の取り込み&連絡をしてもらう、といった対応をおすすめします。
実際、上記のシフト表の通り、名刺の取り込み担当も決めていたのですが、声掛けに追われて難しく夜中に取り込んでもらうことになりました…(女神のような上司です。涙)
そしてホテル。
コロナ規制も緩和され、インバウンドが盛り上がってきた時期なこともあり、ホテルがとにかく高かったです。会場近くのホテルはどの企業も狙っているので、抽選制を取っているところまであります。ア○ホテルですら1万円近くしました…予算がもっていかれる…
個人的に感じたフルリモートの最大の欠点は、都心部に集まるためにとにかく交通費がかかることですね。しかも、関西や東北など遠方から来ている場合、宿を用意しなければいけません。
とにかく安く!しかし快適なホテルをとりたい!
この問題を解決してくれたのが、各地を旅するテクロの代表取締役、天野さんです。安くて会場にアクセスしやすい場所を知っていたり、うまく交通手段と合わせて安くなるプランを見つけてくれる、そんな方が1人いるだけでかなり違います。
天野さん、いつもありがとうございます。
KPIとターゲット設定
次に全体の目標数(KPI)とターゲットですね。
BtoB企業の展示会のKPIとしてよく設定されるのは、リード獲得数、あるいはアポイント(or商談)獲得数のどちらかだと思います。
今までの展示会ではその両方を追っていましたが、今回は「見込みのある来場者に限定して深く話をし、とにかく次回アポイントを取り付ける」ことを掲げ、アポイント獲得数のみを会期中に意識するKPIとしました。
(もちろん、成約数、商談数、リード獲得数もそれぞれ設定はしています)
展示会では様々な企業が出展しているため、後からメールやインサイドセールスでフォローしても自社のことを覚えていなかったり、他の連絡に埋もれてしまったりと、アポイントを獲得するのが難しいです。
そのため、多少強引でもその場で次の日程を抑えてしまうことが重要です。
とはいえ、アポイントを打診しても、「上司に一度資料を見せてからでないと難しい」「他の担当者ともスケジュールを合わせたいのでメールで調整したい」と断られてしまうことが多いですよね。
そこで引き下がらずに、
「都合が合わなければ後から日時の変更やキャンセルもできますので!」「いいご提案ができそうだったのに、迷惑メールに入ってしまってご連絡が取れなかったりすることもあって…」
と、もう一度だけ押してみるのが効果的です。
稀にいる、本当に後からメールで調整してくれるタイプのお客様は神様ですが、大抵はスルーされてしまいますからね…
また、ターゲット設定はチラシや装飾にも関わってくるため、かなり大事な工程です。
これはマーケターとして恥ずかしい話なんですが、とにかく早く準備を進めなければいけないと焦り、初めは、ターゲットを深く考える前に装飾のキャッチコピーを決めてしまっていました。
今回、2つのサービス(オウンドメディア運用代行と、マーケティング人材育成サービス)を1ブースで出展しました。
今までにも出展していたオウンドメディアの方は前回反応が良かったワードを、今回初めて出展した人材育成の方はHPやサービス資料に使われているワードをチョイスしました。
しかし、上司に案を提出した際に、「まずはもう1人のインターン生の子と、しっかりターゲットを考えてみようか」と優しく指摘され、成果を出すためのしっかりとした手順をふむことが疎かになっていた自分に気付かされました。
また、代表からも「展示会のリードと普段Webから獲得しているリードでは、ニーズや刺さる言葉がずれていることが多いから、営業にも確認するべきだ」という指摘を受けました。
そこで、展示会経由のリードの過去の商談動画を見たり、営業担当との擦り合わせを行って、ターゲットを練り上げました。
展示会に限った話ではありませんが、定期的に自社で想定しているターゲット像と実際取れているリードがずれていないかを、マーケティング担当であっても商談に同席したり録画を観ることで確かめることが重要だと身をもって感じました。
チラシと装飾について
チラシについては、もう1人のインターン生が担当してくれたため、ここでは割愛させてもらいますが、チラシを受け取って、あるいはちらっと見た時に目を惹かれる一文を入れることを意識して作ってもらいました。
展示会ではどの企業も呼び込みを頑張るため、一生懸命声をかけても実はちゃんと来場者の耳に届いていないこともあります。そのため、伝えたいことを端的にチラシで表現するのが必要なのです。
ちなみに、もう1人のインターン生は現在大学3年生なのですが、丁寧な仕事と鋭い発言がとてもいいギャップの魅力的な子です!
彼女にもいつかnoteを書いてもらう予定なのでお楽しみに。
装飾については、装飾会社さんの都合もあるため早めに動いておくことが重要です。
ちなみにテクロではフルリモートの都合上、前回使用した看板などを保管しておける場所がないことや撤収の際の楽さから、毎回装飾は解体して処分してくれるタイプの会社を利用しています。
スケジュール感としては、
また、展示会を通して感じたり、装飾会社や展示会の運営会社に聞いたブース装飾のポイントは、以下の5つです。
それから、装飾会社にはイメージをできるだけ詳細にし、強く要望を伝えることをおすすめします。相手は自社の人間ほどサービスの強みを(なんならサービス内容を)理解していないため、プロだからといって任せきりではなく、しっかりイメージを擦り合わせていくことが重要です。
その他の、声掛けから営業への受け渡しやその場での商談方法については、商材や会社によってかなり変わってくると思うので、ここでは省きます。
声掛けの際には、来場者が首からぶら下げている名刺入れに部署名(マーケティング、営業推進、経営、IT・システムなど)が書いてあるので、そこで優先度をつけていく形になります。
少し注意したいのは、「経営」の方は、もちろん立場や決裁権がある方が多いのですが、小さい会社であることがほとんど、ということです。
会社規模がある程度大きくないと自社サービスの対象にならない場合は、「経営」の優先度を下げていいかと思います。
当日編
ここからは、実際にテクロが展示会に参加してどうだったのか、その一部をお伝えさせていただきます。ぜひテクロのメンバーになったつもりで、ハラハラしながら(?)読んでいただきたいです。
まず会場へ持っていったものは、次の通りです。
チラシやサービス資料の数は、来場者に応じて変わってくると思いますが、リード獲得したい数×3倍あると、足りるかと思います。
1日目
一言で言うと「大失敗」でした!!
まず、想定していたよりも全然お客さんが来ませんでした。
4月の展示会と比べて明らかに来場者が少なく、さらに、入口に近いブースというのが、逆に素通りされやすさを加速していました…。
(一旦奥から全部回ろうと考える来場者が多かったのだと思います)
そして今回マイナスに働いたのが、周りに集まっていた出展社が、自社と関連がないサービスばかりだったことです。
例えばテクロであれば、いつもはオウンドメディア支援やSEOツールの会社が近くに並んでいるのですが、今回はそういった会社が会場内で散らばっていました。そのため、SEO系の会社を求めて来る人が、会場内のどこに向かえば良いのか分かりづらくなっていたのです。
恐らく、ニーズはあったけれどテクロのブースを見逃してしまった、という方もいると思います。こればっかりは他の出展社との兼ね合いもあるので難しいところですが、ブースの場所選びは本当に大事です。
今回は、人が来やすいとされる入口近くを早い段階で取ったのが裏目に出ました。一般的にはいい位置とされるのですが、ここが合うかどうかもサービスによって変わるということですね。
また、今回2つのサービスを出展していたのですが、とにかく人材育成の方が刺さらない。変に欲張らずに、展示会のテーマに沿ったサービスに注力すべきだという反省を得ました。
それから、当初それなりの人が来る想定で、見込み度とそれに伴う対応を設定していたので、アポを打診できる基準に達する会社が中々ありませんでした。
もちろん、後の営業の負担を減らすために情報交換レベルの人とは商談しないことも大事ではあるのですが、このままではあまりにもアポ数が少なすぎる...!と大焦りです。
その結果、なんとKPIの4分の1のアポ数しか獲得できずに1日目は終わりました。その日のホテルに向かう私の足取りは本当に重かったです。
2日目
1日目の反省を生かし、大きく以下の点を改善しました。
1日目よりも全体の来場者数が増え、周りの出展社もより客引きを頑張ったことで、少し活気が出てテクロのブースに来てくれる人の数も増えました。
声掛けや見込み度の変更の効果もあり、前日の遅れを取り戻すように、1日あたりのアポ数のKPIは達成することができました。
ただ、相変わらず人材育成の方は1件もアポイントが取れない状況のため、最終日は完全にオウンドメディアに絞って売り出していこう、と方針を変えます。
また、ピーク時に人がどっと増えるためさばくのが難しく、ブースが横長であるために、声掛けが対応しているのに営業が気づかずフォローが遅れる、ということが何度かありました。
1人が声掛けをせず全体を見て、お客さんと話している声掛けの人がいたら営業に指示してフォローしに行ってもらう。という形で途中からは対応しましたが、できれば全員が展示会の場での簡易商談ならできる、という状態にしておくのが望ましいとも思います。
最終日
そして迎えた最終日。2日目からさらに変更したのは以下の点です。
これらに加えて、とにかく「オウンドメディアの運用代行」をしていることを強調するために、急遽看板や垂れ幕を追加しました。
元々かなりシンプルな装飾にしていたのですが、なんだかんだアイキャッチは沢山あった方が良かったです。
当時のマーケ部の部長(例の女神です)が、前日の夜中にデザインを作成して最終日の朝に持ってきてくれました。
そのため、手作り感満載のブースになったのですが、他のブースが作り込まれているからこそ逆に目を引いて良かったのかもしれません。
そして…展示会メンバー全員の頑張りもあり、最終日は1~2日目よりも開催時間が短いにも関わらず、3日間の中で1番のアポイント数を獲得できました。
1日目の大幅な遅れや、人材育成の方が全く刺さらなかったこともあり、当初の3日間全体のアポイント数の目標には届かなかったのですが、過去の展示会の中では最多のアポイント数を獲得することが出来ました!
撤去後はテクロの展示会恒例、代表のポケットマネーで焼肉も堪能してきました🍖
後日、インサイドをしたり、フォローセミナーを企画したりと色々やることはありましたが、今回はこのあたりで締めさせていただきます。
ちなみに、しっかりと展示会経由の成約も獲得でき、私の首の皮はつながったのでご安心ください!
あとがき
展示会は、準備や人員の確保こそ大変ですが、普段Webでは出会えないような会社との接点を持つ絶好の機会です。
まだ展示会に出展したことがないという方も、出展経験はあるけどイマイチ成果が出せていないという方も、このnoteを見て何か参考になる部分があったら嬉しいです。
初めてのnoteなので拙い部分もあったとは思いますが、もし好評であれば、これからも学生ならではの視点でテクロやマーケティングに関する情報を発信していけたらと思っています。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?