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思い出の蒲田の地は優しかった【改正湯】


このコロナ禍の中ソーシャルなマナーをしっかりと守りつつ、わたしはリュックひとつでランニングで旅へ出る。

交通機関は極力使わない、気ままなランニングの旅。

まずは都内を抜ける。

自宅のあるさいたま市から板橋、高田馬場、新大久保、、

こちらが渋谷。久しぶりに来たけどあんなに高く感じたヒカリエが小さい?と思うくらい周りが高くそびえ立つビル。キラキラしていた。

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10年で若者も街ですら変わる。10年前毎晩遊び呆けたこの街もすっかり姿を変えて落ち着いているように見えた。懐かしいけど、姿が変わった街。以前と変わらない姿を見つけてはあの頃の自分を重ね合わせたりして少し感傷してみたり。

先を急ぐ。

五反田、中原街道を行き馬込、そしてついに今夜の目的地、蒲田へ到着。

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蒲田駅より徒歩5分。【改正湯】

こちらの銭湯24時まで。ギリギリ23時で間に合った。近年リニューアルしたてということで入り口から早速明るく綺麗だ。閉館ギリギリなのにも関わらず優しく対応してくださり、ホッとした。

蒲田の銭湯といえば、「黒湯」熱々の黒い湯。

こちらでもしっかり楽しみました。

水風呂と炭酸風呂も黒湯。素晴らしい!2度お得な気分、いや3度。黒湯で反復欲を楽しめるなんてなんとも贅沢。ランニングで疲れた身体に染み渡って思わず声が漏れた。「気持ちぃぃい〜」

富士山かな、タイルの壁画。その下になんと!水槽に金魚が泳いでいる!

黒湯に夢中で気づかなかったけど、かなりの存在感。でも邪魔していない。この金魚達。静かに泳いでいる。目で追うんだけど目が疲れない、優しい。目の保養くらいに優しい。

ぼーっと金魚を静かに見る。いろいろな優しい感情が浮かんでくる。夜中に黒湯の熱い湯。くぅ〜っと全身に染み渡る熱さなのに、何故か金魚を見て優しい湯に包まれている様な。

都内を太陽の下、沈んでからも颯爽と抜けてきたわたし。思い出があちらこちらに転がっている都内。この蒲田という地も11年前の職場であった。

若かったわたしと今の自分。何か成長したのだろうか。少なくとも嫌だった思い出を素直に受け止めることは出来るようになった。そしてその土地へ行きさらに新しい発見をしてみたり、楽しむ事が出来るようになった。あんなに辛くてしんどかった11年前のこの地。でも今この瞬間そんなことはどうでもいい。

金魚を見ながらの頭の中の回想は辛いものなのに優しかった。自分に優しくなれたのかな。そんな事を思った夜だった。

旅ラン1日目移動距離42キロ。

明日も旅は続く。

【改正湯】さんありがとうございました。



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