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ソニー半導体の奇跡: お荷物集団の逆転劇

書名:ソニー半導体の奇跡: お荷物集団の逆転劇
著者: 斎藤 端
出版社:東洋経済新報社
発行日:2021年2月27日
読了日:2021年2月27日
ページ数:246ページ
2月 :7冊目
年累計:11冊目

テクノロジー業界で働いているので
ソニーの半導体、特にイメージセンサは
非常に興味がある分野だったので読んでいて面白かった。

今でこそソニーのイメージセンサは世界一ですが
何度も窮地に追い込まれていたとは知らなかったです。
日本の半導体(LSIやメモリ)は海外に負けていますが
唯一、誇れるのはイメージセンサだけじゃないかな?

世界にはnVIDIA、AMD、Intel、Qualcomm、Xilinx…など
上げればキリがないくらい競合が多いですからね。

ただイメージセンサは違った。

ソニーの技術者魂と他社との連携など
様々な努力があって今の地位がある事が良くわかった。

今月のSONYのQ3決算資料によると
2020年度の”イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)”の見通しは売上高が1兆100億円、営業利益1,360億円(利益率13.4%)と
コロナ禍でもほとんど落ち込んでいなくて好調です。

引用元:2020年度 第3四半期 業績説明会資料より

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ソニーの半導体事業の中での
イメージセンサの占める売上高は8,700億円で
セグメント内の86%を占めます。

今は携帯向けのイメージセンサの約50%をSONYが占めています。

CCDからCMOSに転換をすると共に
CMOSの感度不足は裏面照射で補う。
明るい撮像できるので小型でも十分使える。

技術的な部分もそうですが、今後どこの市場が伸びるかを
見極めて、そこに戦略的に投資をしていく。
これがドンピシャにハマった感じがする。

ただ、これがスマホがここまで普及する前に
社内部署を説得して投資をしていくのは
さぞかし大変だったんだろう
(著書にもたくさん書かれている)

経営者としては最高の技術を活かすことができる
立地はどこなのかを見極められる目を持つべきですね。

2030年へ向けて社会が激変していくと思いますが
イメージセンサ1本足打法のままなのか?
それとも次の柱ができるのか?

今後も目が離せないですね!

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