見出し画像

マイクロソフトCTOが語る新AI時代

書名:マイクロソフトCTOが語る新AI時代
著者: ケヴィン スコット
出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
発行日:2021年2月17日
読了日:2021年2月21日
ページ数:320ページ
2月 :5冊目
年累計:9冊目

AI時代に対して、職を奪われるなどの
不安がある方やAIに対して嫌悪感を頂く方にこそ
読んで頂きたい本です。

著者の略歴(Wikipediaより)
・2003年:Googleでキャリアスタート
・2007年:AdMob(2010年にGoogleが買収)
・2011年:LinkedIn(2017年にMicrosoftが買収)
・2017年〜:MicrosoftのCTO(現役)

ゼロサムゲームからノン・ゼロサムゲームへ。
AIと仕事の関係を改めて考えよう。

単純でルーチン化された業務はAIによって
代替されてしまう事は間違い無いと思う。
人件費を削減するためのAI導入はネガティブ思考です。

例えば、カスタマーサービスセンターなどは
AIによって代替されていく業務の一つではありますが
そこから解放されたリソースを別のクリエイティブな
仕事を生み出す事に使う事ができます。

ゼロサム的な考え方
「カスタマーサービスなどは人件費がかかるから、AI駆動のエージジェントに切り替えてコスト削減しよう」
ノン・ゼロサム的な考え方
「スタッフは貴重な財産だが、神経のすり減る仕事をしているせいで十分ポテンシャルを発揮できてない。単純作業は自動化して、人間のスタッフにはもっと喜びに満ちた体験を作り出すような仕事に専念してもらおう」

ある業務が機械化されたから人を削減するのではなくて
それによって捻出されたリソースをどう活用するか。
経営者はこうした事を日々考える必要があります。

著者はこう断言してます

コストを最適化するだけで長く成功できた会社はない

優秀な企業はコストの最適化だけでなく
人材やインフラに投資をし続けて
顧客に新しい価値を提供し続けますからね。

そして、AIには好奇心がないですが
人間にはそれがありますから
可能性は無限大なので人への投資は継続して必要かなと思います。

製造業においては中国やベトナムなどの人件費が安いところに
工場を構える事がこれまで多かったです。
ただ、現在は人件費も高騰しつつあります。

工場もAI・オートメーション化がより一層進む事で
リショアリング(海外に移った仕事・会社が戻ってくる)
が進む事も考えられるので国内の仕事が
一方的に減るという訳でもないのかもしれない。

そんなAI時代には色々勉強も欠かせない訳ですが
著者の質の高い情報を得るための工夫がこちら

70:25:5の法則

全体の70%を仕事・専門に関係するしっかり編集された
長めのコンテンツを読むのに使い
25%は仕事と必ずしも関係ない新しい情報を学び
5%はSNSをチェックしたりする

今の時代、Twitterやinstagram、そしてclubhouse?
など時間を奪うツールが溢れかえっていますが
それを活用する側に回れば良いですが
消費する側では何も生まれないのですよね。

また、ケビン・スコットは仕事や教育をする際の
環境についても多く課題を指摘している。

田舎だと通信回線が不十分だったり
仕事のために地元を離れる必要があったり…。

コロナ禍でテレワークの普及が進み
インフラ整備も加速している今こそ働き方を
社会全体で見直していくチャンスですね。

マイクロソフトの考え方やAI時代到来へ向けて
何をしていかなければいけないのか?
そして、AIの未来は明るいと
ポジティブになれる一冊でした。

おすすめです!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?