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Amazonで12年間働いた僕が学んだ未来の仕事術

書名:Amazonで12年間働いた僕が学んだ未来の仕事術
著者:パク・ジョンジュン
出版社:PHP研究所
発行日:2020年7月31日
読了日:2020年8月2日
ページ数:288ページ
8月 :4冊目
年累計:25冊目

著者は韓国の方で2004年〜2015年まで
Amazonのシアトル本社で12年間勤務した方です。

ちょうとAmazonがグングン伸びて
GAFAの仲間入りする時なので、読み応えはあります。

以前、Amazonの倉庫で働く労働環境を
取り上げたルポタージュは読んだ事あるのですが
オフィス・シアトルで働く方の本は初だったので
興味深く読みました。

このパク・ジョンジュンという方は
Amazonに入社できる能力はあるものの
会社の中ではかなり大変だった様で
本の後半ではかなりネガティブな記述が見られます。

アジア人ならではの語学の壁や
周囲は天才エンジニアばっかりという環境では
それは大変なんだろうなって思います。

Amazonのショッピングサイトは非常に使いやすいですが
その裏側ではコンマ何秒でも遅延を短くする取り組みや
エラーなどの排除がされているのだなぁって
企業努力を感じる事ができました。

Webの読み込みが0.1秒遅れると、売上が1%減少?!
ユーザ数が半端ないからロスもそれだけ
大きくなるんだろうな。
びっくりだ。

そんなアマゾンは仕事も当然レベルが高くて
要求も高い、プレッシャーもある。

そんなアマゾン社員のやりがいの一つにRSUがある。

RSU(Restricted Stock Unit)
譲渡制限付き株式ユニット

今もAmazonの株価はものすごい勢いで上がってますが
これはかなり社員のモチベーションになる!って思った。

4年間にかけて自社株式が付与される。
例えば、100株のRSUの場合
1年目:10株
2年目:20株
3年目:30株
4年目:40株

これだけ手厚いのはやはり欧米ならではの
雇用の流動性にあるようだ。

12年間務めた著者はAmazon内で上位2%に入るほどの古参。
日本企業だと平均勤続年数が20年はざらだから
いかにすぐやめてしまうかがわかる。
それを引き止めるオプションって感じですね。

この辺の内情を知る事ができるのは面白い。

もう一つ勉強になったのが

「バス係数」「ロト係数」

アメリカの会社には特定の情報が1人に
どれくらい集中しているかを測定する表現で
使われるみたいです。

誰かメンバが突然抜けた場合
業務全体に及ぼす影響の大きさを表す。

メンバーがバスに轢かれて出社できない状況を示す。
(なんて不謹慎なんだ!)
ただ、最近はポジティブな表現で
ロトに当選して会社を去る、ロト係数が使われるらしい。
これらの係数は高いほど良い!

Amazonではこうした係数を高めるために
ウォータフォールではなくてアジャイル型
特にスクラムで仕事を進めているらしい。

だからこそ、あれだけのスピードで
成長できているのだなって思った。

Amazonで働くという事

著者の言葉としてこんな一文がある

「アマゾンで多くの人々に出会ったが、心底幸せに
働いている人はいなかった。」

ジェフ・ベゾスは確かに偉大だけど
そこで働く社員がアマゾンに愛着を持って
働いてるかというとそうではなさそうだ。
もちろん、これはあくまで著者目線だから
全員がそうではないだろうけどね。

ただ、著者はアマゾンは「マスター」であると
学ぶ事は多かったとも語っている。

アマゾン自体の企業としての成長もすごいし
それによって全世界中の顧客は利便性を享受している。
そこで働く人はものすごく大変だけれども
アマゾンを去った後にその経験が大きく活かされて
起業して、社会に貢献している。

アマゾンは様々なものを生み出している
そんな企業だなぁって少し見方が変わりました。

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