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ステレオタイプの科学

書名:ステレオタイプの科学
著者: クロード・スティール
出版社:英治出版
発行日:2020年4月6
読了日:2021年2月11日
ページ数:296ページ
2月 :2冊目
年累計:6冊目

昨今、女性蔑視発言に対して批判が高まっていますが
多くの方に読んで頂きたい書籍があります。
昨年買って、積読になっていたのですが今週読みました。

ステレオタイプはあるカテゴリーの人にどういった
イメージを頂くかという認識面の概念。
偏見はネガティブな他者へのイメージに対する
拒否的、嫌悪的、敵意的感情。
差別はこの感情に基づいた行動の事。

ステレオタイプ=認知
偏見=感情
差別=行動

まず、これらの違いについて
すごくわかりやすく整理されていて
今後、使う際にはこれらを意識したいなと思っています。

この本では

「ステレオタイプの脅威」

を取り扱います。

様々なステレオタイプがある中で
そうした認識に基づいて自分が評価されてしまう
恐れの事になります。
そして、これは目に見えない恐怖です。

例えば、理数系は男性の方が得意だからという
ステレオタイプがあり、アイデンティティ付随条件という
一定環境下にさらされると、女性というだけで
理数系の能力を発揮できなくなる事があります。

例えば、テストの前に事前にこれは
男女で差がでない様な試験と伝えるのと
これは過去の結果からすると男性の方が点数が高い
と伝えるのでは心理的に影響を受けて結果が変わるのです。

では、なぜ影響を受けてしまうのか?

それは、女性は理数系が苦手だと思われていて
そんな中、試験を受けるからそのステレオタイプを
追認されたくないという、頑張らなきゃプレッシャー!
ダメだと思われたくない!という気持ちに
なってしまうためです。

そうすると目の前の事に集中できなくなり
脳からゆとりも奪われて、思考を邪魔して
パフォーマンスにダメージをきたす。

これは自分自身がどうこうできるものではなくて
そういう環境に置かれる事で陥ってしまう
まさに”脅威”という事です。

その他にも、電車の中で席が空いてる時に
男性、女性どちらの隣に座るかなど
悩む時ありますよね?(意識する場合です)

それは差別や偏見というよりは
異性の隣に座った際に、何かトラブルになったりしないか?
たまたま読んでる雑誌に差別的なものが含まれていて
相手からこの人は女性蔑視、男性蔑視だと思われないか?

あるステレオタイプに自分が当てはまってしまう事が
怖いからそれの防衛反応が働くという事です。

みんな厄介な事は避けたいという気持ちもあるかもね。

もう一つ、この本を読んでいて学んだ言葉

「クリティカルマス」

学校・職場など特定の環境で、少数派が一定の数に達した結果、その人たちがもはや少数派であるがゆえの居心地の悪さを感じなくなる事。

クラス、セミナーなどで男性8割・女性2割
男性2割・女性8割など偏った時に、気まづいなとか
居づらいなぁと思う事ありますよね。

ある程度人数が増えると、その居心地の悪さがなくなる
その事を”クリティカルマス”と言います。

だだ、絶対的なものではないので具体的に
どれくらいの割合なのか?というのはなく
あくまで相対的なものみたいです。

最近、ダイバーシティを掲げる企業が多くて
管理職に女性起用や採用において女性を増やす
といった取り組みがされてると思います。

でも、職場でこのクリティカルマスが達成されない限り
増やしたところで働きやすさは変わらない気がしました。

では、私たちはどう解決していけば良いか?

このステレオタイプ脅威は環境に存在する
サインによって引き起こされるので
そのサインを極力排除する事です。

あるカテゴリーの人だけが居心地の良い様な職場ではなく
様々な年代・老若男女が働いている職場や
それぞれが安心して働ける環境を与える事です。

人は不安や疎外感を感じると
自己防衛的な側面がその人のパフォーマンスを
乗っ取ってしまう。

だから

安心感

これが大切です。

フィードバックの仕方もそうですし
クリティカルマスを満たせるように意識していく
多様なバックグラウンドの人同士の雑談の機会を増やす
自分自身が大切にしている価値観の肯定をフォローしてあげる

こうした事は有効です!

私自身も無意識のバイアス、アンコンシャスバイアスに
かかっていると思います。

自分とは異なる価値観や考え方の人と接する際に
他者との違いに怯えたり、避けたり、感情的になるのではなく
こうしたステレオタイプの脅威がある事を意識しつつ
学びの機会と考えて、克服していこうと思います。

こうした事があると知っておくだけでも
今後の生き方は変わると思います!

オススメなのでぜひ読んでみてください!


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