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【技術史】サランラップが生まれた経緯

100年前に比べて、私たちの生活は劇的に変えた物質は何でしょうか。
それはプラスチックです。青銅器時代や鉄器時代のような分類をすれば、現代はプラスチック時代といえます。
第二次世界大戦で金属が兵器の生産に優先されると、その不足した分の素材をプラスチックに求めていく動きが活発になりました。例えば、どこの家のキッチンにもあるラップがその象徴です。正式名称は、ポリ塩化ビニリデンといいます。アメリカのダウケミカルが生産し、第二次世界大戦のときには、輸送中の新品の機関銃などを海水や潮風などから守る保護フィルムとして用いられていました。
 戦後、需要が激減し、もてあまして困り果てたフィルム製造企業の社員ラドウィックとアイアンズの二人が、フィルムを持って帰ったところ、ラドウィックの妻がレタスなどをきれいにラップしてピクニックに持ってきて、これを見た女性の間で大変評判になりました。
この一件をヒントにロール状に巻いたフィルムを開発し、食品用ラップへと新しい活路が見出されたのです。ラドウィックとアイアンズのそれぞれの妻の名前、サラとアンから「サランラップ」と名付けられました。

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