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八雲PA 極上の休憩スポット

 自転車での転倒から1か月経ち、ようやく日常が戻ってきました。救急病院のレントゲン検査であばら骨折が判明した際、お医者さんに「次はいつ通院したら良いですか?」と聞いたのですが、「痛みが激しくならなければ、もう来なくていいです」と言われ、腰を固定するサポーターと鎮痛剤を処方されました。本当に完治したのか分からずモヤモヤした日々です。

 でも、6月の北海道は新緑が美しく、旅するには最適な季節。痛みも治まったので道南へドライブに出かけてきました。

 10年前にN-BOX+(プラス)を購入して以降、道内の各地で車中泊を楽しんでいます。国内販売台数ナンバーワンを記録し続けるN-BOXとは違い、既に生産が停止されてしまったのですが、後部から車いすをスロープで入れられるなど荷台が広く、フルフラットになり、車中泊には最適な車と自負しています。

 私はよく、全国の車中泊スポットの情報をまとめたサイトを利用させてもらっています。
https://syachuhaku.fxtec.info/


 その中で、①入浴施設がある②無料あるいは格安のキャンプ場で自炊ができる③Wi-Fiが使える、などのように管理人さんが設定した難しい条件をクリアした「Sランク車中泊スポット」が、道内に10カ所あります。下の地図でいうと、王冠が描かれている場所です。


 全国のSランク車中泊スポットは現在32カ所なので、3分の1近くが北海道に集中しているんですね。


 札幌から日本海沿いで稚内に向かうオロロンラインにある道の駅「☆ロマン街道しょさんべつ」などは有名です。同じ道北への拠点として私のイチ押しは、源泉かけ流しの温泉に100円で入れる「旭川市21世紀の森」。
http://www.asahikawashi21seikinomori.net/
 今は車中泊の際に1人300円かかるようになったそうですが、私が利用していたコロナ禍前は無料で超穴場でした。こちらもSランク入りしています。

 今回、道南に向かったのはこの情報サイトには載っていない「休憩スポット」を体験するため。札幌から函館に向かう途中にある八雲パーキングエリア(PA)が目的地です。ここは一帯が「噴火湾パノラマパーク」として整備されており、食べて遊べるエンタメ施設なのです。
http://panorama.town.yakumo.hokkaido.jp/ 


 「休憩スポット」と記したのは高速道路のサービスエリアやパーキングエリアは、車中泊が推奨されていないためです。いわゆる宿泊を目的とした長時間駐車はしないで、とのことなのですが、休憩で仮眠を取るのはOKなので、言わばグレーゾーン。大型車は何台か利用していましたが、一般車両でこの日の夜、長時間駐車していたのは私だけでした。  

 道の駅とは異なり、高速道路を使う必要があるため、完全な無料施設ではないのが理由の一つでしょう。私の場合、最も短い八雲IC~落部IC(16キロメートル)を利用。ETCの休日割で360円でした。この料金で静かで極上の休憩スポットが利用できるなら格安だと思います。広くてきれいなユニバーサルトイレもあります。

 八雲町は全国で唯一、太平洋と日本海いずれの海にも面した自治体です。パーキングエリアは日本海側の噴火湾に面しており、晴れていれば海の向こうに「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山(標高1898メートル)を見ることができます。富士山の眺望スポットになぞらえれば、田子の浦のような場所なんですね。この日はあいにくの曇り空だったものの、風光明媚さが最大の魅力です。

 さらに、パークの広大さ、施設の充実ぶりは目を見張るものがあります。花畑にアスレチックなどの大型遊具、パークゴルフ場などを備えた園内には最長70分の「ウォーキングロード」も設けられています。

 朝のすがすがしい空気を愛でながら散策すると、NHKの連続テレビ小説「なつぞら」のような風景が広がっていました。

 この日は休館日の月曜だったのですが、パーキングエリアのパノラマ館にはレストランのほか、天候を気にせず子供達が遊べるインドアプレイスペースもあります。

 また、隣には八雲の農産物などを直売する「丘の駅」も。

 レストランが閉まっていても大丈夫。周辺スポットが充実しています。

 パーキングエリアの近くには、かつてケンタッキーフライドチキンの試験農場だった場所に建てられたレストラン「ハーベスター八雲」があり、こちらでは八雲が発祥の地となった「ハーブ鶏」のフライドチキンやピザなどが食べられます。
 隣接するカフェ「元山牧場 エルフィン」で搾りたての牛乳とコーヒー牛乳を買い求め、絶景を眺めながらお腹を満たしました。


 Sランクの条件に照らし合わせると、ここから徒歩圏に入浴スポットはありません。でも、最寄りの落部インターから15分ほど車を走らせれば、道内でも屈指の名湯として知られる「銀婚湯」があるんです。
http://www.ginkonyu.com/
 入浴料は800円かかりますが、敷地内には5本の源泉を用いた野天風呂が点在。隠し湯巡りも楽しめます。

 極上の景色、食、湯を楽しめる八雲PAは、函館で夜景を楽しんだ後、札幌へ戻る際に利用するのもよし。知られざるSランクの「休憩スポット」と勝手に認定します。

 利用中も、函館に向かうとみられる外国人を載せたバスがトイレ休憩に立ち寄って行きましたが、通り過ぎるだけではもったいない!

 道南観光の際はぜひここでご飯を食べ、散策を楽しんでほしいと思っています。


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