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ゲーム実況『面白さ』の正体

面白さってなんだろう?

ゲーム実況というクリエイティブ活動における永遠だった謎。
面白い動画と面白くない動画の差。
時にそれを、運と同等のセンスと言い始める。
センスではないことを突き止めたので教える。

『面白さ』の正体

主に以下の式で求められることが分かった。

情報量×メリハリ=面白さ

多ければ多いほど良いわけではなく、
ある程度の黄金比率が存在する。
重要なのは最低限の情報量とメリハリのラインが存在すること。
『参考になるけどつまんない』
『勢いは凄いけど面白くない気がする』
このような面白くない状態はどちらかが足りていない。

情報量とは?

情報はドーパミンのような快楽であるということはあまり知られていない。
ボイロ実況は後付けなので情報自体は簡単に増やせる。

・アイテムが出てきたらそれを動画の端っこで解説するテキストを立てる。
・クラフト系なら組み上がる場面をカット編集で迅速に見せる。
・難しいコンテンツなら失敗集を放出する。

視聴者はそのゲームを見に来ているので
ゲームに関わる情報はなんでも嬉しい。
バグっているシーンや試行錯誤しているシーンさえ
情報という快楽の枠組みに入る。
見慣れないシーンなんか大好物である。

投稿者が思う偏見さえも、共感次第で面白さに紐づく。

逆に言うとゲームに対するネガキャンは基本的に好まれない。
それは見ている人がそのゲームを好きという大前提がある。

特にニコニコはコメントが全部出るのでその傾向が強い。
それだけ情報は動画の面白さに必要な要素でありながら
面白さを決定づけるわけではない。

メリハリとは?

こんな言葉を辞書で引く。
『緩めること、張ること、抑揚があること。』
早い話が飽きにくさ
飽きにくい動画はそりゃ面白い。

飽きやすいけど面白い』
なんて感想聞いたことない。


つまりいくら情報を重ねても、メリハリがダメなら
何もかも面白くない可能性がある。

キャラを常に喋らせていて、立ち絵も動かしていて、BGMも効果音もあり、面白いシーンさえ何個も入り乱れた最高傑作
なのに面白くないとすれば、ここしか考えられない。
見せ方は大事ということが分かる。

問題はこのメリハリ、編集でしか出せない要素になる。
効果音やBGMを使うだけなら誰でもできる。
鬼門になってくるのが使い方。
僅かな例を紹介する。

・トランジション
映像を切り替える編集の総称。
映像自体に動きや音を与えるとメリハリになる。
それでいて目や耳が疲れにくいのが良い。
必ず使う要素なので独自性とメリハリを生み出さないのはもったいない

・効果音
ゲーム映像に合わせて音ハメ。
あったら面白いというタイミングで使う。
セリフの代わりに効果音を使って
セリフがないシーンを生み出せばデカいメリハリ。
音ハメしたスピーディーなシーンは離脱されにくい

・BGM
最初に選択を迫られる。常に使うか、局所的に使うか。
局所的に使えば簡単に強いメリハリになる。
ボイロはずっと喋るので無音が問題になりにくい。
常に使う場合は、使わないシーンを作れるかどうか。
BGMの扱いに関してはナスDが頭一つ抜けている。

・セリフ
ここをいじらない手はない。
可愛い声を出したり、変な声をワンシーン追加するだけでも
動画の雰囲気は一瞬ズレる
この小さな積み重ねが大事。

・アイキャッチ
アニメのCM前後に挟まれるアレ。
ボイロキャラが躍動するような映像さえ用意できれば
強烈なメリハリを確保できる。
切り札に近い。
クオリティ次第では前半の失敗をなかったことにできる

他にも色々ある。

・ゲーム映像に合わせて変化した立ち絵をたまにズームする。
・時間を止めてBGMを流して数秒解説する。
・簡単な立ち絵アニメーションを差し込む。

まとめ

情報量は快楽であり、メリハリは飽きにくさ。
それを纏めて『面白さ』と表現される。

  • 情報量は言語で感じる印象。

  • メリハリは視覚聴覚が感じる印象。

方程式通りの動画

ずんだおばけ

この人は去年、急に出てきた。
過去に修行していたのは間違いない。
重要なのは過去のネームバリューなしで伸びたこと。

この人の動画は誰かの感性ではなく経歴で面白いと判断できた。

一見アイキャッチとエンディングが派手だから伸びたように感じる。
しかし、要所要所にメリハリが隠れているではないか。
アイキャッチ、トランジション、セリフの調声。
合間にゆっくり解説のような画像の切り貼りがある。

これにより2種類の動画があるような感覚に陥る。
解説するべき時は解説する、とでも良いたげ。
この二面性は最上級ながら目立たないメリハリ。

春日部つくしが解説するシーンなんて特に凄いメリハリだ。
そしてそれを実現させるゲームの情報量。
そりゃ面白いよねってことになる。
感覚的にはテレビ番組で、ロケとスタジオの映像が行き来している。


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