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長くて短い夏の恋

僕が人生で1番恋をしていた時の話

学生時代、僕はある子にずっと片想いをしていて
学年全員がその思いを知ってる程だった
しかし、特にその事の接点も無く
無駄にシャイだった僕は話しかける事も出来ずに
ただ、時間だけが過ぎていっていた

僕的には、自分が片想いをしているだけで十分で
本当にそれ以上何も望んでいなくて
ただ、もしも可能性があるならば 
思った事もしばしばあった

そんなある時、ホントに些細なきっかけ
友達達の粋な計らいによって
なんと僕はその子と夏祭りに行ける事になった

当時は嬉しい気持ち7割、不安な気持ち3割の
ドキドキ初デートになった

もちろん、学生、夏祭り、2人
なんて二度と訪れないチャンス
僕は予定が決まった時から必ず告白すると決めていた

そして訪れた当日
2人で満員のシャトルバスに乗って
どのくらいだったろう、20分くらいか
緊張してほとんど言葉を交わせずバスに揺られながら
祭り会場に向かった

ズラっと並んだ屋台
かき分けるほどの人混み
暑さと緊張で変な汗が出そうな僕の
隣に君が居て

とても不思議な感覚で
ただ時間は一瞬ではなくて
なんだか逆にとても長く感じていた

そして祭りも終わろうかとの時に
遂に待っていたラストイベント
地元では有名な花火が上がる

どうしよう、遂に来てしまった
なんて思いながらも花火が終わるまででタイミングを見計らい
準備していた僕

ここだ!!
いや、ちょっとまだかな
なんてタイミングを言い訳にして喉から大切な言葉が
出てこようとしなくなっていた

ホントに長かった気がした
花火が終わるまでの約数十分
周りのときが止まっているかのような感覚でいた

どんどんと花火も大きなモノに変わっていき
上がる音量と共に僕の鼓動も強くなり始め
ラスト何発だろうか分からなかったが
大きな花火が上がった瞬間に僕は思いを伝えた


今でも鮮明に覚えている
とっても長くて短い夏の恋

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