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ひとりぼっち。

ひとりぼっちにさせないから大丈夫だよ
その言葉返せるように強くなりたい

プレゼント-SEKAI NO OWARI-


これまでの私は、
一人で廊下を歩いて
「友達いないのかな」って思われたくないだとか、
”友達がいないかわいそうな子”
というレッテルを貼られたくないだとか、
誰からも嫌われないでいたいだとか、…
そんなことばかり気にして
たいして好きでもない人とでも
一緒にいたほうがましだと思っていた。

最近の私はそれがしんどくなって、
一人でいることが増えた。
周りの目を気にしないために、
休み時間や移動中は大抵イヤホンをつけて
音楽の世界に逃げておくことにした。

私はもともと寂しがりやな性格で
人が好きで
話すことは上手じゃないけれど好きで
よく笑う人だった。

それでも、一人でいることを最近の私は選んでいる。

ひとりは、もちろん寂しい。
私は、ずっと寂しかった。
誰かと一緒にいるときでも。



5年前、私には大切な人がいた。
その人は、学年も性別も交友関係もなにもかもが私とは違った。

その頃の私は、悩みが絶えなかった。
昨日まで友達だった人に突然聞こえよがしに悪口を言われ
数か月先に生まれただけなのにやたらに偉そうな先輩に呼び出しを食らい
自分のいたチームだけが、上の大会に行けなくなって

そんな中で、何度も生きているのが嫌になったけれど
それでも生きていられたのは、
あの人が話を聞いてくれたからだと心から思う。

友達に別の友達とのことを相談したら、
友達に部活動のことを相談したら、
めぐりめぐって本人に届いてしまうかもしれないし、
本人が知ってしまったと分かった時に
その友達を疑うことになってしまうのが怖かった。

でも、
共通の友達がいないあの人に相談するときには、
そういう心配をしなくてよかった。

あの人は、私にとって本当に大切な人で
あの人も、私を大切に思ってくれていたけれど
恋人になってくれることはなかった。

私にとって
本当に大切な人だったけれど、
本当に大切だったからこそ、
私はたくさん寂しかった。




あの人からやっと離れる決心をしたのは、高校1年生の冬だった。
中学1年生の時のクラスメイトで一番仲が良かった君に
好かれていたと知って
君との恋をはじめた。

君は、野球人だった。
私は、野球をやってる人を
小学生の頃からなぜか、「野球人」と呼んでいたけれど
君はなによりも野球が最優先の人だった。
野球推薦で高校に入り、
毎日野球漬けの日々を送っていた。

君は私のことを愛してくれていたけれど、
私よりも野球が最優先で
君は、私と別れる選択をした。

私に寂しい思いをさせてしまうからという
君の優しさ故の決断だったことはわかっているし
君が野球に全力なところも好きだから
私は君の言葉を受け入れた。

また、大切な人は私を寂しくさせた。
君と出会えたことも、恋をしたことも
何も後悔していないけれど
ただ、寂しかった。





あれから2年が経った。

私は高校生になって、またたくさんの人と出会ったけれど
なかなか、あの人たちほど愛せる人はいなかった。
そんな中、
最近友達に恋をした。
ずっと仲良かった貴方に。
ようやくちゃんと恋をしてアプローチして
わずか1週間で付き合えることになった。

友達の彼氏だった貴方は、
愛が大きくて相手を第一に考えられる人で
紳士で一途な人だった。
2年前に知り合ってから、お互いに悩み相談する仲で
私の一番の理解者だった。

そんな貴方は彼女になった私を
私が経験したことがなさ過ぎて
夢にも思えなかったくらいに
大切にしてくれて、
愛してくれた。
そして、
すべてを受け入れる覚悟で付き合ったからと言って
私が落ち込んでいるのには誰よりも早く気づいて
どれだけ長くなっても上手く話せなくても
全部聞いてくれて本当に受け入れてくれて
それでも私のことを好きだと言ってくれた。

貴方だけは、絶対に私のそばにいてくれる。
誰よりも味方でいてくれて、一番想ってくれるって
そう信じることができる大切な人に、
私はようやく出会えたのだ。





私は、一人で行動できるようになった。
いつも隣にいてくれる人に出会えたから。
貴方だけは離れないでいてくれるって信じさせてくれたから。


私をひとりにさせないでくれる貴方が
明日も明後日も笑顔でいられますように。


大好きな貴方の隣に、
これからもずっといられますように。



大切な貴方に、愛をこめて。
            音愛


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