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花は足で生けよ

一走一花

たまに行うランニングは、私にとって重要な時間と位置付けている。
走りながら自分の目で、どこにどんな花が咲いているのかをチェックするのだ。

お茶の世界には「花は足で生けよ」という言葉がある。その花は、どのように咲き、またどのような場所で育つのか。
自ら足を運び、生態を知ることが、その花への愛着につながる。
ランニング中、お目当ての花を思わぬところで見つけた時の喜びは、ひとしおだ。

自分でも茶花を育てているのだが、花たちが環境の変化によって上手く育たないという経験をした。その花にはその花の、それぞれに合った自然環境を作り出してあげることが、大切なのだと身をもって知った。

そのような苦労(という名の楽しみ)があるからこそ、茶席の花は貴いのだ。

自然の中にあって、漠とした美しさも素晴らしいが、その中から一輪いただき、茶席に入れた時のあの美しさは、やはり特別だ。

日常を、上質な日常へ。

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