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水仙|春を告げる花

一走一花


”春を告げる花”の1つである、水仙。
雪の降る、寒い中でも凛として咲くことから、「雪中花」とも呼ばれている。

「其匂ひ 桃より白し 水仙花」

水仙の清楚な白は、本格的な春の暖かさを感じる、桃のピンクに比べたら淡いが、その香りとともに、近づきつつある春の足音を、伝えてくれている。


今一つ、水仙にまつわる詩を。

鳥は空を飛んでいる
魚は水に泳いでいる
私は地上でいったい
何をしているだろう

そう
私はたとえばあなたに
花を贈ることができる
鉢植えの黄水仙を

うす曇りのこの午後に
あなたをみつめて
それは歴史とは
なんのかかわりもない事だけれど

それはまったく
それだけの事だけれど


作者は、谷川俊太郎さん。
何気ない、人生の1コマであっても、それ自体が自分にとっては、かけがえのない事。
そんな、1つ1つを大切にする心だ。


谷川さんは、自分の出身校・上尾南中学校の校歌の作詞者でもある。


「校庭の土の下に 昔の人の汗がしみこんでいる
 昨日から今日へ 今日から明日へ
 人間は生きている
 みつめても みつめても みつめつくせぬ 
 まぶしい未来を なおも私たちは夢見る」



中学生の頃、歌っていた時には気がつかなかったが、今改めて歌詞をみて、その美しさに感激した。
今の自分たちの暮らしは、先人たちの努力によって築かれたものだ。

時代の転換期を迎えた昨今。
暖かな春の様な、「まぶしい未来」を願ってやまない。

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