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インターハイ

インターハイ自転車競技が行われましたので報告です。

まず、このような状況の中、大会を開催していただいたことに感謝です。

そして、先生やコーチ、サポートしてくれた皆さまのおかげで、チームとしては総合優勝できました。おめでとう。そして、感動をありがとうございました。


無観客試合のため、自宅で観戦中

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ここからは、GEN(高2)の大会の模様を、ネット観戦と本人の話を元に書いていきます。春の選抜は補欠でしたが、今回はポイントレースとロードレースに出場させてもらうことになりました。

まずは、8/20(金)予選 

チームメイトのサポート


8/21 (土)ポイントレース予選

その日は、一つの競技が終わればすぐに次のレースが始まるという形式で、それぞれの競技のスタート時間が決まっていませんでした。ポイントレース予選は最後のレースなのでまだ大丈夫だろうと油断したところ、参加選手の招集が始まりました。

予想外の招集に、アップなしで挑むことになってしまいました。(完全に本人のミスです。)

予選スタート。1回目2回目のポイント周回で、体の調子とは裏腹に強引にポイントを獲得しました。しかしそれ以降、脚と心拍が限界に達し、ポイントに絡めませんでした。何とか最初のポイントで予選通過できましたが、危ないところでした。アップの大切さを知りました。


8/22 (日)ポイントレース決勝

前日の失敗を教訓に念入りにアップを済ませレースに挑みました。いよいよ決勝レーススタートです。

序盤から強力メンバーによる6名の逃げが発生し、それにうまく乗ることができました。しかし、日本の高校生のトップが集まる逃げ集団では、一瞬の気の緩みが、集団からの脱落を意味します。しかもラップを重ねる間に、ポイント周回には全力でもがくことになります。相当に体力を削られます。

終盤には6名がそのまま集団をラップしました。GENの獲得ポイントは合計で24点で6位。5位の選手との差は、わずか1点、しかしすでに体力の限界。

さらにファイナルラップに向けて位置取りをし、最後の倍の獲得ポイントに向けてもがきました。最終着順4位で2点を加算し、結果は5位になりました。

ゴール後の周回では目の焦点が合わず、フラフラになりながら戻ってきました。自転車を降りてから、しばらくして激しい嘔吐に襲われました。今までに経験したことがないほどの追い込みと、極度の脱水症状が重なり、体が悲鳴をあげたようです。

その後、OS1を2本と疲労回復飲剤を飲んで、体を休めました。

その夜、体重を計ると53.5kg。いつもよりマイナス4kg、かなりヤバイ状況です。監督もロードレースの選手交代を検討しています。でも本人は、「軽くなったんで明日は登れる」と、すでに前向きにロードレースのことを考えています。

今回のポイントレースで、「自分の限界を超えた気がする」と言っていました。今まで限界だと思っていたところは、全然限界ではなかったのかもしれません。そうだとすると、新たな世界の扉を開けたことになります。高校生にとってインターハイは、何かを変えるすごいパワーが潜んでいるのかもしれません。


8/23(月) ロードレース

前日の脱水症状はほとんど治ったようです。と言っても多くの選手が金曜日から予選を走っており昨日の決勝も合わせると、かなり疲労は溜まっているはずです。

それでもインハイTVを見ると、スタート前の整列では笑顔も見られたので調子は良さそうです。インターハイ直前の話では、「ロードの調子が上がってきている」ということでしたので、ついつい、してはいけない期待をしてしまいます。

ロードレースは11.8kmの周回コースを7周、プラス6.4kmの89kmで行われます。

レースはスタート。序盤から積極的に前に出ていきますが、その時、「ヤバい、脚が重い」と感じたようです。たぶん、3日間戦ってきたため、みんなそう感じていることでしょう。インターハイはトラックレースを含め、4日間のステージレースのような感じです。

とはいえ、中盤に差し掛かる頃から、いつの間にか3名で逃げ初めていました。ロードレースで逃げるのは勇気がいることです。そのまま逃げ切れば格好いいですが、捕まったらもう体力が残っていないことが多いです。このインターハイという大舞台で逃げるのは、やはり調子自体は悪くないようです。昨日の脱水症状が後半に響かなければいいですが、本当に体重が軽くなったぶん登れているのかもしれません。

終盤、3名の逃げは吸収され、代わって1人の逃げ、その後ろにスローペースの集団。GENは集団前方にいます。そこにチームメイトである先輩が近寄ってきます。「脚が重い。これ以上無理だからGEN頼む。サポートするから何でも言ってくれ。補給で欲しいものがあったら俺が取って渡すから。」そのような作戦会議が一瞬の間に行われました。先輩は最後の試合です。自分で行きたいのは当然です。それをあえて後輩に託す姿はすごいです。GENもそんな先輩の姿に心打たれたようです。

そして、ラスト2周に差し掛かった登り。前のギアをインナーに落とした瞬間、痛恨のチェーン落ち。集団全員に追い越され、さらに先頭は一気にペースが上がり、一列棒状の展開になりました。しかもチェーンが噛み込んでなかなか直りません。かなりのタイムロス。周りにいたチーム関係者から「大丈夫、慌てるな。十分追いつける。」と声がかかります。登り頂上が近づいてきた時には、タイム差15秒。あと少しと思ったところで、まさか2回目のチェーン落ち。これは厳しい。でもグズグズしている間はありません。すぐに直してレース復帰しました。

集団に追いつけなかったらレースは終わります。そこから下りを全力で踏んで、ラストラップに入る頃には何とか先頭集団に追いつきました。最後に残しておきたい脚を使ってしまいました。最終ラップの登り、勝負はここからです。先輩と合流。その時、一人の選手が逃げています。先輩と集団の先頭に出て、逃げ選手を追いかける体制に入りました。しかしもうお互いに脚が残っていません。脚は7割つっています。後ろから集団に飲み込まれました。そこから逃げを追う2名の追走が生まれます。GENは最後の力を振り絞ってその追走に乗ろうとしますが、乗り切れず。

結果、17位でゴールとなりました。

相当悔しかったと思います。

レース中のチェーン落ちは今まで3回目。練習ではないのに、レースでは焦ってシフトチェンジしてしまうのかもしれません。肝心な時にやってしまいました。チェーン落ちは100%なくせる訳ではありませんが、ちょっとした気遣いで最小限に食い止めることができます。その辺りをもう一度じっくり見直さなければなりません。

インターハイは本人だけの問題ではありません。レース中にサポートしてくれた先輩、また補給場や会場で見守ってくれた監督やチームメイト、この会場に来ることができなかった選手や関係者の思い、などなどたくさんの思いを背負ってレースに挑むことになります。逆に言うと、背負うものが大きいほど、強くなれる気がします。それが面白いところであり、人間的にも成長できるところでもあります。個人で日本一を目指すのと方向性が違います。今回の悔しさをバネに来年はリベンジしてもらいたいです。


移動も合わせると約一週間、それぞれの選手に大きなドラマがあったと思います。3年生は高体連最後の試合で全員が表彰台に上がる快挙で、チームを総合優勝に導いてくれました。人間的にも素晴らしい先輩たちです。またリザーブや会場に来ることができなかった選手も、強力メンバーが揃っており、最高のサポーターでもありました。そしてここまで生徒をまとめ上げてくれた監督、コーチには本当に感謝です。皆さん、ありがとうございました。






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