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インカレロード

文部科学大臣杯 第78回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)ロードレースが長野県大町市で行われました。

コースは美麻地区の公道を封鎖して、13.4kmのコースを13周、174.2km、平坦はなく、ほぼアップダウンで構成されたコースで行われます。

151名の選手が、各大学の威信をかけてスタートしました。

今回の出場は大学1年のGENです。昨年高校のインターハイロードレースでは、実力不足のため出場メンバーから外れ、補欠としてサポートに徹していました。今回もメンバーに選ばれるか微妙なところでしたが、大会前日のミーティングでギリギリメンバー入りが決まりました。

シングルゼッケンの重み


スタート後、チームから3名を逃げ集団に送り込み、追走ができればGENがチェックしていくという展開になりました。

序盤、応援団にボトルの水をかけて遊ぶ余裕を見せる

レース中盤にまたもや追走が発生し、すぐにチェック。
集団に引き戻そうとしますが、今回は強力なメンバーが全力で回したため、約1周かけて逃げグループに追いついてしまいます。
しかしGENは力を使わずして先頭グループに合流したことになります。
脚は並ですが、この辺りの嗅覚はデータ化できないものを持っています。

ここまで、スタート前に聞いていた通りの展開にレースが進んでいることに驚きました。


レース終盤
ラスト2周
他校の選手を振り落としながら、チームメイト3名で先頭グループを形成
先頭とプロトンとのタイムギャップは3分
チームでの1位2位3位が濃厚になってきました。
プロトンでは、残りのチームメイトがアタックに目を光らせながら集団をコントロールしています。

ラスト1周
タイムギャップ 1分30秒
プロトンで強烈なアタックが連発し、先頭3名を猛追


ラスト1km
タイムギャップ30秒を切ってくる
集団がすぐ後ろに迫る
最後の登りに入るところで、監督から「上げろ上げろ、行けるヤツは一人で行け」と檄が飛ぶ


先頭3名はバラバラに崩壊しながらゴール

チームとして、それぞれの選手が自分の仕事を全うしました。

先輩に勝ってもらいたいという気持ちが先行すると、3人とも集団に飲み込まれていた可能性があります。そこはチームにとって何が最優先か、瞬時の判断が必要です。

序盤には先輩が全力で逃げ集団を作り、チームを有利な展開へと導きました。メイン集団では、完全にレースをコントロールし、いつでも最後の勝負ができる状況でした。

そしてチームのサポートスタッフは50名以上、まさに最強チームといっていいでしょう。今回のレース展開によって、たまたまGENが最初にゴールラインを通過する役目を果たしただけです。全てチームの力です。

高校からずっと同じチームで今年のU23チャンピオンが「腰痛の治療から鎖骨骨折、GENの苦労は自分が一番知っている。GENを勝たせたかった。」そんな言葉を残してくれました。


そしてちょうど一年前、このインカレロードレース中の事故で、天国へ旅立った高校の先輩へ、勝利を捧げる結果となりました。高校時代、彼と共に汗を流した選手がこの大会でも大活躍していました。

魂のこもった逃げでチームに貢献
様々な逆境を乗り越え、レースを走る女子選手
何度捕まってもアタックを繰り返す強靭な脚
高校時代の努力を一気に開花させている
日本屈指の登坂力をもつU23チャンピオン 今大会5位
高校自転車部の礎を築いた先輩 今大会2位 ライバル選手への強烈なアタックがチームに大勝利を呼び込みました
トラックも強いがロードも強い 常に周りに気をかける優しさを持つ

写真に収めきれなかった選手、同郷で切磋琢磨した選手も力強い走りをしていました。

無事レースを終え、笑って帰れることは何よりありがたいことです。今回もレースに関わってくださった全ての人に感謝します。


大会リザルト




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