画期的な車椅子 COGY(コギー)

車椅子COGY(コギー)をご存じでしょうか。先日TV番組カンブリア宮殿で初めて知りましたが、この乗り物が凄すぎたのでご紹介します。

いつもは自転車の話題を取り上げていますが、今回は同じようにペダリングする車椅子のお話です。

コギーは、簡単にいうと、車椅子にペダルをつけたもので、半身麻痺など、足が不自由になった人のためのリハビリ用として開発されました。今まで足が不自由になれば、車椅子に乗って手を使ったり、電気の力で車椅子を動かしてきました。また、歩くことが困難になってきたお年寄りも、電動車椅子に乗って移動している姿をよく見かけます。今まで当たり前と思っていましたが、これは便利な反面、益々足を使わなくなり、筋肉の低下や体力の低下につながります。

そこで登場したのがコギーです。お年寄りで足が弱ってきた人はもちろん、筋ジストロフィーを発症して14年車椅子生活を送っている人から、脳性麻痺で体のバランスが取れない人まで、足漕ぎ車椅子コギーに乗れてしまうのです。すごく不思議です。

しかし、なぜ動かない足を使って漕げるのか、それは人の中に備わっている足を動かそうとする「本能」を刺激してペダリングするからです。生まれたばかりの赤ちゃんを抱えて、片足だけ床に着けると、もう一方の足を前に出して歩こうとする仕草が見られます。それが歩行反射と呼ばれる「本能」です。

コギーは、完全に常識に反してます。足の不自由な人が乗るのが今までの車椅子でしたが、コギーは足が動かない人のための足漕ぎ車椅子です。そしてコギーによって本来持っている足の機能を呼び戻し、自分の足の力で車椅子を動かせるようになるのです。

そしてコギーに乗った人がみんな驚き、笑顔に変わっていきます。コギーを使った施設の運動会では、普段足が不自由な方が必死になってペダルを回し、楽しんでいる様子が感動的でした。きっとこれからどんどん一般に普及していくでしょう。

本来、人力で扱う乗り物は楽しいものです。それを足が不自由になっても続けられるのはとてもありがたいことです。常識を覆す、あまりにも画期的な乗り物だったので、ご紹介させていただきました。



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