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楽しんでいることに水を差された時の対処法

【福島お話会2023.10.22】


新しいことに挑戦して楽しんでいるところに、突っかかってくる人が現れた時の対処法ってありますか?

 ー私、介護の仕事をしていて、今までずっと現場バリバリだったんですが、育休明けからケアマネージャーとして包括支援センターで総合相談窓口の担当になって。
 同じ介護でも全然違う仕事で、今度はプランを立てたりとか、地域の元気な高齢者の体操教室とか、色々新しいことがあって楽しんでやっていたんですけど、長年やってきた人や別の部署の人、別のケアマネージャーからすると「そんなの何が楽しいの?」と言われることがあって。
 自分は前向きに楽しいって思ってやっているんですけど、やっぱり否定的なことを言われ続けると、心が折れはしないけど、このまま自分は楽しんでやってていいのかな~っていう疑問があって、この質問が浮かびました。

 ありがとうございます。ケアマネージャーさんなんですね。素晴らしい。僕はまだその資格はないんですけど、結構ケアマネージャーさんの勉強もね、大変だし難しくなっていて。介護現場の資格って、どんどんプロフェッショナルになっています。昔は病院のお手伝いからっていう感じで始まったんですけど、国が専門職として認め出して、すごくレベルが高くなっているので。
 ケアマネージャーさんは事務方で、僕は現場の介護士ですね。例えば、利用者さんがいたら、ケアマネージャーさんが利用者さんや奥さんと話しながら、その方に必要なケアプラン、介護保険を使えるサービスを設計するんですよね?

ーはい、短期と長期で目標を出しているんですけど、計画表=ケアプランていうのは、その人の目指している1年後の自分になるために、どんな過程が必要かっていうのをケアマネージャーが一緒に相談して計画を立てていくものです。

 ケアマネージャーの計画があってのケアワーカーさんがいる。施設ごとに出しているサービスがそれぞれあって、どの施設を選ぶかっていうのもね、ケアマネージャーが調整役をしてくださっている。決まってからも「大丈夫ですか」という定期的なチェックで、月1回は会うんですよね?

ー要介護1~5までは月に1回で、包括支援センターは要支援1~2と一般高齢の方なので、3ヶ月に1回だけ直接会うのと、何かある度に訪問しています。

 相談業務で月1回必ず会って、何かあったらすぐ連絡するって大変ですよね。それをやられているんですね。それがあって、現場はケアできるっていう状況なんです。現場は別に好き勝手に介護するわけじゃなくて、ちゃんとプランがあって、それが遂行されていないとダメですよ、となる。
 要は、半分公務員みたいですよね。働いている人の給料も、8~9割は介護保険料からなので。ということは、現役の方が働いているお金をいただいていて、1~2割は利用者本人からと言う形ですね。皆さん知っていましたか?
 でも病院行ったらね、3割負担が高齢になって1割になって嬉しいって言っている人いますけど、一緒じゃないですか。その反対の7割~9割は、皆の税金を使わせてもらうっていうことです。なので必ず監査、公的な目が入って、厳しく不正がないようにされています。そもそも介護保険法というルールでガチガチに決められているものの中で、やるべきこと・やれることを本人と調整しながらやっています。
 介護のことなのでちょっと熱くなっちゃっています。でも、絶対来る未来なので。介護状態と言ってもいろんなパターンがあります。病気もあれば、事故もあったり、生活習慣病からとか、突発的なこともあったりするので、誰にとっても縁がない問題ではなくて。しかも、医療とかそういうサービスを受けているからわかるかもしれないけど、介護保険って税金は40歳超えたらでしたっけね、税金払っていかなきゃいけないんだけど、受ける立場にならない方がいいわけですね。そういう世界で生きているということですね。
 

自分なりの対処法を用意しておく

 まあ、いますよね、お局さんとかね。対処法もありますけど、そんな深刻に捉えていますか?

ーそこまで深刻じゃないです。前の自分だったらどんどん聞きながら病んでいっちゃう、具合悪くなっちゃう、そういった時期もありました。もう今は聞き流すこともできるから聞き流しているんですけど、何か他に手段があるならちょっと参考にしたいな~ぐらいの感じです。

 ちょっと皆にも聞いていこう。あなたならどうしますか?

ー参加者A 俯瞰する。私の場合他人事に感じちゃうんですよね。自分だったら聞き流せるんですけど、他の人だったら病んでいっちゃうかもしれないなと思ったら、その時にできることを対策としてやっていきます。

ー参加者B 私は「そういう意見もあるのね」「そういう人もいるんだね」って思うようにしています。

 なんかもう皆さんできているっていうか、女性特有の聞き流すというね、最強のスキルを使っていらっしゃいますね。対処法を自分で用意しておくっていうのは確かにいいことだと思います。絶対反対する人はいるし、絶対自分と意見が合わない人もいるし、なんなら「この野郎」と思うこともムカつくこともあるじゃないですか。その時に「こう対応する」って決めておくのは賢いやり方かもしれないですね。いちいち反対意見やネガティブなことを深刻に、そうですね、深刻はやめましょうね。深刻にならないっていうのは大事ですね。そのために聞き流す、俯瞰する、そういう考えの人もいるねって捉える、客観視ですね。

どうして自分の人生に”反対する人”が現れるんだろう?

 なぜこういう反対する人が現れると思いますか?色々な局面で絶対あるじゃないですか。介護現場以外でもありますよね、過去の人生で。なぜ現れるんでしょうか?

ーうーん。試練って感じですかね?

 いいですね、試練。反対する人が現れた時に、色々対処していくわけじゃないですか。試練だと思って何を得てますか?

ースキル?今の場合だったら、自分になかった経験を得ることができる。

 素晴らしいですね。自分になかったっていうのは具体的にはどういう?

ー今までずっと現場だったから、地域に出て介護まで至らない予防段階の人たちと関わることがなかったからこそ、そういう意見もあるんだなっていう。現場でもバリバリ身体介助とかしてたけど、今度は動ける方たちのサポート、元気な高齢者を相手にしているので全然違います。

 ここから何を読み解くかですよね。一言で言うとアンチでいいですか?アンチの人が出てきたってことですね。対処方法は先ほど皆さんが教えてくれた通りでいいと思うんですけど。「なぜアンチを自分の人生のストーリーの登場人物として自分が招き入れたか」です。偶然現れたわけじゃないです。アンチの人を自分が招き入れたんですね。あなたの人生で多分たくさんアンチというか突っかかってくる人が出てきたと思うんですよね。
 そういう時に試練と捉えていたかもしれないです。でも、“試練”だとちょっと重くないですか?悪いわけじゃないです。アンチが来た時、「試練だから、よし!燃えてきた!」なのか「この野郎」って思うのか「辛い」のか。なんか今日変えてみてもいいんじゃないですか?

ースキルアップとか。

アンチには「対処+感謝」

 いい。スキルアップでいきましょう。スキルアップしてきたんじゃないでしょうか。色々あったと思います。アンチが出てきた時にあなたは試練と捉えてたんでしょう。でも、結果スキルアップできたんだなっていうことだと思っているから、こういう解釈になったんじゃないでしょうか。
 それで、一方的に被害者意識になって「なんでそんなことを言ってくるんだろう」とか「ついてないわ」っていうんじゃなくて。自分になかった経験ができる。できなかったことを経験できるのは、確かにスキルアップなんですね。だから、あなたにとって「アンチ来たな」っていうのはもちろんさっきの対処法でいいんだけど「よしよし来たな!スキルアップのチャンス、また来ちゃった私」って捉えていく。
 アンチの人はずっと来ます。過去アンチリストじゃないけど、歴代のアンチにシンプルに感謝できたら面白くないですか?対処+感謝です。

ーその人のお陰で自分がスキルアップできた。面白いですね。

 対処方法だけ学ぶと、またどんどんアンチが来ます、どんどん無限に増殖していきます。それは、自分が呼び込んでいますし、アンチを作り出しているんですね。
 参加者Aさんみたいに何も思わない人もいます。参加者Aさんにとってアンチはスキルアップにならないんですよ。ノイズなんです。そういう人もいていいわけなんです。
 こういう質問をする人っていうのは、対処方法も大事なんですけど、「なぜそういう人出てくるんですか」って聞かれたことないですよね。だって、今回だけじゃないよね。で、絶対何かを得てますよね。それを自分の言葉で捉え直しができたんですね。そうすることで、「私にとってアンチっていうのはスキルアップだ」という成功体験が積まれていくと、全然怖くないし、深刻にならないし。むしろ「来い来い」って楽しく思えたら全然違うと思います。
 介護の仲間として捉えると、あなたみたいな方が業界にいていただけるのはすごく嬉しいなと。応援したいですし、こういうまっすぐなピュアな思いでバリバリ働ける人材っていうのは、日本の、福島の宝だと思います。介護業界には色々な人がいますけど、なかなかそう思える人はいないので、 あんまり頑張りすぎずに、楽しめる範囲で介護を楽しんで、どんどん介護の良さっていうのを、皆に伝えていってほしいなと思います。答えになりましたか?

ーはい、ありがとうございました。そこまで深く考えていなかったけど、この会をきっかけにちょっと深く考えてみます。その人がいたから“くそ~”よりも、その人がいた“おかげで”自分もどんどんスキルアップとかレベルアップしていけるってありがたいことなんだなっていう考え方にシフトチェンジすることで、今後の仕事もより楽しくなっていくのかなって思いました。ありがとうございます。

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