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【読んだら気づいた】全員経営者マインドセット

こんにちは。
TEAM FORWARDの竹田です。

「全員経営者マインドセット」という言葉を聞いたら、
どう思うでしょうか?
ある人から紹介されてこんなタイトルの書籍を読んだのですが、
私が手に取った瞬間の感想は「なんて横柄な!」でした。
今でこそ聞かなくなりましたが、
昔は「うちの会社は全員営業だ!」という掛け声も聞きました。
それでもさすがに“全員経営者”は聞いたことがありません。
だって、権限も報酬も経営者じゃないのに、マインドだけ経営者じゃたまりません。

全員経営者マインドセットとは

私の小さな憤りは、読み始めたらすぐに、というか、まえがきで解消されました(笑)

「自分の人生を、他人や社会の仕組み・慣習に依存することなく、オーナーシップを持って生きる」
「人生をより楽しく充実したものにし、他者への愛も大きくする」
これが私の最大のメッセージであり、願いです。

引用:全員経営者マインドセット

この文脈の中では、「人生の経営者になる」という表現もされていて、このワードが私の心にズドーンでした。
働き方が多様化している中で、将来の職務経歴書を頭に描きながら働くことが必要なんじゃないか?とぼんやり考えていた矢先だったからです。
レールが敷かれていると思ったらいつの間にか漂流していたり、
ステップアップだと思っていたものが気づけばキャリア迷子になっていたり、
自分のキャリアについて、ざっくりした方向性程度でも持っておかないと、他人任せに出来ない時代です。
昔、マネー系のセミナーで「家計のやり繰りをしてるってのは立派な家庭の経営者だ」と言われたことがあるのですが、マネーの領域で貯蓄から投資の流れが出来つつあるように、キャリアの領域も自分で設計することが必要なんじゃないか?という考えに「人生の経営者」というワードがピタッとはまったのでした。

マインドセットの6つの要素

とはいえ、「自分の人生の経営者」であることと、「会社が全員経営者」であることはどうリンクしてくるのか?マインドセットの6つの要素から少しずつ見えてきました。
①当事者意識
②覚悟
③オーナーシップ
④全体最適
⑤ミッションフィット
⑥バリュー体現
例えば、
①当事者意識であれば、会社としては持っている人が多いほうが良いのは当然であり、働く人にとっても、当事者意識を持って働いたほうが良い仕事が出来、経験を積む機会にも恵まれやすいでしょう。当事者意識のない、いわゆる”評論家”タイプより、きっとお互いにハッピーです。
②覚悟で思い浮かぶのは、「どうせそのうち辞めるつもりだから」と言いながら何年も時が経ってしまうパターン。書籍では、ブレーキを踏まない、という表現がされていますが、どうせそのうち辞めるつもりなら、辞めるまでブレーキを踏まずに働いて結果を出したほうが、良い転職先が見つかる可能性は高いでしょうし、アクセル全開で働いているうちにその会社が好きになるかもしれません。これもたぶんお互いにハッピーです。

こう考えていくと、シンプルに考えれば、個人が「人生の経営者」であったほうがお互い良いことづくめなのですが、そんなに簡単でないのが組織。
現状を把握し、戦略を考えていく概念として「MSマトリクス」が紹介されています。

出展:全員経営者マインドセット

このマトリクスに個々人の名前を付箋でペタペタと貼っていくことで組織課題を明確にし、マインドセット100%を超えるメンバーが増える状態を目指して戦略を立てていくのだそうです。
詳細を挙げるとキリがないですが、1つだけ、個人的にこれからの組織の在り方としてしっくり来たのが、”スキルは高いが、個人への関心が強く組織のバリュー体現をあまり重視しない人”の考え方。組織への入り口である採用のタイミングでは、緊急性が高い場合やきちんとマネジメント出来る体制が整っている場合は別として、外注や業務委託でも良いかもしれない、と書かれています。逆に、「出来るようになるまで待つことが必要だ」ということも随所に表現されています。今この瞬間にスキルが高く、成果を挙げてくれる人は、短期的にはいてくれるとありがたい存在なので評価が高くなりがちですが、長期的に組織の柱になっていく人材、自分の経験を振り返っても確かにそういうタイプの人ではないなーと。少しずつでも着実に成長していき、組織と一緒に歩んできた人達が思い浮かんだのです。
この振り返りが自分の中では結構大きく、マインドセット軸で考えるということが腹落ちしました。

採用の文脈で考えてみる

転職エージェントをしていた頃、転職希望者との面談では、必ず転職理由を聞いていました(当たり前ですが)。
すると、気づくことがあります。
「転職理由はどれももっともなことだけど、誰もがその理由で転職する訳ではない」
ということです。
例えば、「会社の人間関係に嫌気が差して辞めることにしました」という転職理由。
もちろん、その現場を見た訳ではないので何とも言えないという前提ですが、
①あんな常識外れの職場では働けません
②悪い会社ではないと思いますけど、私には合いませんでした
③何年も会社に言い続けてきたんですが、どうも変えるのは無理そうです
仮に全く同じ経歴の①~③の人が面接に来たら、採用する側の印象はかなり違うのではないでしょうか。
変化の大きな時代にあって、3年先、5年先が見えない中、「話が違う」と去っていく人より、変化の荒波を一緒に乗り越えてくれそうな人と一緒に働きたいというのは当然のことだと思います。そこで、マインドセット。
そう考えると、「人生の経営者」が世の中に増えることは、企業から見れば組織が良くなるのはもちろん、個人のキャリア形成という意味でも選択肢が広がり、人生の経営者が増えると日本は強くなる、という、年末になんとも壮大な着地をして読み終えました(笑)


おわりに


ちなみに、著者の吉田行宏さんは、ガリバー(現IDOM)で専務をされていた方なのだそうですが、ガリバーは創業4年で株式公開、設立10年で売上高1000億円を達成したとんでもない会社だというのもこの書籍で初めて知りました。自動車買取のお店ってあちこちにあるので全然気づきませんでしたが、当時は革新的な業態だったんですね。その背景にこんな組織づくりがあったと思うと、うーん、またまた組織の力のすごさに魅了されてしまいました。
発見のシャワー過ぎてまだまだ整理が必要ですが、出会えて良かった一冊でした。感謝。