見出し画像

車のトラブルが多い人生を送ってきました-車屋失格-④

数日後

バイト先から採用してもらい
人生初のバイト生活がスタートした。

自分は開店前のお店に向かい
新品の香りが漂っている中店内を奥に向かい事務所で
作業服としてツナギに着替えた。

「おはようございます!」と

社員からの挨拶にバイトも返答して
朝礼がスタートした。

朝礼が終わると自分一人で
ボウリング場に向かう。
50レーン以上あるレーンを横目に見つつ
その裏に入っていく。

朝のボウリング場は
普段のボウリング場では想像できないぐらい
シーンとしている。

だが、自分がスイッチを入れた瞬間
一斉に50台のレーンが動き出す!

”ガウンガウン”と大きな音が響く
この自分の指先一つで全ての機械が動く瞬間が
バイトをしていて快感だった。

仕事内容と言っても
・ボウリングレーンの掃除
・機械が不調の場合は簡単な修理
・レーンのトラブルが起きれば対応をする
と仕事自体はそんなに大変ではなかった。

そうやって簡単なバイトだが中々出来ない経験もできたので
日々満足はしていたが
自分にとって一つ引っかかっていたことがある。

それは・・・・髪型問題

裏方とは言え多くのお客様から見られる仕事もあるので
男性は短髪、そしてカラーはレベル7の色までと決まっていた。

これを見た人は
それぐらい当たり前だしちゃんとしろよ!!と
思えるかもしれないことだが・・・

自分にとって
髪型に関しては高校生の時の”トラウマ”が問題になっていた。

自分が通っていた高校は学校の校則で
刈り上げにすることが決まっていた。

周りの友人は当初流行っていた襟足を伸ばしている髪型をしているのに
自分は学校に決められた髪型を3年間し続けたので
大学生になったら自由な髪型をするぞと楽しみにしていた。

だが、自分のバイト先はそれを許してもらえない。
バイトは楽しいが自分がしたいことが出来ない
何とも言えない気持ちになった自分は社員に相談した。

「このバイトは楽しいです。
 けど大学生だし好きな髪型にしたいんです。」

そう伝えると社員さんは自分の顔を見ながら
アドバイスをくれた。

「社会人になったらどちらにしてもルールはある。
 だからそれだけバイトを辞めるのはやめたがいい!」

そう大人の対応をされた自分は

「いいバイトを見つけたんだ!」
「簡単に諦めずにバイクの免許代を稼ぐために頑張ろう」
とバイトをする目的はバイクの免許を取るためと
再認識してまた頑張る決意をした。

それから、数ヶ月後
大学の教室は入学時代は黒一色だったはずなのに
茶髪や金髪、ロン毛などいかにも大学生が集まっており
白田の限界はとっくに超えていた。

「あ〜〜〜好きな髪型にしたいよーーー」
「もう免許代はある程度溜まったしいいだろ・・・」
とありきたりなバイトが嫌だと始めた自分は
大学生が思いつきそうなありきたりな理由でバイトを辞める決意をした。

これからは自分の好きなようにしよう!
バイクの免許も取って色んなとこに行こう!
そう自分に言い聞かせ
自分は人生最初のバイトに別れを告げたのだった。



この記事が参加している募集

自己紹介

最後まで読んでいただきありがとうございました。記事が気に入ったらシェアやいいねをしてもらえると嬉しいです。