ひとり踊りのレッスン(Ordinary Dance)

チーム・チープロの「ひとり踊りのレッスン」の記録。

ひとり踊りのレッスン(Ordinary Dance)

チーム・チープロの「ひとり踊りのレッスン」の記録。

最近の記事

ひとり踊りのレッスン#04 「河童がとおる」

2020年4月9日〜4月21日について 携えた本:芥川龍之介『河童』 (2020/04/19)  ネパール料理屋と銭湯付きコインランドリーの先に煙草屋があり、さらに進んだところに陸橋が掛かっています。そこに立ち、橋の下を通過する山手線をみることをこの時期の日課としていました。爪先を欄干の隙間に押しこみ、二十センチくらい背は高くなり、待っていますと、山手線が、物凄い速さで、わたしのからだの間を入って、抜け出ていきます。乗車している人の数は数えられるほど少ないけれど、電車は次

    • ひとり踊りのレッスン#03「夢に閉じこめられる」(2020年4月1日〜4月8日について)

      4月1日。チーム・チープロ(松本・西本)でzoomする。散歩の記録を交換することを約束。それぞれが留まることになった特殊な状況を忘れない方がいいんじゃないか。 4月6日。2人の記録の一部をtwitterに投稿し始める。 それらを今、わたし(松本)が「ひとり踊りのレッスン(ordinary dance)」としてまとめています。 . (2020/04/08)  60年代後半、就職や進学のために夢や希望をもった若年層が上京するようになったのだそうです。ひとり暮らしのための四畳

      • ひとり踊りのレッスン#02 「とまりながらおどる」 (2020年3月28日〜4月1日について)

        よくわからないウイルスを誰にもうつしたくないから、3月半ばから、県をまたぐ移動も、都内で人に会うのも控えていました。身体を整え、これまでやってきたことを繕う日々。こうして生活していてそれ以上に何かを言う必要あるのだろうか、と思っていました。 (2020/03/30) 部屋のなかで、今村夏子の「ある夜の思い出」という短編を発掘しました。 朝から晩まで寝そべる生活を送っていると、二本足で歩くことがだんだん億劫になってくる。あの頃のわたしは、なるべく立ち上がらずに、いつも腹這

        • 「ひとり踊りのレッスン(Ordinary Dance) 」のステイトメント

           3月末から、私は家から出る必要がない生活を送っていました。それは幸運なことでもありました。ひとり家に籠る義務はないけれど、そうできてしまうからそうしていました。でも同時に、心身かき乱されるような状況から自分を守ろうとしているからなのか、日々を健全な生活という箱に詰めて、忘れ去っている感じもしていました。気がつけば私がひとり閉じこもっている部屋は、(トイレとキッチンとベッド以外は)自分の箱で埋め尽くされていて、すごく息苦しくなっているのかもしれない。  そんな未来がぼんやりと

        ひとり踊りのレッスン#04 「河童がとおる」