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もしも全て嘘だと知ったら?

囚人が洞窟の手足を拘束されています。
こどもの頃から体を自由に動かすことも、頭さえ向きを変えることを許されない生活をしていました。
囚人達の後ろには燃え盛る炎があり、その間の道を通って物資が運ばれています。
囚人はその光景を壁に映る影としてしか見ることができません。
囚人達にとって唯一自分の目で見ている事実は動く影。

そんな囚人達の中で解放された者がいました。
暗い洞窟の中で影だけを見ていた彼にとって光の刺激が強すぎて始め何も直視することができませんでした。
しばらくして少しずつ自分の足元の影や水面に映る自分の姿をはじめ、外の世界を自分の目で見ることを体験します。

洞窟では知ることのできない外の世界を、彼は洞窟に戻ってまだ拘束され続けている囚人達に伝えようとします。

今度は逆に暗闇に目が慣れず影が見えなくなっていました。
そのような彼が言う事など洞窟にいる囚人は聞く耳を持ちませんでした。
目の前に見えている影こそが事実なのに、お前はでまかせばかり言う邪魔者だと。


さて
これはAllegory of the Caveという
プラトンが伝えた
「洞窟の比喩」
のざっくりとした要約です。

洞窟の囚人
物資を運ぶ人

解放者
解放された囚人
(外の世界)

何に、誰に当てはまるのかな
と考えてみましょう。
人によってこの話の結論
解釈は大きく異なると思います。

下記完全に個人の解釈になりますが
キーになるのは
「解放された囚人」が洞窟に戻って外の世界を伝え続けること
かなと思っています。

私は世界中のほとんどの人間が
洞窟の中の囚人だと思います。
そして本人にその自覚はありません。
なぜなら
私たちの目の前には多くの(大手メディア情報、テレビのニュース)が絶え間なく現れているからです。
物資を運ぶ人(SNSや検索サイト等管理する極左大手テック会社、欲にまみれた権力者、人を支配したい政府とそれに癒着したジャーナリスト)に与えられる情報の全ては彼らの思う通りで、嘘か真か、そんなことを考える発想さえ多くの人にはありません。
解放者(知識人、革命家)が現れたとしても、もう何年も影を現実と捉えている洞窟の囚人にとっては、救いであるはずがそう捉えることのできない人たちがほとんどです。
解放された囚人(知識人から知識を享受した人、現状を変えたいと思い行動した人)は光(現実)に圧倒されます。
光は良いものにも悪いものにも成りえます。

先日の記事で
自由には責任が伴う
と書きました。↓参考記事

真実を知ることの全てが”良いこと”ではないのかもしれません。
時に真実は人を傷つけます。
一生知らない方が幸せだっただろうか、
そう思うこともあるかもしれません。

それでも私は光を見続けたいと思います。

そしてそれを可能な限り
できるだけ怒りを生まないような方法で伝えていけたらなという想いです。


参考記事に載せたAnimal Farmという小説の話に少し戻ります。

初めから逃げる選択肢がなかった「洞窟の比喩」の中の囚人と前提が違うので完全に照らし合わせて考えることはできないと思いますが、
この話の中にMollie(モリー)という臆病者の羊がいます。頭の悪い、自分勝手で、人間に可愛がられることしか考えない羊です。
でも彼女の「逃げる」という行動も時には大切なのではと考えています。

彼女は自分の住む動物農場の運営が変わっていく時に、他の動物と違って自分の大事なもの「お砂糖」「青いリボン」を守ること、自分が自分の生きたいようにすることを優先して考えました。
動物農場の事を書いてネタバレになってしまうと良くないので、ここまでにします。

なぜMollieの話を出したかというと
彼女はある意味で解放された囚人だと思ったからです。

解放された囚人は何も正しい知識を与えられて考え方を変えた人間だけでなく、そもそも歪んだ偽りの真実を吸収することがなかった者(Mollie)と考えることもできるかなと。

支配しようとするものから逃げて逃げて
その行き着く先が本当の幸せか
はたまた不幸なのか

Mollieがどうなるか本の中ではわかりますが、
現実答え合わせをすると果たしてどうでしょうか。

先ほどキーになるのは
「解放された囚人」が洞窟に戻って外の世界を伝え続けること
と書きました。

逃げて逃げて自分の守りたいものを守るのもあり

洞窟に居続けるのもあり

でも洞窟に戻って外の世界を伝える「解放された囚人」が一人ずつ増えていくときっと世界は変わっていくのではないでしょうか。

これは私の壮大な理想論。
そして妄想ですが。


こんな勝手な個人の意見を読んでくださって
ありがとうございます。

みなさんと一緒に考えていきたいです。

地上で自由を取り返すために活動するトラックコンボイ
外の世界を見て「聞いて!洞窟の中での物事は正しくないよ!」と伝えようとする者
その者に向かい「あいつこそが私たちを危険に晒しているから無視しよう。」と言う洞窟の中の住人


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