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4.5. 「茶道団体」と流派の関係性

「茶道団体」のコンセプト

どの「茶道団体」も,活動理念には共通点がある。
その理念とは,「同世代の若い人たちが気軽に楽しく『茶道』との接点を持って体験できる場づくり」「初心者の方でも気軽に楽しめる茶道」といったものである。

「気軽に」という言葉は,「茶道」は気軽ではないという前提を含んでいる。ただしその上で,彼らなりの貢献をしようと努めていることが窺える。

茶道に触れる機会の提供を目指すという「茶道団体」のコンセプト自体は,なんら流派と対立するものではないだろう。


流派との違い


こういった「茶道団体」と流派それぞれの活動が,どの部分は重なっており,どこが折り合っていないように見えるのかを本節では明らかにしたい。


具体的には,茶道人口を増やそうとする流派と,メンバーを増やすことへのこだわりが薄い「茶道団体」では,活動の目的が大きく異なる。

しかし結果としては,両者ともそれぞれ違う層の人々に茶道に触れる機会を与えていると考えられる。
この状態を,インフォーマント自身は「役割分担」と表現していた。


茶道団体の歴史から鑑みても,「茶道」の存続は流派だけでは成し得ず,流派以外の外部組織との相互作用によって為されてきた。

以下のセクションでは,「茶道団体」もこの文脈に位置付けられるか否かを考察していく。


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