校外学習の自然公園でヨッチが迷子になった。
「世話の焼けるヤツだな」
僕は班長として責任を持って広い公園内をあちこち探し回ったが、ヨッチは見つからない。そのうち見慣れない場所に出てしまった。当然辺りには誰もいない。急に不安が押し寄せてくる。
「世話の焼けるヤツだな」
後ろで声がして、振り向くとヨッチがいた。
「ヨッチ!道わかるか?」
焦って問いかける僕に、ヨッチはニヤリと笑って答えた。
「いや…ここは道に迷った者の吹き溜まりという訳さ」
結局、僕らは集合時間に遅刻して先生からこっぴどく叱られたのだった。
end
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