フラッシュダンスの感想(第3回)
約束の日曜の夜。
バレエのオープニングパーティーでデートをしたアレックスとニックが公園に現れる。
黒のスパンコールがキラキラでとってもきれい!
人生二度目の生のバレエに興奮冷めやらぬアレックス。
世界にひとつのバレンティノ。
それなら、君と同じだね…とニック。
歯の浮くような台詞に、アレックスは引いて言葉を失うけれど、池に飛び込もうとしたりするニックの真剣な想いに、少しずつ心を許していく。
自室にニックを招くアレックス。
私ならあんな風に道端にポルシェを停めておいたりしないわ。
どうして?
治安が悪いから盗まれてしまう、とおどかすアレックスに、大丈夫だよ、とニック。
2台持ってるから…
しれっと言い放ちアレックスに睨まれ、すかさず、嘘です、とニック。
この場面のニックがとても楽しい。嘘でし…た、っていう日もあったな。
部屋着に着替えたアレックスに見惚れるニック。
ママの話をしながら服の中でブラジャーを取り捨てるアレックスを、ガン見するニック…とても良い、とても人間らしくて良い。
どちらもくすっと和むシーン。
もう、名前だけを必要とされるハーレイ家の跡取り息子ではなくなっているニック。
部屋の中でそっと踊るアレックスを見て、きっと、ニックは、この瞬間に、たとえどんな手を使ってもシップレイに入学させたいと思ったのかもしれない。
でも、その思いとは裏腹に、アレックスはゼロから自力で入学しないと意味がない、と、だから裏で手を回すのは絶対にやめてくれ、と縋り付く。納得する、振りをするニック。
そして、リストラを任されて戦うと決めたと打ち明け、でも踏み出せずにいるニックに、さらに心を許していく。
自分自身で疑うという強い気持ちを、謙虚な気持ちを持つって素敵、あなたならできる!と。
アレックスとニックの珠玉のデュエットが始まる。
(今こそ…ここから。)
欲しいのは今、君といるこの時だと、愛を伝えるニック。
やる気に満ちた君を見ることになるはずだ、と、背中を押す。
でもバカ女にはなりたくない、心配だと、踏み込めないアレックスも、違う世界にいたけれど分かり合えると、過去の壁を壊しさって未来の道へと…
そして2人は結ばれる。
暗転し、ハンナの部屋へ転換。再びの軽快なワルツ。
今日もしゃんとしたハンナ。
テレビのバレリーナの不甲斐ないダンスに憤る。
ルイーズとのコミカルな掛け合い。チクタクチクタク。
クビにしなくては…彼女のことが本当に大好きになり始めているから…と、そういったハンナの表情は、なんとも言えず寂しそうで、胸が詰まる想いにさせられた。
その気持ちが少なからずわかるから。好きな人を失うのは怖いし、好きな人に嫌われてしまうんじゃないかと想像すると死にたくなることもある。
そうでなしに、ハンナはもしかしたら、自分の死期を悟り、好きな人を置いていってしまう前に自ら離れねばと思っていたのかもしれない。
そこへ、一次オーディションの結果をもってくるアレックス。
ハンナが部屋を歩き回り、テーブルに乗り上げ手紙を読み上げる。
次に進める!やったのよ!アレックス!!
喜びを爆発させるアレックス。ハンナの頬へキスをして歌いだす。
(Next Step)
わたしにもできるって言ったよね?ほんとう?信じても良いの?
遠い夢に手を伸ばしてみたい!!
夢は掴むためにある!!
闇の中に生きてきた、でもいま、踏み出そう未来へ!
明日が待てない!もう止まらない!
なれるわ、夢見てたわたしに!なりたいわたしに!
希望に満ちあふれたアレックスの歌。
自転車で街を駆け抜ける。
風を切って未来へ走っていくような、とても清々しいシーン。
ここから、第一幕のクライマックスへ。
それぞれが登場し、未来へと繋がっていく導入。
CCがグロリアを率いる。
少しシャンパンを飲んで数人の客と会ってみれば良い。それで合わなければやめれば良い、と、上手い話でいざなう。
ミスワイルドはニックの寄付に感謝を述べる。なんの裏もない寄付だと皮肉を込めながら。
1人でニューヨーク行きを決めたジミーも現れる。グロリアと交わることはない。
綺麗事だけではうまくいかないこともある。ニックが言う。
そうとは知らないアレックスは、自身で掴んだと信じて光り輝く未来へ走り出していく。
キキ、テス、アンサンブルが登場し、ハリーズへ転換。
ハリーがアレックスを呼び込む。
真紅のレオタードを纏い、肉体美を余すことなく曝け出してこれでもかと力強く踊るアレックスは、とにかく美しい。
曲はもちろんManiac!!
導入は短めだけれど群舞の迫力で熱気が急激に高まり、
そして、
最も象徴的なウォーターシーンで第一幕が終了!!
bravo!!!!
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