保護者の要望をどうにかする

 近年、保護者からの要望が多様化、ゆきすぎになっている問題があります。
 誰しも我が子が一番大事。子供のために学校に対応してほしいという気持ちになってしまうのは分かります。しかし、保護者の要望に現場が振り回されるケースも増えてきています。

 背景には保護者の感覚と学校の感覚のズレがあると思われます。

・核家族化
・SNSのパーソナライズドコンテンツ
・合わない人とは無理に付き合わない風潮
 これらによって、保護者が多様な意見、見方を取り入れることから遠くなってしまっているのではないでしょうか。
 保護者の視野が狭くなり、自分の要望が正しく、受け入れてくれない学校が狭量なのだという考えになってしまいがちなのだと思います。

 もちろん、教育上必要な「合理的配慮」など、学校側は柔軟な対応をするべきなのですが、人によっては「そこまで学校に求めるのは無理じゃない?」というような内容をさも当然の権利のように要求してくる保護者もいます。

 そこで、今回のアイディア。

 学校評議会を保護者の要望一時預かり所にしましょう。

 学校評議会とは、平成12年1月の学校教育法施行規則の改正により定められた、「学校・家庭・地域が連携協力しながら一体となって子どもの健やかな成長を担っていくため、地域に開かれた学校づくりをより一層推進する観点から」学校に設置される会議体です。
 学校運営に関する校長のアドバイザー的な役割を担っており、設置された学校では、学校評価などに協力しています。

 保護者が学校に要望がある場合、まず学校評議会に一度その要望を挙げます。そして、その要望が妥当なものかどうか保護者に聞き取りをしてもらった上で、学校評議員から学校に伝えてもらうのです。
 要望を伝えやすいように窓口として、学校ホームページに、学校評議会への連絡のリンクを貼りましょう。
 
 この方法のねらいとして
・保護者の要望が妥当でない身勝手、わがままに類するものの場合、学校以外から伝えてもらうことで、保護者が冷静に受け止められる。
・保護者の感情的な訴えを教員が直接受けることがなくなり、ストレス軽減につながる。
・学校が普段どのような要望を受けているか、学校評議員に共有することができ、地域の理解が深まる。
・対応の仕方について、学校だけが考えるのでなく、学校評議会からのアイディアももらえる可能性がある。
 などがあげられます。

 学校としても、該当保護者が一人で言っていることよりも、学校評議会が妥当であると考えたことの方が、納得して対応できます。

「学校・家庭・地域が連携協力しながら一体となって子どもの健やかな成長を担っていくため、地域に開かれた学校づくりをより一層推進する」という学校評議会の趣旨にも合っていると思うのです。

 学校評議会自体は制度的に結構自由が利きそうな感じなので、そういう運用にしている自治体、学校もありそうですが…。
 どうでしょうね。そういう事例を知ってる方がいたら教えてください。

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