妄想 未来の教員の働き方「教員兼業完全自由化」

 前回の記事で、担任は複数がよいという内容を書きました。
 しかし、現実問題として教職員の絶対数が足りていないという状況、おそらく単純に教員を増やすような予算も出ないだろうという問題もあります。
 それをどうやって解決できそうかということを書いていきたいと思います。

 まず、結論として、私が解決策にどうだろうかと考えているのは「教職の兼業完全自由化」です。
 法律上、教員は職務に専念する義務があるので、副業はかなり制限されています。その制限を撤廃し、どんな副業も原則OKにします。
 また、教職員の区分も、専業教員、準兼業教員、兼業教員と3つにわけ、勤務時間と給与に差を設けます。
 フルタイムで給与の高い専業教員、週休3日でやや給与の下がる準兼業教員、週休4日で給与を抑えた兼業教員という感じです。

 教職の働き方の選択肢を増やすことで、教職に人が集まりやすくすることがねらいです。準兼業教員、兼業教員は給与面で低くなることはマイナスに見えますが、最低限の時間と収入を確保できる塩梅にすると、他の職種で下積み中の人、自分で起業したい人などにとっては、生活の安全弁になるので、職業として魅力的に映ると思われます。
 「そうなると、どんな人が現場に入ってくるかわからない。教育の質や子供たちの安心・安全は?」という意見もありそうですが、そもそも教員免許を持っている時点で、教育実習などをこなしてきていますし、複数担任であれば、お互いの仕事ぶりをチェックしあうことができるので、それで質や安全の担保はできるのではないでしょうか。だから、教員兼業完全自由化と、複数担任はセットのアイディアです。

 また、一般職の世界の常識、考え方を知っているというのは子供を指導する際の強みになるはずです。教員に外部の伝手が増えることで、校外学習やキャリア教育でもよい効果があります。
 校外学習で新しい訪問先を探すとなると、関係作りや調整に時間がかかってしまうので、忙しい中で前年度踏襲になってしまっていることがよくあります。訪問先が教員の別の職場であれば調整も容易でしょう。
 キャリア教育で、働いている人のお話を伺う場合も、教員にいろいろな伝手があった方が、子供の興味に合わせていろいろな人を呼ぶことができるでしょう。

 さらに、教員の中には「この人才能溢れてるな。教員以外の道でも活躍できそうでもったいないな。」という人もいます。働き手の人口が減少していく日本で、優秀な人材の活躍の場が教育現場のみに縛られるのはもったいないです。
 もちろん、副業にかまけて、教員としての仕事が疎かになるのは困りますが、そういうひとはまず教員を選ばないでしょうし、教員より他の職業が魅力的になったのなら、退職してそちらに専念してもらったらよいです。逆に片手間で教員ができるスキルがある人なら、全力で集中しなくてもよい指導ができそうにも思います。

 そして、副業、兼業は教員のサードプレイスづくりにも有用です。仕事でつぶれて病気療養に入ってしまう教員が多いのは、教職に仕事以外の生きる場がないことが原因の場合も多いのではないでしょうか。世間で複数の仕事を行っている方の発信を見ると、ある仕事が別の仕事の息抜きになるという声も聞かれます。
 大きく精神を病んでしまうと社会復帰に時間がかかります。
 教職はストレスの多い職業なので、危なくなったときの逃げ場が確保されるというのは大切なことです。
 いいことたくさんだと思うのですが、教員の兼業完全自由化、どうでしょう?

 こうして、教員の副業、兼業を推し進めると、教職の流動化が進むことが予想されます。
 教職を長く続けるものが少なくなるのは問題だろうという意見もあると思います。しかし、教員になることのハードルが下がるという一面もあるのではないでしょうか。働き手自体が減っているなかで、ストレスも多く、長時間労働という教員の労働環境が敬遠されているという実態があります。数年前の「♯教師のバトン」の惨状を見ても明らかです。
 ならば、さらにばんばん人が入れ替わる状態にするのもありではないかと。

 それに、教職を経験した人が多くいる世の中って、よいことが多くなると思いませんか?子育てに苦労や難しさを感じる人が増えている世の中で、子供について理解している人が増えたり、子育てについて相手の苦労を考えながら接することができる人が増えたり、そんなことにもつながらないでしょうか?
 
 なんてことを、ここ数年、よく考えていました。
 noteを始めてみたら、似たようなことを考えている人も多くて、やっぱり世の中いろいろなことを考える人がいるんだなあと思いました。でも、やはりそういう人って実際に動いている人が多くて、現状の法律、法規の状態でできることを何とか広げようとしてることが多いので、一人ぐらい、できるできない関係ない、夢みたいな妄想を書いてもいいかな、と。

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