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英文法解説 テーマ9 関係詞 第4回 関係副詞は意外とみんなつまずく

 こんにちは。関係詞の解説も今回が4回目になります。今回は、「関係副詞」について説明していきたいと思います。

関係副詞の基本中の基本

 早速ですが、関係副詞といえば、次の4種類があるのはご存知でしょうか?

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 このような対応関係を知っていれば、それぞれの関係副詞を使い分けるのは簡単でしょう。

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というわけで、関係副詞についてはこれで一件落着!

 といかないのが、関係副詞の重要なポイントです。ここからは、①関係副詞が導く節の構造、②先行詞(または関係副詞)の省略、の2点について詳しく解説していきたいと思います。

関係副詞+SVの特徴

 先行詞というのは、もともと関係詞節中にあった名詞が文の前方に移動した語句のことでしたね(テーマ9 関係詞 第1回「関係代名詞とか先行詞ってそもそも何?」を参照)。なので、先行詞は関係詞節中に戻し入れることができるはずです。そこで、関係副詞が用いられている文でも同じように、先行詞を関係詞節中に戻し入れてみたいと思います。

 しかし、上記の例文1.では、先行詞the dayを関係詞節に戻そうとしても、そのままではwe first metの中に入りません(we first met the day.は誤文)。ただし、前置詞onを使って、we first met on the dayとすれば、関係詞節中に先行詞the dayを戻すことができます

 つまり、どういうことかというと、関係副詞が用いられている英文では、先行詞は、前置詞の支えがないと関係詞節中に入れることはできないということです。また、「前置詞+名詞」というのは「副詞のはたらき」になることを考えると、「先行詞を関係副詞の後ろのSVに戻す際は、『前置詞+名詞』の形にして副詞句にしないといけない」といことになります。上の例文で考えてみましょう。

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 さて、ここでひとつ確認したいのですが、副詞句(=副詞要素)というのは「文の要素(S・V・O・C)」としてはカウントしないので、副詞句がなくても文型上、英文は成立するのです。ということは、関係副詞の後ろのSVは「完全文」ということになります。例えば、例文1’.の関係詞節は「完全文(we first met)+副詞句(on the day)」という構造です。

 つまり、「先行詞+関係副詞+SV」の「SV」は「完全文」ということです。

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 関係副詞が用いられている英文ではこういった特徴を意識するのがポイントです。というのも、この点を理解していないと、受験英語では定番の次のようなパターンに惑わされてしまうからです。

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 この問題を見て、先行詞がthe city(場所)だから、whereと答えがちですが実は違います。注目すべき点は、関係詞節のSVの構造です。visitは他動詞で「~に訪れる」なので、I want to visit someday.は目的語が欠落した不完全文なのです。ということは、関係副詞whereではなく、目的格の関係代名詞whichが適切なのです。

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 もちろん、他の関係副詞の場合でも同様です。例えば、先行詞がthe reason(理由)でも、関係詞節中のSVが不完全文であれば、関係副詞whyではなく、関係代名詞which[that]が用いられます。ここまでを一般化すると次のようになります。

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 この違いはとても重要なので、どうしてこういう特徴が生まれるかというプロセスも含めしっかりと理解する必要があります。

先行詞(または関係副詞)の省略

 次は、関係副詞を用いている場合の大きな特徴のひとつである「先行詞の省略」についてです。目的格の関係代名詞は省略できるというのは、「テーマ9 関係詞 第1回「関係代名詞とか先行詞ってそもそも何?」」で解説しましたが、関係副詞の場合は「先行詞」が省略されることがある、という話になります。

 まず、関係副詞whenやwhereの場合ですが、これらはそれぞれ「時」「場所」の関係副詞というのが見た目で分かりやすいので、もし先行詞がthe timeやthe placeであれば、省略されても明確なので省略されることが多いです。反対に、whenやwhereが省略されることもあります。

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 ちなみに、先行詞the timeやthe placeが省略され、whenSVやwhereSVだけになった場合は、結果的に「疑問詞+SV」という間接疑問文(=名詞節)に見えると思います。もちろん、それで「いつSがVするのか」や「どこでSがVするのか」と考えても問題ないです。「テーマ9 関係詞 第3回「関係代名詞whatって普通のwhat「何」とどう違うの?」」で解説した、「関係代名詞のwhat」か「疑問詞のwhat」かという話と同じです。

 厄介なのは、関係副詞のwhyやhowの場合です。関係副詞whyに対する先行詞はthe reason(理由)で、関係副詞howに対する先行詞はthe way(方法)というように、ぞれぞれ「1対1」の関係なのです。ということは、先行詞と関係副詞を両方ともわざわざ書く必要もないので、どちらかを省略するのが慣例です(the wayとhowは必ずどちらかを省略しなければいけません)。

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 例文で確認しましょう。

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 the wayとhowですが、howの代用として“that”や“in which”が用いられている場合は省略する必要はないので、例えば、8.の例文をThis is the way that[in which] I solved the problem.とするのはOKです。

 というわけで、意外と注意すべき点の多い関係副詞について詳しく説明してきましたがいかがでしょうか?先行詞と関係副詞の関係だけをあまりに短絡的に結び付けただけで理解しようとすると、様々な落とし穴にはまってしまいがちな範囲なので、しっかり理解を深めてください。今回はここまでです。次回は、-everがついた関係詞、「複合関係詞」について解説していきたいと思います。ご期待ください。

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