英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第6回 第5文型の基本の話
前回は、第3文型と第4文型について解説しましたが、今回からはしばらく第5文型について説明したいと思います。確かに、難しい印象のある第5文型ですが、これまで学んできたように、「はたらきとしての品詞」をベースにして、動詞の語法を意識しながら一歩ずつ進んでいけば、必ずスッキリと理解できると思うので頑張っていきましょう!
第5文型の基本的構造
まずは、これまでと同じように、第5文型の各文要素を「はたらきとしての品詞」に置き換えていきましょう。登場するのは、「名詞」「動詞」「形容詞」です。
第5文型(SVOC)のOCに注目しよう!
補語というのは、第2文型でも用いられていましたよね。実は、第2文型での「主語と補語」の関係が、そのまま第5文型での「目的語と補語」と同じなのです。例えば、次の二つの例を見てみましょう。
(1)では、himとcaptain of the teamが、O=Cの関係になっていて、この部分だけを第2文型で書くと、he was a captain of the team.になります(第5文型の補語の位置に名詞を用いる際は、「無冠詞の名詞」にするので、第2文型にした場合は「a 名詞」になります)。(2)も同様で、the windowとopen(形容詞)の部分だけを第2文型で書くと、the window was open.になります。OとCの間にbe動詞が書かれていないだけで、SVOCのOとCは、第2文型のSとCの関係と同じなのです。
第5文型(SVO+名・形)を取る動詞
また、これまでの文型同様に、このような第5文型のパターンを取りやすい他動詞があります。こういう動詞を覚えておくと、出てきたときに「後ろにO(名詞)+C(名詞または形容詞)が続くかも」という予測がつく上に、実際にOとCを発見した時に、その関係を意識した解釈ができるのです(つまり、間にbe動詞を入れて成り立つ関係ということです)。
ここで、注意が必要な動詞がいくつかあります。例えば、makeは、「O(名詞)+C(名詞または形容詞)」を取ることはできますが、callやnameやelectは「O(名詞)+C(名詞)」しか取れません。また、leaveやkeepは「O(名詞)+C(形容詞)しか取れません。このように、動詞によって後続するCの位置に来る品詞のパターンが若干違います(leaveやkeepはCの位置に副詞が来ることがありますが、ここでは割愛します)。このあたりは、経験を通して感覚的に身についてくるところでもあるので、今、無理矢理覚えなくてもいいですよ。
様々な語法を持つleaveについて
それともうひとつ注意点。これらの動詞は、語法上のバリエーションが多く、用いられる文型によって意味も変わってきます。例えば、leaveなどはその典型的な動詞です。
leaveという動詞を辞書で調べると、たくさんの意味が載っていて迷ってしまった人も多いと思いますが、leaveはこのように使い方によって意味が異なるのです。例えば、Leave me!なら、V+Oなので「私から離れて!」ですが、Leave me alone!なら、V+O+Cなので、「私を一人にして!」です。
もちろん、これら以外の用法や意味も辞書には書いてありますが、まずは動詞の後ろに続く「語法のパターン」を品詞ベースで考えて、それに従って意味を探す必要があります。簡単そうに見える動詞ほど、使い方が細分化されているので、その動詞がどのように使われているか(=語法)をよく観察する習慣をつけると、辞書調べの精度もグッと上がると思います。
いかがでしょうか?実は、今回の第5文型の話は、中学校の英文法レベルでカバーする内容なのですが、かなり忘れてしまっている人も多いかと思います。なんとなく「第5文型(SVOC)ってこんな感じなのかな~」と、ふわっとスルーしてしまいがちな箇所ですが、しっかり学べばここから先の内容もしっかり理解が深まるので、一歩ずつステップアップしていきましょう。
次回は、第5文型の頻出パターンである、S+V+O+C(to不定詞)を扱います。規則性さえつかめば、スッと頭に入りやすい内容だと思います。ご期待ください。
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