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第39回 村長散歩日記【村内散歩編】 240108(週末配信)

 
島田啓介マインドフルネス・ビレッジ村長による村長日記です♪)
 皆様、今年日本は波乱の年明けとなりましたが、こうしてまた書き出せることに、新たなご縁を感じています。紡がれ、紡ぐ縁の網目の中で、少しでもともに幸せのために働けますよう、今年もよろしくお願いします。
 2024年4月からの新年度よりマインドフルネス・カレッジの第3期が始まります。カレッジは、マインドフルネスのコミュニティであるビレッジを基盤に、生きることそのものをマインドフルに取り組んでゆく真剣な学びのプログラムです。
 今年もともに学びを深めてゆく喜びを予感しながら、準備に努めてまいります。
 

写真は全て島田啓介村長からの提供です♩


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【第39回:新しいコミュニティを生きる】

 *私たちは呼吸を自分のものと思っているかもしれない。たしかにそれを感じ、観察できるのは、一義的には自分だ。他者が観察することや察知することはできるかもしれないが、直接的には自分が呼吸の当事者であることには違いない。
 しかし、あまりそう「思いすぎると」苦しくなる。物事には加減があって、度を超すとただ苦しくなる一線がある。「私が」が過ぎると我の重さに押しつぶされる。我というのはそれほど重量級の重荷なのだ。
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」、徳川家康の遺訓と言われているが、武士が支配した時代には何らかの真実性がそこに含まれていたのだろう。
 しかし近代的自我の培養土で育成された現代人の私たちにとっては、自我だけでも荷が重いのに、家康の言葉には輪をかけて重荷を負わされる心地がして、さらに気が重くなる。
 


 昭和30年代コミックバンド、クレイジーキャッツの植木等が経済成長という船の舳先で踊りながら「無責任一代男」とうそぶいていられたのは、まだそれだけ人の心にも余裕があったからだ。
そのころから社会ははるかに豊かになった。私の子ども時代の記憶からも変化は鮮やかだ。夢見た生活のおおかたは物理的に達成されたかのように見える。1970年の大阪万博あたりが勢いのピークだったろう。あのころ、家族連れでハレのお出かけをすることが何よりの楽しみだった。熱海が新婚旅行のメッカだった頃の話だ。
 そのころ若かったカップルの子どもたちが、今還暦を迎えている私たちの世代である。いまや核家族という言葉も死語になるほど、小規模の家族は当たり前になった。それを抜き去るかのように、「孤立」の時代が訪れて久しい。孤立は「自己責任」という言葉とともに押し寄せてきた。
 何と皮肉なことだろう。急成長の時代には、是非はともかく会社さえも家族になぞらえられるほどに、日本人はつねにグループの中にあり、繭のようにくるまれていた。若者たちは伝統の古き村落社会の枠から物理的にも精神的にも逃れようとして反抗した。私を含めて多くの村の若者が都市に光を見て脱出した時期でもある。
 そして今、多くの人たちが個(孤)として放り出され、サポートが欠けたまま、支援の不在の責任を押しつけられ孤立を余儀なくさせられている。コロナがやってきて孤立の傾向は加速した。その只中で「マインドフルネス・ビレッジ / マインドフルネス・カレッジ」は生まれた。
 


 オンラインコミュニティであるマインドフルネス・ビレッジの紹介文を改めて読み返してみる。
 その中の一文に「自立した一人ひとりによって成り立ち、誰もが尊重され幸せに生きられる、平和なコミュニティ」とある。
ひとりであることと共に生きることの両立。昔に戻るのではない。かつての伝統社会では、全体を生かすためにひとりの犠牲もやむなしとされる場合があった。今は全体が衰弱し、そのなかで個も放置されがちだ。どうすれば?
鍛えて強くなるという強者のモデルに、多くの人が疲れている。弱くなるのは、または弱いままではいけないのだと駆り立てられ、私たちは全体的にも個人的にも疲弊した。エネルギーを取り戻すには、「弱さでつながる」ことが必要だ。もともと弱さは、柔軟性と共感を湛えた豊かな土壌なのである。
 今年私たちは大きな打撃(警鐘=マインドフルネスベル)とともに一年の幕を開けた。後に戻ることはできない。私たちは弱いが、弱いゆえにつながれる。
 リーダーという言葉がよく使われるようになった。困難な時代に強いリーダーも、導くリーダーも確かに必要だ。しかしそれだけでは十分ではない。今必要なのは「共に行くリーダー」、同じ方向に寄り添える存在である。
「早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」
 新しいコミュニティの指針になる言葉だ。
 
 
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https://peatix.com/event/3725859/

 https://peatix.com/event/3796286/

 
毎月のスケジュールはこちら(ときおり変更もあるので、必ず以下から確 認してください)
https://mindfulness-village.mystrikingly.com/schedule



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