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休み時間になりましたよ【春日井市立小学校の視察】

本日、愛知県春日井市の小学校を視察(公開の授業研究会に参加)しました。
春日井市の新しい学びへの挑戦は、中央教育審議会で個別最適・協働的な学びの先導事例として紹介されることが多く、リーディングDX校にも指定されています。

そんな春日井市の授業を初めて見学し、教師や児童の生の表情をリアルタイムで見た最初の感想は「しびれる」の一言でした
社会科の授業でしたが、児童一人一人が自分のペースで教科書やNHKが公開している学校向け動画を見ながら、端末に自分の考えを次々と思考ツール(グーグルのジャムボード)に入力し、補助線を引いたり、グループごとにまとめたりしながら、整理しています
ある程度考えがまとまった児童は、近くのクラスメイトと端末を見せ合いながら意見交換をして、更に自分の考えをまとめていきます。
一人一人が違うペースで取り組みながらも、クラスには一体感があり、誰一人として手を止めることなく、その目は思考を巡らせていることが一目で分かる、真剣な眼差しです。
それだけでも衝撃だったのですが、更に私が驚かされたのは、終了のチャイムがなっても誰一人として手と思考を止めないことです。
5分しか休みがないのにも関わらず、誰も休もうとしないので、教師が「休み時間になりましたよ」と声を掛けて休みを促している場面は、初めての光景でした。
15年前に教師をしていたころは、休みが終わっても席に着かない生徒に「授業の時間になりましたよ」と声を掛けることはあっても、その逆はありませんでした。
これほどまでに、学びが自分ごとになっている光景は、教育行政に携わるものとして、また、教員経験者としても見たことがなく、首筋がビリビリするほど「しびれる」ものでした。

授業研究会の最後に講評をされた高橋純先生(東京学芸大学教授)は「知識の理解の質」を高めることの重要性について話されていました。
公開授業では、単に知識を理解する(食べ物を口に入れる)だけでなく、それを様々な知識と比較・関連付けながら理解(咀嚼して消化)し、アウトプットしていく(血肉に変えていく)姿を見たばかりなので、知識の理解の質を高めるという言葉は、すとんと腹に落ちる言葉でした。

本日の授業研究会には、北は北海道、南は沖縄まで、全国から百名を超える教育関係者が視察に訪れていました。それぞれが自分の地域に春日井市の新しい学びへの種を持ち帰ることで、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実が全国に広がっていくことを願っていますし、そのために自分にできることを全力でやりたいと志を強くした視察になりました。


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