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我が子には才能が無いと親が決めるべきではない

この絵を見てください。これは小学校1年生の女の子が描いた絵です。子どもらしい可愛い絵だとは思いますが、突出したものは感じないと思います。

ではこの絵はどうでしょう?小学5年生の女の子が描いた絵です。山の中に生息するカンガルーの親子がダイナミックに描かれています。

実はこれら2枚の絵は僕の娘が描いたものです。

娘は小1から月に1回単発型の工作教室に通い始めましたが、絵は時々家でノートに落書きをする程度で、学校の図工の作品を見ても特に才能は感じませんでした。

こちらは小3の時の絵です。

ところが、小5の時に描いたカンガルーの親子の絵をきっかけに突然覚醒して、その直後から娘にお金を払って絵を注文してくれる方が出てきて、これまでに10作品が売れ30万円弱の売り上げがあり(正直お金の事はどうでもいいのですが、大人がそれだけの価値を感じてくれる作品が作れるようになったという事を理解してもらう為に金額も書いています)、現在も7人の方が順番待ちをしている状態になりました。

なぜ突然娘の絵の才能が覚醒したのか、振り返るとなんとなくそういう事かな~という心当たりがあるので紹介したいと思います。絵に限らず、子どもの成長はいつ伸びるかは千差万別です。親がこの子には才能が無いと見限ってしまうのはとても残念な事だと思います。娘の成長の過程をシェアする事で、ワクワクした気持ちで楽しんでやれているのであれば、突然才能が開花する事もあるのだと理解して、子どもが夢中になっている事を応援してあげる親御さんが増えてくれたら良いと願っています。

娘の絵の才能が開花した要因ですが、何か1つということでは無く色々な事の積み重ねによるものだとは思いますが、その根底には常に娘が作った作品を否定しなかったことがあると思います。

娘の作品がよくある年相応の絵だったとしても、その中で娘が表現したかったものに興味を持ち、絵の内容について質問をしたり、その絵の中で僕や妻が気に入った部分を伝えたり、娘が前向きな気持ちでいられる声掛けをするように気を付けていました。今考えると、親が毎回自分の作品に興味を持ってくれたという成功体験はとても大きかったと思います。

絵の才能があるかもと初めて思ったのは、小5の時のカンガルーの親子の絵を見た時ですが、幼稚園の時に先生に習った毛糸を巻き付けて作るアート作品を見た時に色彩感覚が非凡だと感じました。

そして小1の夏休みに行った1泊2日の工作キャンプで作った作品が、15cm四方くらいの木の枠を渡されて、キャンプ場の中の空間を切り取ってその空間に住む妖精を自分でデザインして粘土で作ってみようというテーマだったのですが、娘の作った妖精が可愛くてどの角度から見ても形が成立していて驚きました。

その妖精を見て、幼稚園の時にその辺の木の実を拾って組み合わせて作ったオブジェのようなものが奇跡的なバランスで高級な盆栽感があって妻と驚いた事を思い出しました。当時はたまたま奇跡の作品ができたと笑っていたのですが、この時に「もしかしてこの子には立体の造形の才能があるのではないか」と思いました。

それ以降、娘は工作に夢中になっていきます。毎月1回の工作教室に加えて、家でも常に何かを作っていました(その時の作品はこの記事の最後に紹介している娘のインスタアカウントでご覧いただけます)。

そして小3から小4にかけては紙粘土で動物園を作りに没頭します。どの角度から見ても成立している可愛い動物たちが沢山誕生しました。

このまま粘土工作を突き詰めていくものだと思っていたのですが転機が訪れます。小5の4月から僕と二人で僕がかつて留学していたオーストラリアのメルボルンに6週間旅行に行くことになって、できれば工作教室を探していたのですが見つけられず、年に数回美術館に行っていたので、工作以外でもアート全般に興味があり、滞在中は毎週土曜日に絵画教室に通うことを決めました。

この絵画教室は毎回4時間で、生徒は美大生や大人がほとんどのプロ仕様の絵画教室でした。それぞれの生徒が描きたい物を描いて、先生のアドバイスが必要なら聞くという自由なスタイルのところで、そこで突然あのカンガルーの親子を描き上げたのです。

3週目に完成したのでトータル12時間くらいかけました。先生が「この子は他の生徒の描き方をよく見ていて、草のが茂った表現をどうしたら上手くできるか聞いてきたのでステンシルの使い方を教えたり技法は教えたけど、全部自力で描き上げたのよ」と僕に伝えてくれました。

おそらく、他の上手な生徒さんたちの描き方を見ているうちに、これまでは線を描いて絵を作ると思っていたのが、色を乗せて重ねていく事で絵に見えるという見方をするようになって、そうなると娘が得意な立体的な視点が活きてきて、粘土で動物を作る時に近い感覚でこの絵を描き上げたのだと思います。

残りの3回で、ウミガメとキリンの絵も描き上げました。

メルボルンの旅では、初めて絵のオーダーも受けました。僕の高校の同級生が放射線技師をしていて、一緒に食事をした時に娘の絵を見せたらとても気に入って、彼のクリニックの為に絵を描いてくれないかと頼まれました。帰国後、娘は『レントゲンにちなんだものだけどポップな作品』というリクエストに応えてこの作品を作りました。

友達に送ると、この作品をとても気に入ってくれて、もう1つ描いてくれと依頼されて次にこれを描き上げました。

このオーストラリアの旅で娘の人生は変わったと娘が言っています。twitterに旅行記があるので興味がある方はご覧ください。

このクリニック用に描いた絵をSNSに上げたところ、それを見て興味を持ってくれたレストランを経営する方が注文をくれて、この作品を描きました。

その方が、作品をレストランで飾ってくれていたら、レストランに来たお客さんが「これは誰の作品ですか?とても良い絵ですね」「実は小学生の女の子なんです」という話になって次の依頼をいただきました。

そこからは次から次に、オーダーが入るようになり沢山の作品を描き上げました。一部を紹介します。娘の作品の特徴として、ポップな色使いがあると思います。幼稚園の時に作った毛糸のアート作品で僕が感じた色彩感覚の延長線上にこういう未来があるなんて当時は思いもよりませんでした。

今年の4月には娘の通う中学校で娘の個展をさせてもらいました。

娘が小1の時の絵を見て、今の娘の姿が想像できる人はいない筈です。

僕と妻は、娘が楽しそうにやっているからその気持ちをもっと盛り上げる為に何ができるか考えて、美術館に連れて行ったり、一緒に工作を楽しんだり、娘の作品や制作に対して前向きな声掛けをしてきた結果、突然娘の才能が開花したのです。

アートに限らず、スポーツでも音楽でも、勉強でもそうだと思いますが、いつ伸びるかというのは本当に人それぞれです。今お子さんが夢中でやっているものがあって「でも大したことないから辞めさせよう」と思っている親御さんがいたら立ち止まってもう一度考えていただけると嬉しいです。

夢中になってワクワクやれているものを続けたら才能が花開くかもしれませんし、そうでなかったとしてもお子さんの人生で必ず意味のある経験になっていくと思います。夢中でやれる何かがあるというのは物凄いパワーです。


最後に、娘のインスタアカウントを紹介します。これまでの作品が見れますので良かったら見てあげてください。


Thank you for reading^^ 気に入ってもらえたらSNS等でシェアしていただけると嬉しいです♬ これからも英語教育に限らず日本の子供達が楽しく日々過ごして世界に羽ばたける環境づくりに全力で取り組んでいきますので、応援よろしくお願いしますm(__)m