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土日に自由な休みを手に入れた『部活動改革までのロードマップ』


質問です。

「部活動の顧問、やりたいですか?」

⚠️YESの人は、絶対にこの記事は見ないでください⚠️
真逆の内容を書いています。

正直に言うと私も

頑張ってきた部活の経験を活かして
「部活顧問になって子どもたちに感動を教えたい!」

採用当時、そう思っていました。


でもそんな気持ちは、
すぐになくなることになったんです。

そして、納得できる部活動改革に成功しました

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1 部活動を嫌いになった1校目

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学生時代は部活動人間

中学から6年間同じ競技をやっていた。

全国大会こそ出場できなかったが
最高で全国大会の一つ前の大会まで出場経験がある。


だからこそ思うのは
当時の部活動の顧問たちへの感謝です。


それでも
私は教員として部活動を無くしたい


「部活動もやりたい」
そう思って入った教員人生は
初任校で見事に砕かれたからだ。


・・・

教員になってからこれまで、
3つの部活動の顧問を経験してきた。

1つ目: (初任校)全くの未経験の女子部
2つ目: (1校目の途中から2校目)経験してきた専門競技
3つ目: (現任校)全くの未経験の武道


新任1年目 全く未経験スポーツの女子部の顧問


いわく付きだった。


どうやら
「運動ができる若い男の先生」が
毎年任されている部活動らしい。



よくあること?
初任には全くわからない。


あとになって「実は…」と聞かされた話だった


昔から専属の外部コーチがいた。


そのため競技の指導については
全く気にする必要はなかった。


しかし
(コーチ)「先生!生徒と一緒にやって早く覚えてくださいね!」
とすぐに専門性を求められた。


・・・


その後、生徒から聞かされた衝撃の言葉



😕「どうせ先生も一年で辞めるんでしょ!? 」
😒「私たちの部活、毎年顧問が代わっているんです。」


・・・

さらにこのチームは強かった。


いきなり
全国の一つ前の大会まで出場してしまい


訳もわかっていない内に
メンバー全員が選抜メンバーに選ばれ、


初顧問しているチームを母体に
都道府県の選抜チームが作られた。


元々いたコーチが選抜チームの総監督となり、
他中学校から競技経験者の優秀な顧問がコーチとして呼ばれ


母体チームの顧問というだけで
なぜかド素人の私もスタッフに。。。

🫤「先生はなんでいるんですか。」
って言う明らかに教員不信の3年生

😀「先生、スタッフ頑張ってくださいね!」
って言う優しい無邪気な2年生。彼女らに救われていた。


しかし日程が…

選抜の結成は8月中旬
選抜の全国大会は12月下旬
選抜チームでの練習は、毎週土日の朝7時から夜19時まで

つ・ま・り…

教員1年目は
8月中旬〜12月下旬の全ての土日が朝7時から夜19時まで練習で休みなし

という日程

何連勤!!? 
土日も祝日も全て練習を入れられ朝から晩まで練習づくし。


1日も休みがなかったので、大体130連勤くらい



今思い出しても地獄だった。


初任で日々の学校生活も余裕はなかったので
授業準備もしたい、仕事も覚えたい、勉強もしたい、


それなのに、全てが時間が部活動に奪われていく。


・・・

疲労困憊だったある日のこと


自治体の教育委員会が
選抜チームのために押さえくれた練習日程と

コーチが独自で抑えた練習日程が
同日に場所別でかぶってしまい、

顧問である私が板挟みになって
ひどく叱られるってことがあった。


理不尽


「部活動なんて無くなればいい」
初めて思ったのはこのときだ! 


部活動が子供の成長には大事?
そんなの分かっている。


しかし

だからといって教員の人権なんて一切無視
使い捨てのコマのように扱う部活動環境が許せなかった。


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2 部活動を学んで作戦を考えた2校目

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結局2年間
その部活動を顧問した。


子どもたちに罪はなかったから
当時の2年生に救われていたから


毎年顧問が代わってしまっていた彼女らのためにも
最後まで見届けてあげたかったからだ。


1年目は全国大会こそ行けなかったが、


2年目も再び選抜メンバーに選ばれてしまい、、、


全国大会優勝してしまった…



もちろん私の生徒もメンバーだったので、
嬉しい気持ち反面、虚しい気持ちも反面…


子どもの栄光を
素直に喜びきれない自分にも嫌になっていた。

・・・

転機は3年目にやってきた。

3年目からは
もともと専門でやっていた競技の顧問に。


ここも昔からコーチがいたことで
3年目と4年目の計2回全国大会に出場。

決勝まで進んだ。
このチームのコーチは学校への理解があり
助かった。


****************

2校目では

そのまま専門競技の顧問に。


コーチはいなかったが、

自治体内でも有名な
競技界の名将と一緒に指導することとなった。


部活動自体はすでに嫌いだったが
この名将と呼ばれる先生から学んだことは
とても大きかった。


全国大会もほぼ毎年出て、


全くの初心者で入ってきた中学1年生を
0から指導して


3年間で全国選手まで育て上げる過程を
ずっと間近で見させてもらった。


その都度、
その名将にしか見えていない視点を教えてもらっていた。


幸運だったのは、
名将と呼ばれてはいたが、


今の時代を敏感に察知していた方で
「量より圧倒的な質」を追求している方だったこと。


練習時間はどこよりも短かった。

「練習時間がどんなに短くなろうと俺は全国に連れていける!」
が口癖だった。凄まじい方だった。



ここまでの経験を通して、
部活動を縮小していくための策をずっと考えていた。


私が思う部活動に学んだことはコレだ

1 部活動があることで落ち着く子供がいるのは事実
2 部活動は量より質。量が少なくても満足度や結果は変わらない。
3 認められるかどうかは、結局、顧問の人間性次第。
4 技術指導ができないことが問題ではなく、向き合っていないことがトラブルを呼ぶ
5 外部コーチはつけてはいけない。技術指導のメリットよりも人間関係トラブルの方がきつい
6 もし外部コーチをつけるなら、顧問は一歳介入しなくても良くなってから
7 部活動をやりたがる人は教員の法律を知らない
8 顧問も生徒も保護者も、部活をやりたいかかどうかは、どっちでもいい、もしくはやりたくない方が多い。

この時には大分、部活の問題がわかってきていた。


背景知識として、

部活動のあり方
勤務時間などの法律知識
文部科学省が述べている部活動の捉え方

を勉強したら戦略が見えてきた。


だから次の学校で
「部活動を一気に改革しよう」


そう決意したんです。

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3 全てを経験して大改革した3校目

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現任校に赴任

再び
「全くの未経験部活動の主顧問」
を担当することになった。


学生時代に体育の授業ですらやったことない部活。

さらに状況は酷かった


前年度までの顧問は異動

忙しかったのか
引き継ぎの資料も何もない。

誰も知っている人がいない

経験者は学校に誰もいない

あるのは
整理されていない雑多に入れられたデータのみ


でも
この時にはすでに開き直っており

「1から全て作り直してやる」
と覚悟は決めていたので、

主顧問として好きにやらせてもらうことにした。



✔️ 異動初年度(夏まで)

中学校3年生に聞きながら、
全体像を把握した。

外部でやっている子もおり、意外と強い。

しかし親に強制されて、
イヤイヤやっている子が多いことが分かった。


✔️ 異動初年度(夏以降)

中学校3年生が引退し、
一気に温めていた部活動改革に向けて舵を切った。

全て子どもにも意図を説明し話し合い、
保護者にも周知した上で次のことを行った。



A 朝練を辞めた。

(理由) 
授業に集中できない言い訳として
部活動の朝練習を使っている子がいたこと。

朝が弱い子。

気持ちが入っていない中での練習は効果が薄いこと。

そして、そもそも勤務時間ではないこと。


B 練習時間を勤務時間内とした。

(理由) 
長くダラダラと続けるよりも
短時間で密度濃く練習することを
覚えてほしいため。

そして、そもそも勤務時間外であるため。


C 練習は子どもの自治活動とした

(理由) 
教育活動で最も育みたい素養は
子どもの主体性であること。

そして、そもそも部活動の意図は
「子どもの自治的活動」であるため。

根本の理念を大事にした。


D 出場する大会を厳選した

(理由) 
闇雲に全ての大会に参加しているだけでは、
子どもが自分たちでPDCAを回せるようにならないこと。

大会に親が送り迎えできない家庭があったこと。

そして、そもそも土日は勤務ではないこと。

E 前年度まで、土日の朝に「部活動」として参加していた外部のクラブチーム活動への強制参加をやめた

(理由) 
そもそも、クラブチームは学校活動ではない。

部活としないことで、
テスト週間でも参加してもいいこととした。
(やりたい子にとってはラッキーだったようだ。)


F  土日の練習をなくした

(理由) 
全員が
土日もやりたいと
思っているわけではなかった。

やりたい人は
土日のクラブチームに
個人で参加も可能。

外で習い事している子もいた。

そもそも、「土日は個人の趣味にあてようよ」という話でみんな納得してくれた。



もちろん
全く不満の声がなかったわけではない。


コロナ禍であったことも功を奏し
世の中さまざまな教育活動が縮小傾向の中
仕方ないこととして処理できたものもあった。


それでも、
部活動の改革に成功できたのは


過去の経験や、部活動に関わる法律知識を学んできたことが
最も大きかったと思っている。

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4 今はこうなった

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今、

ほとんどの土日は、言葉通りの「休日」となっている。
 家族と過ごし、友達と過ごし、趣味を楽しんでいる。


ほとんどの平日は、17時台には帰っている。
 学びたいこと学んだり、
 カフェやジム、サウナに行ったり、
 家族と一緒に夕飯を食べられている。


部活動に奪われていた全ての時間


全てを自分で使えるようになったら
本当に色々なことができるんですよ。

やりたいことがやれる。
当たり前のようで当たり前じゃなかった今までの教員人生


現在部活動に苦しんでいる先生も
できます。


まずは土日の自由を獲得しましょう!


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5 これからの部活動

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今後は部活動の地域移行が始まっていきますね。


福井県では新聞報道もありましたし、
他県でもいくつか同じような情報を聞いています。


私の自治体でも
27年度から土日のみ地域移行するという話


土日だけでも変われば確かに大きく変わります。


でも、
先生たちの考え方が変わらなければ
平日だけの部活動でも大変なのは変わりませんよ。

✔️ 土日に指導してくれている指導者との連携は大変です。
✔️ 結局、予定表作りをしなければいけないんでしょう。
✔️ 結局、部活動費の管理はしなければならないんでしょう。
✔️ 結局、名簿の管理もしなければならないんでしょう。

そして

土日に起こった
子ども同士のトラブル
指導者と子どものトラブルにも
学校が対応しなければならなくなることは簡単に想像できる。

土日がなくなるなら
私なら平日もなくしにいきます。

もしくは、
土日の指導者に平日のメニューまで全部考えておいてもらいます。

「顧問は安全管理のみ」

の契約を先にしておくんです。



地域移行が開始されてからの部活動

皆さんは、どう動きますか?


PS

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悩みの解決策は、
その悩みを克服してきた人にしか分かりませんよ。

私なら、何かヒントになるアイディアくらいは出してあげられるかもしれません


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