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音楽が発生するのは自分が消滅したとき
演奏家の方は必読の書籍「自然に演奏してください」から今回は紹介します。
第九章「解釈」より。
著者のヴィヴィアンさんは「解釈とは含まれる意味を変える事」と言います。
彼女はカサルスがシューマンの録音をする場面を教会の窓枠に座って見下ろしていました。最初は景色を見ていたけれど、次第に引き込まれ演奏から目が離せなくなって下を見ると、指揮者やチェロは見えるのにカサルスが見えなくなった、という経験をします。
そこで彼女は、
「そうか当然、彼はそこにいない。それが彼の仕事で、自分がいなくなることによってシューマンが現れるのだから」と考えました。
彼女は「音楽が発生するのは自分が消滅したとき」と言っています。
個性を表現したり、自分自身のオリジナリティを出そうとする、という発想とは真逆にある考えです。
何かにつけて自己PR、個性を表現することが良しとされる風潮の中、「個性を表現しようとすること」自体がエンドゲイニングであると考えさせられます。
演奏だけでなく、芸術論・仕事論・人生論としても面白い本書です。ぜひご一読ください。
【教師情報】
中国地区広島県会員 河野広昌
【レッスン場所】
広島県広島市南区青崎1-17-28 健康ハウス
【ホームページ】
【連絡先】
TEL:080-3232-6128
Mail:kotti007@gmail.com
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