広島市南区・アレクサンダーテクニーク教師 河野広昌の見直すブログ

一般社団法人アレクサンダーテクニーク教師会理事。広島市南区向洋在住。レッスンは広島市南…

広島市南区・アレクサンダーテクニーク教師 河野広昌の見直すブログ

一般社団法人アレクサンダーテクニーク教師会理事。広島市南区向洋在住。レッスンは広島市南区青崎のアレクサンダーテクニークジャパン本部(健康ハウス)で。FMアレクサンダー著作・ワーク研究・日々所感など書いています。レッスンは随時受付中。グループレッスンも可。お問い合わせください。

マガジン

  • アレクサンダーテクニーク教師会・有志のブログ

    • 22本

    当協会所属のアレクサンダーテクニーク教師が投稿した記事をまとめたものです。これからワークを学びたい人、リピーターの生徒諸君、練習生や教師にもちょっとした参考になります。

  • ATK所属教師のワークショップ情報

    • 3本

    このマガジンは「アレクサンダーテクニーク教師会」所属の教師によるワークショップ情報をまとめています。開催が終了した記事は、マガジンから外しています。

最近の記事

アレクサンダーテクニーク教師会総会と勉強会感想

2022/10/16(Sun) ATK総会と勉強会がありました。 ATKでは年二回の総会と勉強会を行なっており、最近は奈良のアレクサンダーテクニーク研究会スタジオをお借りしています。 総会では会の運営や方向性について参加者が議論します。今回も熱い議論が交わされました。アレクサンダーテクニーク自体が全体として下降気味の現在において、一般社団法人としてのATKの存在意義を問うものでした。 勉強会ではFMアレクサンダー研究に関しては第一人者の池田智紀さんの発表と議論が行われまし

    • 抑制の訓練に必要な事

      お久しぶりです。 FM氏は第一に「抑制(inhibition)」が重要であると著書の中で繰り返し述べていますが、今回は抑制について「いつでも穏やかに暮らすには」より引用します。 「第五部 恒常的に影響する所作を用いて関わる変化」の「抑制」より。 「抑制に必要な訓練は記憶や気付きにあり、すなわち記憶とは、手順を当該テクニークに内包して適切に順序だてた使い方を思い出すことであり、気付きとは、認知つまり何が生じているかわかることだ。」 この意味は欲しい結果に対して適切な手順

      • 音楽が発生するのは自分が消滅したとき

        演奏家の方は必読の書籍「自然に演奏してください」から今回は紹介します。 第九章「解釈」より。 著者のヴィヴィアンさんは「解釈とは含まれる意味を変える事」と言います。 彼女はカサルスがシューマンの録音をする場面を教会の窓枠に座って見下ろしていました。最初は景色を見ていたけれど、次第に引き込まれ演奏から目が離せなくなって下を見ると、指揮者やチェロは見えるのにカサルスが見えなくなった、という経験をします。 そこで彼女は、 「そうか当然、彼はそこにいない。それが彼の仕事で、自分

        • 正しくやろうとすると失敗する理由。

          こんにちは。 FMアレクサンダーの2作目「建設的に意識調整するヒト」は、感覚的評価について書かれています。 「感じ」をあてにすると必ず失敗すると氏は言っていますが、そこに関連して「第二部 第六章 過度の興奮による恐怖反射・未調整な情動・凝り固まった偏見」から少し長いですが引用します。 他の手法において、教師が潜在意識的に生徒に何かをやらせようとしている事に関連して、 「直面しなければならない事実が事例群にあり、不完全な機能をする有機体であるならば、ヒトはいつでもやれる

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        記事

          考えてるつもりでも感じてるだけかも・・・

          こんにちは。 アレクサンダー氏の2作目「建設的に意識調整するヒト」は、感覚的評価(sensory appreciation)をあてにして失敗する、多くの実例が載っています。 「感じ」に従うといかに失敗するか、私も身につまされます。 今回は重要な事例が紹介されている、「第二部 第二章 不正確な概念」から引用します。 実例4では、アレクサンダー氏が出会った「歩けない少女」について描かれています。 彼は手技を使って少女を再調整し、「極度の捻じれや歪みがなくなった」といいます。

          心の硬直性について

          こんにちは。 FMアレクサンダー第一作目「人類の最高遺産」はアレクサンダー氏の「原理」についての記述が、全般的に書かれているので、当該ワークの「原理」を知るのに最適です。 心身統合体のワークとして「こころの硬直性が身体機能に適用されているところ」が「第一部 4 意識的調整」に書かれています。 (アレクサンダー氏が「原理」としている「意識的調整(Consious Control)」ずばりのタイトルです) 不適切な使い方のせいで、心身を病んだ人に、アレクサンダー氏が適切な使

          アレクサンダー氏の言う「習慣」とは。

          こんにちは。 FMアレクサンダーの第一作目「人類の最高遺産」は現在、新訳で電子書籍版が準備されています。 今回は紙版の「第一部 6 習慣的な思考が及ぶ肉体」から引用します。 FMの言う「習慣」とはなにかが以下のように書かれています。 仮にFMへの反対者が「習慣的な精神が悪いとほのめかしているようだが、それならなぜ習慣というものを奨励しているのか。仮にそれが『正確で有益な』習慣としてもおかしくないか」と突っ込んだとして、FMは以下のように答えると言います。 「習慣とは

          FM氏のワーク「意識調整」を四段階で解説すると。

          こんにちは。 「人類の最高遺産」からFMが自身の原理をどのように表しているかをご紹介します。 「第二部 3 意識的な指導と調整の道筋」には「当該原理、すなわち、意識調整」と書かれています。 FM氏はこれを四段階に分けて記述しているので要約します。 第一段階は、明快な理解によって欠陥を知る事。ただ盲従するような治療はしない、なぜなら本人に道筋が理解されていなければ価値が無いから。 第二段階は、誤った概念があるから、誤った動作が生じていること、それは意識的だったり潜在意識的

          FM氏のワーク「意識調整」を四段階で解説すると。

          FMアレクサンダーの言う「私の手法」とは。

          こんにちは。 「人類の最高遺産」はFM氏のワークである「意識調整(Conscious Control)」についての総論が書かれています。 https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%AB%98%E9%81%BA%E7%94%A3-F-M-%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC/dp/4833152940

          FM氏の自伝的小品にある人生の教訓

          こんにちは。日本語版「人類の最高遺産」には付録としてFM氏の「自伝的小品」が載っています。 これはFM氏による未完の自伝です。彼の人となりを理解する上で重要な資料です。その中から一節をご紹介します。 FM氏は自身の失声を乗り越え、朗誦家として大成功していきます。しかし、彼は朗誦家をやめて教師業を始めることを決意し、周りに相談しました。 すると、ほとんどの人は失敗するからやめろ、何で今より稼ぎが減るようなことをやるんだ、などと助言してきました。彼はそれでも決意して教師業を始

          「いつでも穏やかに暮らすには」部分と全体・原因と結果について

          こんにちは。 今年から紙版で読めるようになった「いつでも穏やかに暮らすには(Universal Constant In Living)」は当時の著名人の評論が引用されており、それがいかにワークを誤解し、歪めているかについてFM氏の指摘が多数載っています。 今回は第七部「特定理論にある『完全人間』及びそれに対応する実践」からです。 フランツ=アレクサンダー博士が「心理身体医学会会報」に載せた文章では、「フィルヒョウ教授が『全般的な病気などなく、単に疾病にかかった器官や細胞が

          「いつでも穏やかに暮らすには」部分と全体・原因と結果について

          人類の最高遺産第二部におけるワークの具体例

          こんにちは。 FMアレクサンダーの本で「人類の最高遺産」は最も広範囲な論点が出てくる書籍で、第一部は特に世界情勢・文化・教育など多岐にわたります。ですが、第二部はFMが提唱している「意識調整(Conscious Control)」の原理について解説があり、より具体的にワークを記述しています。 今回は、腕をバタバタしながら発話しようとする吃音者に対するワークの実例です。この吃音や発話という事を今の自分に置き換えて読むと、改めて大事だと思ったのでシェアします。 FM氏の提案

          FMアレクサンダー「自己の使い方」自己観察について。

          こんにちは。 「自己の使い方」第一章は、FM氏がどのようにして自己観察をしたか書かれている大切な章ですね。ワークの根幹である「自己観察」を進める上で、大事だと思った箇所をご紹介します。(大事なとこだらけですが笑) FM氏は自分が失声した原因を探るために、鏡を用いて自己観察します。その際に「普通の話し方と朗誦と、もしかして可能になれば自ら差異を区別」できると思いつきます。 普通に話す時と朗誦時を比べた差を用いて、自己観察を進めました。観察する際に、何かを比べるという事が大

          FMアレクサンダー「自己の使い方」自己観察について。

          アレクサンダーテクニーク教師会公式ブログ始めました!

          こんにちは。 我々アレクサンダーテクニーク教師会(ATK)は、日本のアレクサンダーテクニーク(以下AT)の普及・啓蒙・教師の資質向上を目指して活動している一般社団法人です。 この度、当協会の公式ブログをスタートします。 当ブログではプロ教師である、当協会正会員の記事を皆様にお届けします。 当協会には日本のAT黎明期から教師として活動している第一人者から、近年教師となった若手まで、幅広い経歴の教師が所属しています。 ワークに興味がある方・すでに学んでいる方々にも参考になる有益

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