教育実習,そして授業
信じられないことにまだ教師をしています。
教師を続けると嫌でも上手くなるのは授業。僕も学生の時や若手の時は
困ってきましたので,簡単な?考え方を伝授します
まず「上手い下手」については,あまり気にしないでいいです。
明らかに下手くそなベテランが「自分は上手い。誰々さん(若手)は下手」と言ってるのを聞いたこともあります。
彼女は,明らかに字も下手な方でしたが,自称美文字でした。多分,指摘を受けても聞き流して年齢を重ねてきたのでしょう。残念なことにこういう方が主任をすることは学校現場ではよくあります。
プロ野球選手なら,10年続けたところで打率8割とかにはならないし,むしろ成績は下降していき,いつかクビになるものですが,教師の世界では「ふわっとした評価」の中で評価は上がり続けていきます。
早い話,若手のうちに上手だと言われることは稀ですし,ベテランで下手くそだと言われることは稀です。若いうちは,叩かれるものだと割り切り,あとは好き嫌いとか,早い話自己満足だと割り切ってください。
ただそれでも出来ることはたくさんあります。
①指導書の詳説の全時のまとめをサラッと読む。
指導案ってわかりにくくないですか?初めから理解できる人がいるとも思えないし,他人にあれこれ治されるのって,すごくウザいですよね。あんなもんどこかのコピペで適当でいいでしょう。ただやることを「理解」はしておいてほしいです。じゃあ何を理解するのか?
授業というのは,「45分間で目の前の子どもが,このめあてを理解できるための道筋」です。賛否あると思うけどそれだけです。
3分でできるとしても45分かけます。90分かけたいことも45分です。
多少,子どもの性格に合わせて作りますが,基本はそれだけです。
これで仕事の大半は終わります。例えばAと言う単元が,1−10時間であるとすれば,それの「めあてとまとめ」をサラッと読みます。
やたらとあれこれなんでも細かく言う人がいますが(この手の人は大体仕事ができないタイプが多い),そもそも学生や若手にそんなもん注文してもできないし,やる時間もない。それは聞き流したらいいです。
基本的に「子どもにつけさせたい力」はこの「まとめ」にあります。省エネするだけには1時から丁寧に読むのではなく,いきなり10時を読んでしまう。「最終的にここまでの知識や思考があればいいのだな」と見えたらそれを基準に授業を作る。
普通は簡単なわけですが,必ず「分からない子」が数人はいますので「分からない子」を意識して「援助」を個別に入れていく。自分のオリジナルがあるとすると子に部分だけですね・・・
一応,日本の教育の前提では,それをやることで「全員が分かる」と言うことになってます。テスト結果を見ればそんなわけないんですけどね・・・
つまり,指導案と違う点で言うと,(クラスの分からない子,課題がある子を)個別にフォローした「証拠を出す」感じになりますが,これを意識してやってる(と評価者が感じとれるか)かどうかは大事です。けど出来ない子はどうしても出来ないので,あまりにフォローに力を入れすぎるのは良くないです,時間がかかりすぎるし,授業が成立しなくなります。
ちなみ,多くのベテランや管理職は,実習生や若手が深く考えて作った先進的な授業を「ひどく」嫌います。そもそも評価できない,理解できないからです(あなたの親がTikTokや推しのユーチーバーの良さを理解できないのと同じです。正誤ではなく,世代間ギャップです)。
基礎・基本的なものでいいので,何か指摘されたら,「指導書の詳説のめあて・まとめにこう書いてました」と返せるような板書計画と授業でいいです。これって,考えもないし,つまらないのかもしれませんが学生や若手の授業って,「落語のような古典的なものを,いかに大量に練習して,師匠レベルに近づけるか」を求められてると思ってください。割り切ってやると割と面白いですよ。
②習ってない漢字は使わない。そしてふりがなをふる。
文句を言う人は誤字脱字やこの辺ですよね。でも「その漢字を何年生で習ったのか」覚えておくなんて若手には不可能です。ですからなるべくひらがなを使い,怪しい漢字にはふりがなをふる。それだけでOKです。
タイトルのものは黄色のチョーク,大きめの字ですね。あとはよく出る漢字は書き順とかは練習するといいです。
漢字は大きめ,ひらがなは小さめですね。時間短縮に貼り物を増やすのは好まれます。毎回できないし,お金と時間がかかるし,意味を感じないですけどね。
③髪型,見た目や時間
黒スーツ基本ですが,10月までなら半袖OKのところが多いですね。遅刻はしないとして,無理に遅くまで残ってもメンタルがしんどいだけです。別に茶髪でもいいと思うんですが,そこで攻防するよりは他にエネルギーを注ぐといいのかなと思います。
あと子どもと遊ぶのは,別に評価にはならないですし,やらなくていいです。大体,管理職は勝手に「若手や学生は体力はある。外で子どもと遊ぶのが好き」と思ってますけどそんなことないでしょ?
それで授業準備ができてない,とか子どもが怪我したら普通に「ダメじゃん」とか平気で言われます。好きでないなら無理して無駄な仕事はしなくていい。コピーとかもそうですね。やるなとは言わないけど,「やるのが当たり前」になるとしんどいですよ。本来の仕事が回らなくて,それで責められたりします。
あまり合理的に考えすぎるのも問題ですが,評価の基本は授業なので授業メインでいいです。
帰る時間が早い,遅いとかもあるだろうけど割り切った方がいいと思いますよ。そもそも慣れてない職場な上に,暗黙知の部分まで周りに合わせるのはしんどいです。もし「来るのが遅すぎる」「帰るのが早すぎる」という人がいたら(残念ながら,特定の性別や年齢の相手には言ってもいいと思ってる残念あひとがたまにいます),そもそもハラスメントの可能性が高いので「終わってるやつだな」くらいに思っておけばいいです。
頑張るなとは言いませんが,普通慣れてないことは疲れちゃうし,余計なことして,ベテランの介護する必要はないですから,抜くところは抜きましょう。
喧嘩する必要はないですが,実際は実習中や,若手のうちに潰れる人もいますので「自分の人生(しいては子どもたち)を守るための正義だから」と貫くといいですよ。
④同じ言葉は使わない。特定の言葉は使わない。
実際は繰り返す方が子どもはおぼえるのですが,一応そうなってます。「繰り返すのは時間の無駄だ,何回も言ってしまうと子どもは集中力を持って先生の言葉を聞かない」と言うのは定説です。
特に「めあてやまとめなど,大事な部分は全員で一度言わせる」などして何度も言わない。「板書を読めば全てわかる」のが前提ですから,質問も出ないのが理想です。
何回も同じ内容を説明したりにならないようにしましょう。また,そもそも覚えられない子もいます。そういう子のために,別にヒントカードを使う,イラストを使うなども良いですね(時間とお金の面で,こんな授業はたまにしか出来ないし,再現性が不可能なので,やる意味ないと思うんですけどね)。
宗教などの是非が出るワード,難解な用語は使わない。「バカ,お前,野郎」などの汚い言葉遣いもNGです。面倒臭いですが例えば平均を出す時に「Aさんは小さい,Bさんは大きい,2人の平均は」みたいなのもNGです。「小さい」が差別になると言うことです。
この場合,「Aさんは140センチ,Bさんは120センチ」は「事実」なのでOKです(正式にはセンチメートル,と言います。またcmの書き方,大きさも決まっています)
本当に面倒臭いですよね・・・
逆に「え?これはOKなの?」みたいなのが許されたりします。例えば「ジャージの短パンはいいけどジーンズはNG」みたいなことですね。
先生は汗をかく作業も多いし,ジーンズもいと思うんですよね。むしろジャージの方がダメじゃない?みたいなこととか。更にローカルルールもたくさんあります。個々の管理職の考えもあります。
これらを実習生や若手のうちに全て理解しておいて行動するのは不可能です。1つ1つ潰していくしかありません。
⑤細かく見せる,合格をもらう
「師匠に認めてもらってナンボ」ですね。これは普通は,管理職だとか主任ですね。マジで「自分史上最高の大作」とかいらないので,その都度,計画や内容を説明してアドバイスをもらう,あるいは言葉の中身を忖度していきましょう。
大枠のOKさえもらっておけば,後で反対はしにくいものです。
自己流では,大体において直前や終了後に痛い目を見ます。ただアドバイスが壊滅的に下手な人,見せるたびに言うことが変わる人もいるし,主任じゃない,お前誰やねんw な人がししゃり出てくることもあります。その辺はうまくかわして下さい。
見せるたびに修正するのも疲れるので,一定見せると後は隠すのも手ですね。後は釘を刺すことです。たまにベテランで(信じられないことですが)授業中に文句を言ったり,修正をかけてくる人もいます。そこから修正などできるわけもなく,どんな授業でも,それをされた時点で崩れますから(申し訳ないですが,修正できる能力もないので)「授業中は無言でお願いしますね,文句があるなら事前に言っておいて下さいね」と言っておきましょう。それでもやる人はやるので危なそうな人に当たったら「緊張するだろうから,授業中は喋りかけないでようにするよ。って校長先生に言ってもらいました」とかってジャブを出しておくといいかもです。
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