#12 名残の月を楽しむ茶の時間
名残の月を楽しむ茶の時間
茶の湯の世界では、季節ごとに特別な意味が込められています。特に10月は「名残の月」として、茶道具の取り合わせや、一年の最後の茶を味わう大切な時期となります。風炉から炉への移行期であるこの季節に、茶の湯の深い文化と伝統を感じてみましょう。
名残の月の茶会の趣
名残の月の茶会では、季節の移ろいを茶道具や器の選び方にも表現します。銘のある風炉や前欠き風炉、秋の趣を映す尾垂釜や葡萄釜、そして柿の蔕写や趣のある高麗茶碗など、一つ一つの道具が秋の深まりを物語ります。清潔で手入れの行き届いた茶筅とともに、静寂と風雅が漂う空間で、古茶の深い味わいを楽しむことができます。
今日の一然:秋の香りを感じる
今日の一然は、秋の香りを感じ取ることです。外に出て、深く息を吸い込めば、枯れ葉や風の香りから季節の移ろいを感じることができます。また、日常的に飲んでいる缶コーヒーやペットボトルの緑茶を、ホットの焙じ茶やティーパックに変えてみるのも良いでしょう。
お湯を注ぎ、立ち昇る香りに意識を集中させる時間は、心をリラックスさせ、自然との一体感を味わえる貴重な瞬間となります。たとえ数分でも、この季節ならではの香りを感じることで、心はより豊かになっていくことでしょう。