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【薬膳編】五行学説5 ”夏”をひもとく👒


夏は二つの季節

中医学では、『夏』の季節は
二つで表現されています。
一つ目は『夏』。こちらは主として初夏と盛夏の季節。
二つ目は長夏ちょうか』いわゆる《梅雨》のことです。

まずは、『夏』についてお話ししましょう。

トンボ(モミジの種)

季節の特徴

夏は「立夏」から「立秋」までの3か月。
陽盛陰衰ようせいいんすい」陽の気が盛んで陰の気が少ない時。
気温が一番高く、昼が長い。湿(湿気)をはさむ(梅雨)。

この時季の邪気

暑邪

炎熱・上昇・発散の特徴(自然界にのみ存在している邪気)
   熱が出やすく、毛孔がひらき汗をかきやすい
   喉の渇き、水をよく飲む、尿量の減少 水分不足
   息切れ 夏バテ 動悸 煩躁 ショック症状

火邪・熱邪

火熱邪気かねつじゃきといわれる→熱邪が強すぎて火邪になる
   発熱 顔が赤い、のどの渇きなど全身的な熱の症状を中心とする
   悪熱 うわごと 不眠 多汗
   喉の渇き 水分不足 脱力 便秘 尿量の減少
   血の流れも早くなり出血しやすくなる
 熱邪・・・風熱邪気 暑熱邪気 湿熱邪気  
  

人体の影響

・気温の上昇により、気血きけつの運行が活発になりしん」の機能が亢進して負担がかかる
・汗をかきやすいので気随津脱きずいしんだつ(汗とともに気も出ていく)になり夏バテを起こす
食欲減退、疲労感、じくじくした皮膚炎
・冷たいもののとりずぎで胃腸をいためやすい

夏の五行


夏の薬膳

1 |解暑《げしょ》(暑さを軽減させる)|止渇《しかつ》(渇きを止める)の食材を選ぶ
2 しんに負担がかかるので補心養心のものをとる
3 |清熱瀉火《せいねつしゃか》や燥湿作用そうしつさようのある苦味のあるものをとる
4 不眠や精神不安があるときは安神作用のあるものをとる
5 気を補う食材を取り入れる
6 冷たいものの取り過ぎに気を付ける

夏に取りたい食材(一部)

≪解暑(暑さの軽減)≫


インゲン豆 緑豆 ゴーヤ イチゴ 西瓜 パイナップル メロン レモン

≪清熱(余分な熱を冷ます)≫


小豆 緑豆 菊花 きゅうり 金針菜 空芯菜 ズッキーニ なす もやし
トマト 冬瓜 西瓜 バナナ 緑茶 メロン

≪生津 止渇(渇きを止め水分代謝をあげる)≫


豆腐 アスパラガス オクラ きゅうり トマト ズッキーニ すいか パイナップル メロン ライチ びわ ぶどう レモン 甘酒

≪養心安神(しんの機能の改善や精神安定)

黄にら 春菊 カカオ 蓮の実 ひじき 桑の実 なつめ あさり いわし
ジャスミン ラベンダー

≪補気(気を補う)≫

山芋 長芋 大豆 納豆 かぼちゃ アスパラガス 枝豆 エンドウ豆
きくらげ シイタケ しめじ モロヘイヤ アボガド サクランボ
エビ なつめ うなぎ イワシ ヒラメ

それぞれが夏に出回る食材なので、少しずつでも取り入れてみてください


夏の養生は『冬病夏治とうびょうかぢ』といわれ、
冬にかかりやすい病気(喘息、リュウマチなど)は夏のうちに養生するといわれます。

暑い夏を過ごすためには、体内の陽気を発散させなるべく怒らないように(カッカしない)気持ちを楽にすごすように心がけましょう。


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