玄米茶とカクテル

玄米茶は、煎茶に玄米を半々の割合で混ぜた日本茶です。
煎茶の旨味と苦味のバランスの取れた味わいと、何と言っても玄米茶の香ばしい香りが、口いっぱいに広がるお茶です。

そんな日本茶の元祖フレーバーティー、玄米茶をカクテルの原料に使うと、どのような化学反応が発生するのでしょうか。


1.玄米茶ネグローニ
苦味が特徴であるカンパリ、香草の香り芳しいベルモット、そしてジンを合わせたイタリア生まれのカクテル、ネグローニ。

そのネグローニの原料であるジンに、玄米茶を漬け込みます。
ジン300~350ccに、玄米茶7.5gを24時間を漬け込みましょう。

上記のジンを原料とした玄米茶ネグローニは、元々のビターな味わいと香草のスパイス感に、玄米茶の香ばしさが溶け込みます。
シャープな印象の香味であったそれが、玄米茶の香りによってより落ち着いた、より大人の味わいとなります。


2.玄米茶と金柑のスマッシュ
原料の一部を潰したり刻んで作られる、クラシックなカクテルであるスマッシュ。
玄米茶と金柑で作るレシピが存在します。

バーボン35ccにシュガーシロップ10ccと金柑を2~3個刻んだもの、そこに5gを90~100℃の熱湯80ccで30秒抽出した玄米茶。
これらを混ぜ合わせ、氷を入れてシェークします。

その後、メッシュで濾しながら、氷を入れたグラスへ注ぎます。
最後に、金柑をスライスしたものか細切りのシソの葉を飾れば完成です。

玄米茶の香りは日本茶の香りの中では漂いやすい部類であるものの、その香り自体は日本茶らしい落ち着いた印象のものです。
それが金柑のフルーティーな柑橘系の香りと合わさると、高揚感あふれる香りとして生まれ変わります。
金柑の代わりに、柚子、かぼす、あるいはレモンなどと合わせるのも良いでしょう。

玄米茶という落ち着きと、スマッシュカクテルの華やかさが絶妙に溶け合いマッチした玄米茶スマッシュ。
お茶という意味でもカクテルという意味でも、その世界観のパースペクティヴを拡大してくれる飲料と言えるでしょう。


玄米茶は日本茶の中では、庶民的なお茶として親しまれてきました。
故に、抹茶などと比べると近年のお菓子ブームなどによる日本茶嗜好の再燃においては、後発的な存在であったと言えます。

しかしながら、その“元祖日本生まれフレーバーティー”と言える立ち位置は、ほうじ茶に続き、“香りの”日本茶の一つとして注目されつつあります。

そんな玄米茶とカクテルの出会いは、多種ある日本茶カクテルの中でも異彩を放つこと間違いなしです。
クラシックなカクテル技法「スマッシュ」さえ呼び起こしてしまうその潜在能力に、これからを期待できないわけがありません。

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