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「物価とは何か」読了。日本も、自分が感じる価値観をちゃんと言ったほうが、世界のためなのかもなぁ。

行きつけの安居酒屋で、霞が関で働いてらっしゃる常連の人に勧められた本「物価とは何か」を読み終えました。

物価動向というものの解明と安定に人生をかけている人が世界中にいることに圧倒されました。

夜のニュースなどで「インフレターゲット」「市場との対話」「異次元緩和」などなど、いろいろ聞きます。

その度に、「あ~、インフレターゲットね…」とか聞き流していましたが、これらの意味が、一般人にも分かるように書かれています。

そういうことなのか…

特に忘れられない記述が二つ。

その国の通貨の価値があるかどうかは、国がちゃんと税収を将来的に見込めるか、ということ。

例えば、外国の人が日本の国債をほとんど利子がなくても買う場合とは、日本の経済が順調で、国民も沢山の貯蓄があり国の増税にも従うなら、世界的に先行きが不安な時には、価値が暴落せず安心できる日本円で持っていようと思い、価値が上がります。

その逆なら価値は下がります。 

日本企業が世界的に稼げず、国民も貧しくなり、国民と政府の間も不信感で治安が悪くなったら、日本円は価値が下がる。

それは資源のない日本にとっては、危険なスパイラルになる。

もう一つ気になった記述。

日本がデフレから脱却できない一つの理由。

それは今の日本企業は「価格決定力が弱すぎる」ということです。

企業が新しい価値を生み出して、それを消費者に理解されれば、価格は上がっても買ってくれます。

デフレの中でも、外国のAppleやマクドナルドは日本でも価格を上げていると思います。

でも日本は、内容量を減らしたり、材料の質を落としたりして見かけの値段を維持しようとします。または要らない機能を付けて差別化を図るが…

例えばですが、私は2週間に一回は行かないと気がすまない中国人が経営している薬膳一人火鍋の店が浅草にあります。

初めて行ったときは5年くらい前で850円くらいだった。

ウクライナ戦争の後に、食料品が値上がりして950円になりましたが、コレでも安いと思っていました。

自分は、この世の中なら1200円くらいなら当たり前くらいに思っていたら、今回値上げがされました。

1300円です。

でも、私にとっては、大切な美味しくて力が湧いて、ほどほどの接客が気持ちのいい場所なので、この値段でこの美味しさ、この薬膳をキープしてくれるなら喜んで払います。

もし、値段が変わらず、質が下がったら、泣いても泣ききれません。他にないのです、自分にとってこんな素晴らしいお店は。

こういう、値段決定力を日本人の企業も個人の経営者達も持てることが、それぞれ生き残るのに大事なことをなんでしょう。

値上げをする、経済を回す、というと、環境破壊の権化、資本主義の権化、と思うかもしれません。

でも、無農薬、低農薬の野菜を丁寧に栽培して、それが安い輸入の肉より美味しく感じられる農家さんから、応援をする気持ちを込めて、定期購入する人が増えれば、経済と環境は矛盾していないのかなとも思います。

酔っているので、改めて推敲します。

そんな話をサイゼリヤで書いている私。

世界は矛盾と混沌で溢れている。

飲むと調和されるから怖い。