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陰キャは一人旅で変われるのか

私、自分はいわゆる陰キャ(いんキャ、陰気な性格のイケてない人)だと思っている。

そんな私が、なぜかこの15年ほど教員をやってきた(ていうか、何とかやってこれたって感じ)。

こんなままでは学生に申し訳ない、もっと魅力的な人間になれるよう、自分を変えたい、変われるよう努力したい、そんな思いから2017年12月以降、一人旅であちこち行ってきた。

一人旅をした理由の1つは、同僚の人類学をやっている先生が、自分の学生に「一人旅をしなさい」と言っているということがある。

ほんとはそんなこと、時間がたくさんある学生時代にやっておくべきだったんだけど、当時の私は内にこもってばかりで、そんなこと考えもしなかったのね。

そもそも、私が陰キャなのは、自分に自信がもてず、自分を好きになれないからだ。

中学生の頃からずっと、自分の性自認に違和感を感じ、まわりの人たちと自分がどう関わったらいいのかわからなかった私は、積極的に何かをしたりすることができず、家にこもって小説を読んだり、語学の勉強をしたりばかりしていた。リアルでの人とのつき合いがあまり無かったのだ。

そんな... そんな私でも、少しでも変わりたかったから、頑張って一人旅をしてきた。一人旅をした先で頑張った。すると色々わかったことがあった。

自分の地ではないんだけど、少しでも愛想良く振る舞おうとした。

自分のうれしいという感情を素直に出して、旅先でお店に入ったりしたときに、お店の人に色々、現地に魅力を感じたことや、現地に興味をもったことなどを、訊ねたりした。

すると、客商売だからというのもあるんだろうけど、私がそれまでの自分の経験から思っていたよりもずっと愛想良く、向こうから色んな話をしてくれたりした。

人との会話には、相手だけでなく自分の態度も反映される、そんなことは当たり前のことなんだけど、私がどこへ行って何をしてもつまらないと感じていたのは、自分がつまらなそうにしていたからということもあるのだと、思い知らされた気がした。

そのことに気付き、それを実感できたことは、とてもよい経験だったと思う。たかが数回の旅行で、私の性格そのものが変わったとは思えないんだけど、人との接し方を見直すきっかけにはなった気がする。

それまでの私は、旅行に行くことそのものにも結構冷めた見方をしていて、「今はネットにいっぱい写真もあるんだから、それを見て行った気になっとけばいいやん、なんで時間をかけてわざわざ」なんて思ってた。

でも現地へ行って、現地のお店に入って、現地のものを買ったり食べたりして、現地の人とお話をする、それがものすごく人生の中で意味のある経験なんじゃないかって思うようにはなった。これだけでも大きな進歩なのかもしれない。

で、陰キャの私は変われたのか、って訊かれると... うーん、部分的には変われた気がする。少しでも人に好かれる人間になりたい(そんなのほんとは周りの他人が判断することなんだけど)っていう方向に、一歩くらいは踏み出せたのかな。

ちなみに、写真は山陰のある鉄道駅だけど、どこか分かるかな。

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