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僕の髪はピンク色

僕の髪の色はピンク色。
生まれつきのピンク色。

お父さんははじめて見た時びっくりしたみたい。

なんでピンク色なんだ!
お腹の中にいる時に何か悪いことがあったのか

って。

お母さんは

学校に行っていじめられたどうしようと
小学校に入るまで気になって気になって仕方がなかったみたい。

そして入学式。

僕は幼稚園には行かなかったので
初めての集団生活。
今まで家族の中だけで過ごしていた。

だってお父さんとお母さんが

きっとみんなにいじめられる

って言って、外に出してくれなかったの。

そして初めての入学式。

みんな黒っぽい髪の毛。

その中で僕だけがピンクいろ。

お母さんは

「せめて水色だったらよかったのに」

って言う。

何で水色なの?
ピンクじゃだめなの?

本当はね、僕ピンク色好きなんだ。

でもお母さんの前じゃピンクが好きって言えないんだ。
だってきっとお母さんは悲しむ。
なんとなくそう思うから。

僕はね、水色じゃなくてピンク色が好きなんだよ。
僕の髪の毛の色好きなんだよ。

そして入学式。

黒っぽい髪の毛の人たちの中、僕だけがピンク色。

いじめられたらすぐにいいなさいね。
いやなことあったらすぐにいいなさいね。

お父さんとお母さんは僕に言った。

学校ってそんなに怖いところ?
みんながいじめるところ?

僕は今日までドキドキしていた。

そして入学式。
隣にすわった、髪の毛を一つくくりにした女の子が僕に話しかけてきた。

ねーねー、髪の毛の色ステキな色ね。
私、モモって言うの。
その色、もも色じゃない?
とってもステキな色。

他の子たちも話しかけてきた。

髪の毛の色カッコいいね!
僕の肌も見て!色んな模様がついてるんだ。
その子の肌には濃い色の模様がいくつかついていた。

違う子も話しかけてきた。

お父さんとお母さんが言ってた事とは違った。
みんなとても楽しいよ。優しいよ。

僕は学校って楽しいところだ!
そう思った。

担任の先生がきた、キタムラナギサ先生って言うんだ。

先生は男でも女でもないらしい。

僕は男。さっきの一つくくりのモモちゃんは女の子。
先生はどっちでもないって。
じゃーなんだろう?

クラスメイトのタイチくんが言ったんだ。

先生がどっちでもなくてもどうでもいいや。
僕たちもみんな違うもん。

タイチくんの言葉でみんなが自分が周りと違うところ、好きなところをいいはじめた。

僕はもちろん髪の毛の色の話をしたよ。

僕は髪の毛の色がピンク色です。
生まれた時からピンク色です。
僕はピンクが大好きです。

みんなが拍手してくれた。
とっても嬉しかった。

みんな違うんだよね。
そして違ってもとってもいいって事だよね。

お父さん、お母さん、学校って楽しいよ


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