アンパン

人生の幸せが栗アンパンでいいのだろうか?【2019.11.10福業サミット@高崎市 参加レポート】

◆1 人生の幸せが栗アンパンでいいのだろうか?

皆さんこんにちは。これは群馬県という地方に住む20代の若者が、「幸せな仕事」に辿り着くまでのレポートです。私の趣味は料理と、休日に外へ出かけて美味しいものを食べること。つい先日の日曜日には近所のパン屋さんで栗アンパンを買って、公園でブランチをしていました。紅葉真っ盛りの季節、外でご飯は気持ちがいいですね! 大人気なく「キャンプ用の寝そべる椅子」まで持参して、最高の休日を謳歌していました。

「あぁ~!いい天気だし、パンはウマいし、仕事もない! 今が無限に続けばいいのに~」

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まだ “20年とちょっと” しか生きていない私が言うのもなんですが、基本的に人生はそうウマくいきません。時計を確認した瞬間、私は明日のことを考えて憂鬱になるのです。

「月曜日、朝早いんだよなぁ。結構仕事溜まってるし……しかも雨予報だ」

数秒前に「いい天気~!」と栗アンパンにかぶりついていた自分は別人だったのか?という変わり身の早さでテンションが落ちる。でもね、こういう経験したことあるよって人は多いと思うのです。夜寝る前、朝起きたとき、休日が終わりかける間際。私達の気持ちは大体おんなじです。

「あぁ~!……仕事、行きたくないな」

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◆2 「福業」って、何だ

先程ご紹介した休日の午後、私は今回紹介する「福業サミット」に何となく足を運びました。

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「福業」とは「社会的に必要とされ、組織に利益をもたらし、個人のやりがいもある仕事」のことで、ココには「本気で幸せな仕事がしたいんだ!」という人たちが集まり、車座になって真剣に対話をするとかなんとか。「仕事」の話か……うーん、面白いか不安になってきた。

「福業」はともかく、「副業」は皆さんもよく知っていますよね。働き手の減少、稼ぎは少ないのに増えていく税金、仕事と介護、仕事と子育て……「副業しなきゃ」という人も、「副業できない」という人もいるかと思います。

私は結構、「やりがいだけじゃ生きていけないけど、ツライ仕事をし続けるのもしんどい」という負のループを現代に感じていますがどうでしょう。働くことに希望が見えない時代、 “社会も私もハッピー” な仕事って本当にあるんでしょうか?

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ちなみに、「ダイベストメント(投資撤退)」というお金の動きはご存知ですか? 私は初耳だったんですけど、『人や環境を傷つけるビジネス』から『人や地球に優しいビジネス』へとお金を移して支援しよう」という世界の投資家を中心としたムーブメントだそうです。

投資家に限らず、私達も融資先が良くない銀行にはお金を預けないし、社会へ悪影響な商品は買いませんよね。マネーisパワー。いずれはこうした動きが、世界を「幸せな仕事」で満たしてくれるのかもしれません。 ……って、そんな悠長なこと言ってる場合かなぁ。

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◆3 急にSF映画の話、します

すいません、ちょっと脱線して映画の話をしていいですか? サミットの前日、私は『メイズ・ランナー』という映画を見ました。超面白かった~! オススメです。「殺人迷路に閉ざされた村、謎の病気・恐ろしい魔物、記憶喪失の主人公が果敢に迷路へ挑む!」というベタなストーリー。この記事を読み切ってから、ご覧あれ!(ネタバレしちゃうけど)

さて。この映画の1シーンを紹介させてください。私が喜びでも悲しみでもない感情に心動かされた場面を。

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物語の終盤、迷路が謎の組織による実験場であることや、村人の故郷は外の世界にあることが解明され、主人公が迷路の出口を見つけたときのことです。「さぁ脱出するぞ!」という主人公に、反対する村人・ギャリーが現れます。彼は迷路の探索を快く思わない、主人公とソリが合わない人間でした。

最初から最後まで「俺は村を出ない」の一点張り。そうこうする間に、村は魔物に襲われ食料は尽き「村に残る=死ぬ」状況になってしまいます。ギャリー、強がってる場合じゃないって……。

誰が見ても「村に残る」のは間違った判断、それでも彼は「外に出てもいいことなんかない、俺のふるさとはこの村なんだ」と意思を貫きました。ひどく絶望した目をしながら、主人公を羨ましそうに見つめるのに外へ出ないんですよ。死んでいくことを受け入れるような彼の姿に、私は「怒り」や「焦り」、「絶望」……そして「共感」を強く感じたのでした。

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◆4 殺人迷路のある日常で幸せに暮らす……ってマジですか?

なぜ私は、映画の話をしたか。それはこのサミットに参加する中で、急にギャリーのことを思い出したからなのです。今、私の目の前には「将来、地方が無くならないためにできること」や「幸せに生きるための仕事のあり方」を真剣に話し合っている人たちの姿があります。この街で、未来に向けて走る『ランナー』たちが、手を取り合って出口を探そうとしています。

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私達の日常にも「殺人迷路」はあって—— それは「世界・社会・あなたの問題」と聞いて思い浮かんだものたちです。「このままの生活を続けていけば、世界や社会、あなたは死ぬ。」

そんなことはわかっていても、私達は弱いから、ずっと目を背けて来ましたね。

「私が死ぬのが先か、世界がぶっ壊れるのが先か」—— ごみを分別しなかった時、TVの戦争映像を見ないようにしたとき、投票しなかった時、社会を変えようと頑張っている人たちを変だと思ったときに考えた「私が死んだあとの世界は関係ない」「突然世界がぶっ壊れちゃえばいい」という気持ち。どうしようもなくギャリーの気持ちとシンクロしてしまうんです。ああ、私がギャリーだったのかよ……って。

栗アンパンを食べて幸せを感じるのはイイコトです。でも、栗アンパンを食べることだけ/その日・その時間だけが幸せな人生ってナンセンスじゃないですか。そろそろ「殺人迷路」のある日常で、限られた幸せを貪るのはやめたいよ。

まずは自分が、全力で幸せになることを努力しなきゃいけない気がしてきました。

「じゃあ何から変えていく? 一日の中で一番長くて、ツライことってなに? し・ご・と?」

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◆5 意味ある仕事以外、仕事じゃないよ

やっと話が『福業サミット』へと帰ってきました。「世界」や「社会」というデカい話は一旦置いて、私達は今、自分自身が幸せに生きるために「仕事のあり方」を変えなきゃな~と思っているわけです(思いませんか?)。

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「ダイベストメント」の話を覚えていますか? 投資家が「人や環境を傷つけるビジネス」からお金を引き上げることで、「ビジネスのあり方を変えよう」とする試み。

それと同じようなカタチで、「私達の仕事や時間を、私達が幸せになれる『仕事のあり方』にシフトしていこうよ」なんて作戦を『福業サミット』は考えているのです。その結果、私達に「副業」が生まれることもあるでしょう。自分の仕事が複数あることで、私達は「無価値な仕事」に束縛されずに「価値ある仕事」ができるようになるかもしれない。人と繋がることで、「あなただけの仕事」が見つかるかもしれない……。

こうして、「私達がちゃんと幸せになれる『福業』」が社会に育てば……もうパワハラ上司の言いなりになる仕事も、モンスターカスタマーのいる仕事もしなくていいはずです。私達は、働くことで幸せになるカタチを見つけていく。「ちゃんと生きる」ってこういうことなのかもしれません。

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◆6 同じリアルを生きる、あなたへ 

ここまで長々とお読みいただき、本当にありがとうございます。あの会場で一番当事者意識と血圧の低かった私が、こんな文章を書くとは夢にも思いませんでした。

『福業サミット』に限らず、こうした交流の場って参加するのに勇気がいるんですよね~。私にとっても、時間も体力も使うし、普段触れない・考えない話題が多くて大変だった部分は多々ありました。だいぶ疲れた。

ここまで読んでくれた皆さんでも、「予定が合えば参加します~」なんて社交辞令を口にしようとしていませんか? 面倒だな、仕事だしな、疲れてるしな、って理由つけて逃げちゃう “私に似たあなた” 。そんなあなたに伝えたくて、私は「仕事」として文章を書こうと思ったのです。「ちゃんと福業はあるぞ」……そんなメッセージが伝われば、本当に嬉しい。このサミット初の「福業」のお話でした。

『福業サミット』の首謀者たちは、みんな自分自身のために「仕事のあり方」に革命を起こしたがっています。彼らは「仕事」である必要性—— ただの善意じゃ世界は救えない、継続のためにビジネスの力も必要だと気付いています。

だから、あなたも。私達の生きるリアルを知って、同じ世界で生きている人と言葉を交わしてみませんか。

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では、次回の『福業サミット』でお会いしましょう。あなたと私の「仕事」を語る、そんな場になればと思います。

イベントページ・参加申込はこちらから(Facebook)

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written by 高崎CIVIC VISION RUN team DEMAE

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