【wit大解剖】進化するワークプレイスに追いつこう!
Tokyo Creators’ Project ワークプレイスストラテジストのyuiです。
このシリーズでは、TCPが開発している”wit”というレポーティングプロダクトについて、ご紹介しようと思います。
wit = workplace insight & tomorrow
企業が既存に持っているデータを活用し、その企業の働く環境や働き方の実態を可視化する分析レポート。
分析のスタンダード化やRPAを駆使し、
・短納期 (発注から10営業日以内に納品)
・低価格 (1拠点あたりのレポート価格50万円 (税別)) を実現。
また、既存データを活用することで、
・調査期間や費用が発生せず、気軽に試すことができる。
世界中のワークプレイスコンサルティング業界において、ぶっちぎりの短納期、低価格、高品質を実現したレポーティングサービスだと自負している一押しプロダクトです。
このnoteでは、witには実際どんな内容が書かれているの?どんなことがわかるの?それが何に役に立つの?と言ったような疑問に答える記事をいくつか共有していきたいと思います。
時代やビジネスとともに変わりゆくオフィス
「wit」では、5G時代のワークプレイストレンドを基軸に分析結果がインサイトされます。
カスタマーからの質問として「コロナ禍によって分析やレポートの内容は更新されましたか?」というものがあります。
実は「wit」はコロナ以前から謳われていたリモートワークやシェアリングサービスの活用、データ・ドリブンな施設改善などのトレンドに向かうために、企業はどのような施策が打てるのか、どのような可能性があるのか、ということを具体的に提示するために作りました。
昨年12月に主催したアドベントカレンダー記事でも多くの寄稿者・協力者の方が「コロナによって進む方向は変わっておらず、進むスピードが速くなった」と仰っていました。コロナ禍によって、日本企業は5G時代のトレンドに向かうスピードが早まったと考えており、レポートの主軸となるワークプレイスのトレンドは変わっていません。
ワークプレイスの歴史
ワークプレイスは時代とともに、ビジネスとともに進化してきました。
大量生産方式が確立された1970年代には、働く環境においても効率性やプロセスという言葉がキーワードとなり、整頓された職場や指示系統を流しやすいヒエラルキー型のレイアウトが主流でした。
しかし90年代、職場にコンピューターが登場すると柔軟性が登場します。また、その頃から人材競争の一貫として、エンジニアやプログラマーに向けたアメニティやよりフラットな文化・環境を取り入れる企業が増えてくることとなります。
2000年〜2010年代にはコラボレーションやイノベーションという単語がバズワードとなり、部署や組織を横断した交流や協働を叶える開かれたオフィスや、モビリティ性の高いABW(Activity Based Working)という考え方も広く取り入れられるようになります。
2020年代にはダイバーシティの先であるインクルージョンを受容する環境が求められることになるでしょう。
すなわち、人種・性別・年齢・役職・職種などの一要素で働き方を分類することは難しく、それらが複雑に混じり合った「個」が存在する今日、「個」それぞれが、自由に、働く環境や働き方を選択できることが求められています。そのバックグラウンドには、テクノロジーの進化によってそのような選択が実現可能になったこともあるでしょう。
さらに、いつでも、どこでも働けることに気が付いた企業は、オフィスの主目的を「執務する場所」から「集まる場所」「議論する場所」「帰属意識を育む場所」へと再考し始めています。
空間分析によって現在のオフィスを理解する
「wit」レポートに含まれる分析の一つに「空間分析」があります。家具付き平面図を空間的に分析することで現状のオフィスのステータスを理解できます。
私たちのような職種は、日常的に様々な企業の様々なオフィスの平面図を目にします。そのため、平面図を見ることで、そのオフィスで行われているだろう行動や働き方、組織文化などが見えてきますし、このオフィスは会議室が少ない、執務席が詰まりすぎているなども感覚的に察知出来ます。
この暗黙知や感覚知を、分析を通して数字に変換することで、企業の経営者や総務の方々も現状を理解できるようにしたのが、witの空間分析です。
witの空間分析では平面図を要素ごとにブレイクダウンし、席数と面積をカウントします。
例えばこのオフィスでは、797席の執務デスクに対し、打ち合わせができる席(会議室席とオープンミーティング席)は269席の33%となっています。つまり、出社した従業員の3分の1は会議し、3分の2は執務席で一人で作業をするという割合です。
オフィスの目的が「執務する場所」の場合は、この割合でも良いかもしれません。しかし、オフィスの目的が「集まる場所」「議論する場所」の場合は、この割合は見直すべき数値と言えるでしょう。
またこのオフィスには、コミュニティエリア、すなわち、人々が集まり、休憩したり、偶発な出会いや話をしたり、イベントやランチをしたり、という場所が非常に少ないことが分かります。大きな動線(青色)で他の部署や久しぶりの同僚に出会ったとしても、気軽に立ち話をしたり、打ち合わせや雑談をしたり、という行動は誘発されないでしょう。
これもオフィスの目的によっては、見直すべきポイントと言えます。
また会議エリアとほぼ同じ面積をサポートエリアに取っていることも興味深いです。サポートエリアとは、執務エリア・ミーティングエリア・ラウンジエリア以外を指し、具体的には、コピーエリアや倉庫、休養室などを指します。休養室は法律的にも必要な要素となりますが、ファイルキャビネットやコピーエリアはペーパーレス化で削減できるかもしれません。サポートエリアに対して、会議エリアと同じ賃料を払っているというのは再考ポイントと言えるでしょう。
450拠点以上のオフィスのデータを基にしたベンチマーク
上記のスライドを見ていてもう一つ気になるのが「witベンチマーク」というものでしょう。このベンチマークは、450拠点以上の同様の分析を基に、TCPによって、一般的なオフィスを作る際に参考にしてほしいゾーニングの割合を示したものです。
“ベンチマーク”なので参考指標となっており、この数値が正解という訳ではありません。
しかし、企業の総務やファシリティマネジメントの方々は、その企業のオフィスのルールや原則、ファシリティの詳細については非常に詳しいですが、他社のそれも知っている、という訳ではありません。(それは業務上、しょうがないことでしょう)
だからこそ、私たちのような様々な企業の働く環境を構築している立場から、客観的な視点でオフィスを捉えることで新たな洞察や発見を得ることが出来ます。
例えば、金融系の会社でFinTechに挑戦されたい事業部の方々が、金融系ではなくテック系のオフィスのベンチマークを参考にしていくことだって出来ますが、自身でそれをリサーチするのは難しいでしょう。
私たちTCPは、これまでの業務を通して国内外含め450拠点以上の分析データを保持しており、さらに「wit」の分析を通して、その数は日々増えています。そのような市場の平均的なデータを基に、自社のオフィスを評価し直してみることも非常に有意義だと思います。
もちろんその平均的な数値を「正」とするのではなく、世の中のトレンドを理解した上で、自分たちのオフィスにどのような色をつけていくか、を議論し、構築していくプロセスがオフィスづくりでは非常に重要だと考えています。
でも指標がないと自分たちが何色なのかも分からないよね?ということですね〜!
まとめ
この記事では、ワークプレイスのトレンドを理解していくことの大切さについて紹介しました。
(1) ワークプレイスは時代とともに、ビジネスとともに進化してきた!
(2) 2020年代のトレンドはインクルージョンを受容する幅広い選択肢と自由度の提供。
(3) 空間分析によって、現在のオフィスがどのような立ち位置にいるのか理解できる。
(4) witベンチマーク(市場の平均的なデータ)は客観的な市場比較もできる。
(5) 自分たちのオフィスに色付けする前に、自分たちのオフィスの色を知ろう!
wit面白そう!やってみたい!と思ったあらゆる方々は、弊社へお問い合わせください。
TCPはワークプレイスストラテジーの知識をオープンにすることで、この業界・領域の向上と、より働きやすい未来の構築をビジョンに掲げています。
既に、様々な同業他社様のコンサルティングサービスにもwitを取り入れていただいています。
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ワークプレイス可視化レポート wit を大解剖!
「ワークプレイス可視化レポート wit 大解剖!」と題しまして、全8回にわたり、witには実際どんな内容が書かれているの?どんなことがわかるの?それが何に役に立つの?と言ったような疑問に答える記事を共有していきたいと思います。
第三回は「稼働率というオフィスの体脂肪」と題し、オフィスの稼働率を測定する意義やその手法などをご紹介します!
第一回:ワークスタイル投資の考え方
第二回:時代やビジネスとともに進化するワークプレイス
第三回:稼働率というオフィスの体脂肪率
第四回:オフィスのコスト評価をする
第五回:雇用におけるロケーション戦略
第六回:変革シナリオを構築する
第七回:新たな投資を考える
第八回:データドリブンなファシリティマネジメントに向けて