「こったらごどできるんだ」事務職からの市民開発者(ソフトウェア開発者)への道-エンジニアを持ちたい会社へのメッセージ-
(Disclaimer:Tokyo Creators' Projectの事業パートナーとなっていただいております株式会社ソントレーゾの桑田様によるゲスト投稿です。ソントレーゾ様のSNSでもご覧いただけます。日本にはソフトウェア開発者が社内に少ないそうです。PowerAppsはその壁を簡単に取り去ってくれるツールですが、そういうことをサポートしてくれる指導者としても活躍されている方がどんな経歴で、どういう風にすればそこにいけるのか。2020年ならではで、技術支援や教育支援がオンラインで提供されているという話。オンラインで社内で作るためのソフトウェア開発の教育を受けられるなんて、新しい時代になってきたと思います。ぜひご覧ください)
株式会社ソントレーゾの桑田 紗耶加です。
市民開発者としてMicrosoft の Power Platform を活用し技術支援や教育支援と業務アプリケーション開発に自社アプリ作成の仕事をしています。
高校を卒業して東京へ
青森の商業系高校を卒業後に夢を抱いて東京の会社に入社いたしました。
入社後は事務職の仕事に従事しておりました。
そこではPCのキッティングや社内事務ヘルプなどの仕事を1年近く行っておりましたが漠然とこのまま同じ仕事をしていくのかと思っていた時に縁あって株式会社ソントレーゾに2018年4月に入社いたしました。
最初は前職と同じ事務職からスタートしITのヘルプデスク業務へ移行した頃に会社の2期目のキックオフが9月にあり初めて福岡の本社へ行った時にPower Appsに出会いました。
弊社の中村CTOが Power Apps でアプリ作成を紹介し目の前で5分でアプリを作成していたのを見て、「やばっ!こったらごどできるんだ!ワイでもできるかも!」(やばっ!こんなことできるんだ!自分でもできるかも!)とその時思いました。
もともと何かを作るのが好きだったため、すぐにのめりこんでいき勉強会やコミュニティへ参加して実力をつけ200人以上規模のイベントに登壇させてもらいました。
仕事とPower Platform学習の両立
おもな学習方法は Microsoft Learn でのオンライン学習をコツコツと自分のペースで進め、次に身の回りの小さな不満点を解消するアプリを作成してみました。
その中で知らない関数などが出てくる度にWebでの検索や中村CTOに、勉強会で知り合った方へと積極的に質問して聞いていくことで学習を進めていきました。
コミュニティへの参加も増やして情報収集を行いブログへの投稿や登壇などアウトプットすることを増やしながら今までに経験したことがない新しいことも覚えていきました。
ドキドキのコミュニティ参加
中村CTOからコニュニティの存在を教えてもらいました。
自分だけだと限られた範囲でしか勉強ができないので情報収集やスキルアップを目的として2019年2月から参加しました。
その時はまだ、Power Appsしか触っていなかったので、Power Automateと連携したり、Power BIにレポートで出したりと、「こったらごどできるんだ!」 (こんなこともできるんだ!) と思いました。
コミュニティの人たちの温かさや自分も、もっとスキルアップしたいという思いから参加するのが楽しくなってきました。
コミュニティへ参加していく中で、これはできないのかな?これをやってみたいなとアイデアが浮かんでいきました。
今はコミュニティ主催の勉強会がオンラインで行われるようになり今まで以上に情報収集やスキルアップができています。
今後も、コミュニティへ参加して情報収集を行いスキルアップもして、昔の私と同じようなコミュニティ初参加者を助けていきたいと思っています。
イベントで緊張しまくり!?人生初!の登壇
200人以上が参加したPower Platform Day Winter '19にて1セッションの枠を頂き登壇者として初参加!
しかし初めての登壇で資料の作り込みが足りなかったのと登壇した時に今までに経験したことないほどに緊張して頭の中が真っ白になり全然話せなくて悔しい思いをしました。
この時に悔しいではなく、もうやりたくないと思っていたら、今みたいにPower Platformを触っていないかもしれません。
初登壇の夜にコミュニティの皆さんと、ごはんに行って悔しくて泣きました。
その時にコミュニティの皆さんに励まされ悔しい次こそは!と思えたからこそ、次はどうしたらちゃんと話せるか、相手に使わるように話すにはどうしたら良いか、その思いを胸に刻んで今でも試行錯誤を繰り返しています。
アプリ作成の上で楽しかったこと難しかったこと
実際にアプリを作成することは、とても楽しいです。
特にPower Automate を使い LINE や Twitter などとの連携や、その連携したデータを Power BI で可視化するというPower Platform の一連の流れを作れることが作成していて楽しかったです。
逆に難しかったのはモデル駆動型アプリを作成するにあたって最初にどうすれば良いかが全く分からず非常に苦戦した思い出があります。
また非エンジニアのため Microsoft Dataverse のテーブル設計は今でも苦戦するため日々学習をしています。
技術支援や教育支援での#ニューノーマルな働き方
日々学習とアウトプットを繰り返していたところ、Power Platform の教育支援や技術支援といった仕事をさせていただく機会がありました。
Teams を利用したオンラインでの技術支援や教育支援を行う中で、実際にお客様が困っていることなどを解決することで、私自身が知らなかったことや、理解が足りなかったことなどがわかり調査したり実際に手を動かすことで自分のスキルアップにもつながりました。
また、今年の1月から市民開発者として、社内で働いていますが、コロナの影響でテレワークになっても社内体制が整っていたため簡単に移行ができ、気が付いたらニューノーマルな働き方で、お客様とは直接会わずに仕事をしております。
まとめ
勉強をしていたときは、まだ事務職でいろいろ不安でした。
最初は、コミュニティへ行くのがものすごく不安で仕方がなっかたです。
・「ワイがいっていいんだべが。」(自分がいっていいのだろうか。)
・「ほかの人はどったら感じなんだべが。」(ほかの人はどんな感じなのだろうか。)
と思ってましたが想像してたよりコミュニティの人達は優しくいい人ばかりで勇気を出して行ってよかったと思いました。
その後に、Twitterでの投稿も始めました。
最初の投稿をするときは勇気が必要だったけど解からない事を投稿するとコミュニティで知り合った人たちが返信してくれて嬉しくなってどんどん投稿出来るようになりました。
開発者でも非開発者でも自分でほしいアプリを作れるようになった。
…でも、一人で勉強をしても最後は限界がある。
だから、一人だけで勉強してアプリを作成するのではなくて、コミュニティやTwitter、ブログを積極的に活用し情報発信いていくことで
・「ワイが知らねふたごど。」(自分が知らなかったこと。)
・「こういう方法もあるんだ。」
ということがわかりスキルアップが出来ます。
お客様も私も、お互いに在宅勤務にて技術支援や教育支援をするといったニューノーマルな働き方が社内・社外に広まったおかげで、直接会わなくても仕事ができるのは、素晴らしいと思います。
そして私と同じように事務職から市民開発者にスキルチェンジして新しい柔軟な考え方と働き方が出来る人が増えていって欲しいと思っております。
(編集後記 by 須崎:アドベントカレンダーで2つ目の「市民開発者」テーマの記事。桑田さんは、マイクロソフトのローコードプラットフォームであるPowerAppsの開発者で、今や、指導者。今はDXという言葉が流行しています。少し前まではAI、その前はビッグデータ、もっと前はERP、、、基本的に企業内でのソフトウェアやデータの活用をさしていると思えてなりません。社内にソフトウェアエンジニアをたくさん産む方法として、ローコードプラットフォームは本当に始まったばかり。どんどん普及していくと思います。)