見出し画像

【wit大解剖】ワークスタイル投資の考え方

Tokyo Creators’ Project ワークプレイスストラテジストのyuiです。
このシリーズでは、TCPが開発している”wit”というレポーティングプロダクトについて、ご紹介しようと思います。

wit = workplace insight & tomorrow

企業が既存に持っているデータを活用し、その企業の働く環境や働き方の実態を可視化する分析レポート。

分析のスタンダード化やRPAを駆使し、
・短納期 (発注から10営業日以内に納品)
・低価格 (1拠点あたりのレポート価格50万円 (税別)) を実現。

また、既存データを活用することで、
・調査期間や費用が発生せず、気軽に試すことができる。

世界中のワークプレイスコンサルティング業界において、ぶっちぎりの短納期、低価格、高品質を実現したレポーティングサービスだと自負している TCP一押しプロダクトです。

今回「ワークプレイス可視化レポート wit 大解剖!」と題しまして、全8回にわたり、witには実際どんな内容が書かれているの?どんなことがわかるの?それが何に役に立つの?と言ったような疑問に答える記事を共有していきたいと思います。

ワークプレイス可視化レポートwit大解剖!第一回

witのフィロソフィー

witでは「一人当たりのワークスタイル投資」という考え方から分析の物語が始まります。

オフィスを変革しよう!と検討している経営層や総務のみなさんは、しばしば「オフィス」にだけ目を向けがちです。さらには、不動産コストと運営コストを全く違うものと考えがち。

また、せっかく働き方改革プロジェクトを立ち上げたのに、ITとオフィスを別のワークグループに分けて、違う人たちが戦略を考えている、なんてこともあるでしょう。

オフィス変革を計画するときに、それだけに目を向けると部分最適となってしまいます。社員の働き方はもはや「オフィス」だけで行われるものではなく、「オフィス」だけが社員の働き方をサポートするものでもないですよね。

家賃や工事費、運営費、通信費などという区分けは「会計上」のものであり、ユーザー目線に立って考えると、働き方を加速・支援する環境・ツールとして、もう少し広い範囲で、様々なカテゴリのものを検討できます。
そして、働き方を加速・支援するために、どのような環境・ツールに、どのくらいの投資を、会社が行なっているのか、同じ粒度で比較することで、意思決定がしやすくなります。

witでは、月々の一人当たりのワークスタイル投資を把握することによる、より客観的かつ包括的な意思決定を推奨しています。


月々の一人当たりのワークスタイル投資とは

例えば、ワークスタイル投資の例として、オフィス、アメニティ・運営サービス、サービスオフィス、交通費、ハードウェア、ソフトウェアのような大カテゴリが挙げられます。

さて、みなさん、自分の会社が、それぞれに、月々一人当たりいくらかけているか、ご存知ですか?もしくは、その数字をさっと出すことができるでしょうか?

・ワークスタイルを加速・支援する環境・ツールの棚卸しをすること
・各要素の一人当たり月額を算出すること
・それらを総計し、一人当たりワークスタイル投資の月額を把握すること
・ワークスタイル投資のポートフォリオバランスを見直しを行うこと

この4点が「一人当たりワークスタイル投資」という考え方の序盤の思想となります。

各要素の一人当たり月額を出すことで、市場にあるサービスやプロダクトと比較・検討がしやすくなるし、推進する働き方とポートフォリオのバランスが見合っているか、も検討しやすくなります。

以下に、一例を挙げますが、活用例は幅広くあります。

短期的な効果① 自社オフィス vs サービスオフィスの比較

昨今、サービスオフィスの活用やリモートワークの推進、デジタルトランスフォーメーション、といったものが国内企業でも精力的に検討・施策されていますね。

例えば、サービスオフィス(シェアオフィスやコワーキングオフィス)を借りることを検討します。
サービスオフィスの多くは、1人当たり月額●円という定量制、15分当たり●円という従量課金制、そして、オプション料金、という、まるで携帯代のような価格設定になっていますね。

サービスオフィスを借りる目的はなんでしょう。
構築代や運営費を考えると、出来上がっているオフィスの方が安いから、
拠点が各所にあって営業やリモートワークに便利だから、
他企業とのネットワークを増やしたいから、
なんてことが主だった理由でしょうか。

私たちは、この1年間だけでも数十社のオフィスコストをwitによって分析してきましたが、一概にサービスオフィスの方が安い、という訳ではありません。自社オフィスの方が、運営費を入れても安く構築している企業もあります。また、(当然ですが)従量課金制のサービスオフィスは、社員が使いすぎるとかなり高い金額を請求されてしまいます。

一方で、平均相場の1.5〜2倍のコストを自社オフィスに費やしている企業もあります。
空間デザインにこだわったおしゃれでお金をかけたクリエイティブオフィスでしょ?と思う方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。デスクと会議室が並んでいるだけのオフィスでも、適切な面積や席数ではないが故に、コスト高になっているケースもあります。

自分たちのオフィスが借りようとしているサービスオフィスと比べて、高いのか安いのか判断するには、自分たちのオフィスの一人当たり月額を計算する必要があります。

そして、自分たちのオフィスの方が高いのであれば、サービスオフィスにはない差別化が出来ているべきですし、サービスオフィスの方が高いのであれば、自分たちのオフィスにはないものを訴求するべきです。

まずは、Apple to Appleで比較することから、それぞれの差別化戦略を構築できるし、ユーザーに期待する使い方も想定できます。

短期的な効果② 自社オフィス vs ソフトウェア

もう一つ、例を挙げましょう。
コロナ禍によってホワイトカラーには一般的になりつつあるリモートワーク。それによって新たなソフトウェアやアプリケーションが必要になった企業も多いでしょう。

その予算は、追加予算だったのでしょうか。ITコストとして見ると、リモートワークによって、ITコストが想定外の増加をした企業も多いのではないでしょうか。必要不可欠な投資だった、と割り切ることも可能です。

しかし、ワークスタイル投資として考えると、そうとも言い切れません。
リモートワークが増加するということは、オフィスの稼働率が下がる、すなわち、オフィスに使っていない床面積が発生する、ということとイコールです。その床を返すことで、デジタル時代に必要なハードウェアやソフトウェアへの投資予算を捻出することは可能です。

更に、昨今のソフトウェアやアプリケーションはサブスクリプションモデルが増えました。ZoomやSlack、Teams、Adobeなどは一人当たり月額での料金プランが基本です。
一人当たり月額で粒度を揃えておくことは、投資戦略を考えるにおいて、非常に便利で分かりやすいことだと私たちは考えています。

長期的な効果 


一人当たりワークスタイル投資の月額を把握することは、目の前に差し迫った投資戦略の材料としても有用ですが、より長期的なビジョンを考慮するにおいても大切なことだと考えています。

「多様性」という言葉は当然のこととして、今日では「インクルージョン(包括)」という言葉が用いられます。人種、性別、年齢などの多様となる要素を全て包括して、より一人ひとりの個性を受容する、というような考え方です。

なぜなら、今日、多様性で語られるような人種、性別、年齢、役職、職種などでは、分類ができず、それらが複雑に混じり合った「個」が存在するからです。

少し話が飛躍しましたが、ワークスタイルという観点に話を戻すと、今後、一人一人の働き方を決める要素はさらに複雑化していきます。
この会社だからこういう働き方、この職種だからこういう働き方、とは言えなくなっています。
同じ会社や部署でも様々な働き方の人たちがいて、その人たちに対応する選択肢を用意してあげないといけない。さらには、その選択肢を出来るだけ自由に選べるようにしてあげる必要がある。

その中で、働き方を加速・支援するツールをきちんと整理し、一人当たりの金額に粒を揃えることで、それらをサブスクリプションモデルのように、会社から従業員へ提供することも出来るのです。

リモートワーク手当てを出そうとすると、「出社しないと仕事できない人にとっては不公平だ」という声も上がりますね。サテライト拠点を営業だけ利用できるようにすれば、「企画だって使いたい」という声もあるかもしれません。時短で働きたい方、地方で働きたい方など、それぞれに様々な事情とモチベーションと嗜好があるでしょう。

例えば、一人に15万円を与えて、その中で最適なツールと環境を毎月選んでくれ、ということが実現すれば、従業員の自由度は高まります。それはチーム単位で付与する費用としてもいいかもしれません。

そのような自由度のある多様な選択肢を用意するためには、まずそれぞれのプロダクト(あえてプロダクトと言います)の一人当たり単価を理解しないことには始まりません。

これが発展していくと、下記の記事で紹介したような多様性を受容する働き方への思想に進んでいきます。

まとめ

この記事では、witの思想である「ワークスタイル投資」の考え方についてご説明しました。

(1) 社員の働き方を加速・支援する環境やツール、という括りで必要なものを整理し、それらの人理当たり月額を理解しよう!
(2) ワークスタイルへの投資バランスが明らかになる
(3) サブスクリプションやメンバーシップモデルを取る市場プロダクトとの比較ができる
(4) 個人やチームの働き方に合わせたポートフォリオ構築がしやすくなる
(5) 個人やチームが自由にポートフォリオを選べるシステムも構築できる
→働き方におけるインクルージョンの受容につながる

この記事を読んで、wit面白そう!やってみたい!と思ったあらゆる方々は、弊社へお問い合わせください。

TCPはワークプレイスストラテジーの知識をオープンにすることで、この業界・領域の向上と、より働きやすい未来の構築をビジョンに掲げています。
すでに様々な同業他社様のコンサルティングサービスにもwitを取り入れていただいています。

お問い合わせ先は、「お問い合わせ」タブへ!

ワークプレイス可視化レポート wit を大解剖!

「ワークプレイス可視化レポート wit 大解剖!」と題しまして、全8回にわたり、witには実際どんな内容が書かれているの?どんなことがわかるの?それが何に役に立つの?と言ったような疑問に答える記事を共有していきたいと思います。
第二回は「時代やビジネスとともに進化するワークプレイス」と題し、オフィスの潮流や、これまで蓄積した分析データを元にしたTCPオリジナルベンチマークの秘密について、ご説明したいと思います。

第一回:ワークスタイル投資の考え方
第二回:時代やビジネスとともに進化するワークプレイス
第三回:稼働率というオフィスの体脂肪率
第四回:オフィスのコスト評価をする
第五回:雇用におけるロケーション戦略
第六回:変革シナリオを構築する
第七回:新たな投資を考える
第八回:データドリブンなファシリティマネジメントに向けて