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第2回SDGsオープンラボ:健康経営・ヘルスケア産業~33兆円市場にどう切り込むか?!~

こんにちは、トランスコスモスSDGs委員会 オープン社内報 副編集長ワダユウです。

今回は、2021年4月8日(木)にオンライン形式で開催された、SDGsオープンラボの2021年度第2回目について報告します!
今回は74名の社員が参加しました。

テーマは「健康経営・ヘルスケア産業~33兆円市場にどう切り込むか?!~」

今回の講師は、トランスコスモス公共政策本部の齋藤さんに担当してもらいました。

齋藤さんは元神奈川県議会議員で、副議長の経験を有し、幅広い社会課題に知見を持ち、特に健康・ヘルスケア関連に強みを持っています!

まずは、健康に関する背景・社会課題から。

この1年、新型コロナウィルスの流行により、働き方が変わる中で会社としても社員の健康状態を把握することも難しくなり、社員も自身の健康管理がより重要となってきております。

社会保障費も年々増加してきており、医療給付費は現在の36兆円から2025年には54兆円になると予測されています。

第二回

社会保障費の増大が予測される中で重要なのは、将来病気になりそうな人をいかに予防していけるか、ということになります。

日本人の平均寿命は女性で約86歳、男性で約80歳ということはよく知られているかと思いますが、日常生活に制限のない期間の「健康寿命」という考え方もあります。
こちらは女性で約74歳、男性で約71歳となっており、平均寿命と10歳ほど乖離があります。できるだけこの差をなくし、健康に過ごせる期間を長くすることが大切です。

こういった背景から、民間企業では社員の健康を意識した健康経営というキーワードが非常に重要となってきます。
健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取り組みが将来の収益性等を高める投資であるという考え方の下、健康管理を経営的視点から実践すること、であります。

健康投資→従業員の健康保持・増進→活力向上・生産性向上→業績・企業価値向上

こういった形で従業員の健康が企業価値の向上につながる、という考え方です。

ジョンソンエンドジョンソン社では、健康経営に対する投資1ドルあたり3ドル分の投資リターンがあったという調査結果も出しています。興味深いですね。

健康経営の重要性は認識されつつありますが、日本ではまだまだ取り組んでいる企業は多くありません。

しかし、健康経営をやらないリスクは確実に増してきています。
・ESG投資の観点
・取引先判断への利活用
・人材獲得
・株価への影響
これらに対して、健康経営をやらないことは企業活動に影響を与えてくるといえます。

つづいて、健康経営を事業へ生かす、ヘルスケア産業についてみていきます。

ヘルスケア市場規模は、2016年には約25兆円、2025年には33兆円になると予測されており、非常に大きな市場規模を有しています。

ヘルスケア市場の中でも注目すべきは、デジタル化とデータ利活用ではないかと考えます。

デジタル化においては、非医療行為である予防・健康増進分野において健康管理アプリなどたくさんの製品がありますが、それらの信頼性を担保する規制や基準が存在しないため品質を確保し、利用者の理解を促すことを国側で進めています。

データ利活用については、PHR(Personal Health Record)の利活用が注目されています。

PHRとは、個人の健康関連データのことで、明確な定義はないのですが健康診断の情報などがあげられます。

PHRを活用し、人が生まれてから学校・職場等において生涯にわたる個人の健康データを、本人自身が利用することにより予防・健康づくりに生かせるようなサービス・仕組みを政府・民間共同で進めていくことが求められています。

民間において重要なのは、デジタルヘルス・スタートアップ企業の役割です。

近年、デジタルヘルス・スタートアップへの資金調達額は急速に拡大しています。
関係者とのネットワークや制度面での課題については経済産業省のイノハブや厚生労働省のMEDISO等を通じて支援が行われており、今後の課題は成功モデルを創出し、さらなる投資拡大という好循環を生んでいくことにあります。

以上、健康に関する社会背景と、事業的な側面についての説明でした。

今回は、SDGsの3:すべての人に健康と福祉を、に深くかかわる回となりました。
社員の健康が経営に大きな影響を及ぼすこと、そして健康が大きなビジネスチャンスになっていることが理解できました。

今後、副業・兼業は当たり前になり、従来の健康・労務管理が通用しなくなってきます。また、経営者にとっても社員の健康管理を「コスト」から「資本・投資」であるという意識変革が必須になってきますね。

テレワークが増え、運動不足になりがちですが、健康管理をポジティブなものとしてとらえ、いつまでも健康な自分でいましょう!!!

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