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なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?

これは、星野リゾートについての本の副題です。

こんにちは。人事の小山です。

『星野リゾートの事件簿』は、
手がけた様々な破綻したホテルの再生劇
そのホテルの人々の苦悩が喜びに変わり、
お客様のクレームが笑顔に変わっていく
ホテルとその社員たちの実話のドラマです。

星野リゾートといえば、「再生請負人」の異名をもち、
バブルで崩壊したリゾートホテルを次々に再生させていきました。

企業再生というと、通常は、収益構造の改革のために、
赤字部門の切り離し・売却やリストラといった
完全にトップダウンで、
強力なリーダーシップで、
急速にすすめていく
イメージが強いのですが、

驚くことに、
星野リゾートはそうでは、ありません。

ボトムアップ、
細かく指示をせず、
現場で解決策を考えてもらう

これが、星野リゾートの再生を支えた、
組織のあり方です。

組織・チームといっても、破綻したホテルの社員を基本は引き継ぎます。

ビジョンを伝えていきながら、
現場の社員たちに、自ら解決策を考えてもらい、
自ら行動をしていってもらう、というのが、
星野佳路(ほしのよしはる)社長のやり方です。

例えば、北海道のリゾート地、トマム。
90年代のリゾート開発の結果、バブル崩壊によって、破綻し、星野リゾートが運営を引き継ぐことになります。

星野リゾートの旅館・ホテルでは、月に一度、「戦況報告会」を実施し、各部門が、現状や課題を丸一日かけて議論します。

トマムでも、星野社長は、「顧客満足度の向上に向けて、今後1年間の戦略を考えて」と各部門に伝えました。

しかし、直接、お客様と接しないゴンドラ部門の人たちは、困惑しました。
「自分たちは、後方支援だから、戦略と言われても、そんなものがあるわけがない。」

さらに、トマムは、冬のスキーシーズンは稼働率が高いが、夏のシーズンの稼働が低く課題でした。そこで、星野社長は、「夏のトマムの魅力を高めるために何ができるのか考えよう」という問いかけを与えました。

そして、ゴンドラ部門は、ゴンドラのメンテナンスをしていたある日に、気づきました。
いつも、見慣れた自分が「当たり前」だと思っていた景色が、
「お客様が喜ぶ」という視点でみたときに、
「この姿をお客様にみせたい!」
「おししいコーヒーを飲みながらみてほしい」

そんな思いではじまったのが、「雲海テラス」です。

ゴンドラに乗って、山を登ると、雲が目下にみながら、コーヒーを飲んで、景色を満喫できるというものです。

そして、トマムは、黒字化し、再生と遂げていきました。

このストーリー、ちょっと気になりませんか?

私は、気になります。

だいたい、こういう成功物語を人は、穿った見方をするものです。

今や知らないない人がいない星野リゾート。

「優秀な社員が採用できるだろうし、優秀な社員を現場に送り込んだんでしょ?」と思いがちですが、トマムの再生にとりだしたころは、無名でした。

求人広告を出しても、地方の軽井沢の星野温泉では、人を集めれず、星野リゾートに名前を変えるも、なかなか人が集まらない。
採用はできないけど、人が辞めていく。

そんな社員の定着に悩んでいたからこそ、
「現場の社員が主体的に動くチーム」をつくろうとした結果、
各地で、「現場の社員が主体的に動き」、再生を遂げていきました。

我々が、これから取り組んでいく
「ドリームチーム」のヒントは、星野リゾートにあるかもしれません。

以上
人事部 小山






インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/