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「20年前。戦争はなくなるものだと思ってた。」

人事の小山です。

戦争はなくなる?

20年前、2000年3月。
中学の卒業文集にこう書いた。

「世界60億人が笑っていられる社会になりますように。」

文集には大半の人は、中学校の思い出を書き、残りの人は自分の夢をかいていたので、ひとりだけ全然違うことを書いて、注目されてしまった。

そんないつか忘れる過去の話ではなく、未来に対して、
自分という小さな存在ではなく、世界に対して、何かを残すべきなのでは?
と思って書いた。

***
なぜ、文集にこんなことをひとりだけ書いたのか。


1999年。

「ノストラダムスの大予言」で人類が滅亡すると言われていた年。

「人類が滅亡するのかーって、じゃあ、未来を考えても仕方ないなぁっ」

て思っていたが、人類は、滅亡しなかった。

1999年と2000年の、千年の一度の境目は、何かが超絶変わるような期待もあったが、特に、何事もなく、穏やかなカウントダウンだった。

むしろ、アイドルグループ「SPEED」の解散でクラスメイトが、絶望的の淵まで落ち込んでいたことの方が、中学生の私には、大変だったかもしれない。

「モーニング娘。」がブレイクして、「LOVEマシーン」が日本中を席捲した。

「日本の未来は」「世界がうらやむ」と歌っていたが、肝心の「日本の未来がどうなるのか」の部分は、「Wow Wow Wow Wow」と「Yeah Yeah Yeah Yeah」にされしまって、つんく氏は教えてくれなかった。

誰も未来を教えてくれなかったが、「これが私の未来だ」と思える出来事があった。

中学校の修学旅行(行先は東京)では、社会科見学は、グループごとに好きな企業・団体を選んでいいという方式だった。ただし、希望が重なったら、書類審査で決めるというものだった。

私たちのグループは、グループのうち3人が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を希望し、私ひとりJICA(国際協力機構)を希望したので、

第1希望 JAXA
第2希望 JICA

だったが、JAXAは他のグループと競争になって、負けて(私の中では、希望が叶ってラッキー)JICAの広尾事務所にいくことにした。

JICAでは、グアテマラに赴任していた隊員の話と、グアテマラの子どもたちの写真をみた。グアテマラは、内戦が終わった直後に、国づくりでJICAが赴任していた。

大人たちによって生まれた内戦。そんな中で、子どもたちの未来は、どうなっているのか?

10歳のとき、アフリカに命を捧げたシュバイツアー博士の伝記を読み、関心をもっていた途上国の貧困。

JICAで見たグアテマラの子どもの瞳の奥にあるさびしさと笑顔が、衝撃的で、忘れられない。

どのくらい忘れられないかというと、社会科見学のあとに、ディズニーランドにいっているはずだが、イチミリも、ディズニーの記憶がない。

そんなこんなで、人類が滅亡することもなく、世紀が変わってしまって、卒業文集に最後、何を書くかと考えたときに、やはり、思い浮かぶのは、グアテマラの子どもたちの笑顔だった。

そして、こう書いた。

「世界60億人が笑っていられる社会になりますように。」

そして、戦争や、紛争は、なくなる時代になるんじゃあないかって、淡い期待をしていた。

そして、これが自分の進む未来なのだと思った。当時、流行っていたkiroroの「未来へ」が頭の中に流れた。

***

貧困も、なくなるんだと思ってた。

「将来は、国連機関で働こう!そのためには、英語だ!」と思って、「英語科」を希望するも、親と先生から反対され、こうまとまった。

推薦は、英語科を受けていいけど、落ちたら、普通科を受ける

推薦は、英語の試験があった。受験した教室は、周囲は、英語ができそうな人ばかりで、しかも、私以外全員女性だった。これが、本当の帰国子女かと思ってしまった・・・

意気揚々と受験しにいったが、英語科は不合格。

そもそも、推薦の枠がめっちゃ少ないから受かるわけないよ。

と、あとから担任の先生に聞かされて、「先にいってよー」と思いながら、普通科の高校に入学。

2000年9月。

国連で、世界190か国が集まって、世界の貧困を半減するぞと宣言していた。(いわゆる国連ミレニアム開発目標、MDGs。SDGsの前身)

「あー、やっぱ、2000年、ミレニアムにもなったら、貧困ってなくなるんだー。」
「戦争も紛争も、貧困もない世界がやがてやってくる。」

ミレニアムという、時代が変わるような言葉の響きに惑わされて、世界の素敵な未来を夢見ていた。

***

戦争は、過去のものではなかったという衝撃

2001年9月、アメリカで同時多発テロが起きた。
そして、2003年イラク戦争が起きた。

戦争は、過去のものだと思っていたので、衝撃的だった。

まさに、この記事です。

2010年代は、アラブの春もあったし、アメリカのテロとの戦いは、今日だって、ずっと続いている。

未来についての話をしよう。

20年たってITは進んだ。テクロノジーは進んだ。

けれど、紛争も、戦争も、貧困もまだまだなくなってはいない。

じゃあ、世界平和を夢見ることも、貧困がなくなることを期待するのも、意味のないバカなことなのだろうか?

未来を考えるとき、こういったことを考えるのではないかと思う。

① わからないから考えない
② 期待をする

わからないから考えないは、ノストラダムスの大予言。どうせ滅びるのだから、考えない。

期待をするは、中学校の文章を書いていた時の私のこと。期待をすると、何が起こるのか。実現しないと失望をする。

未来に対して、どう向き合えばいいのか。
おそらく、①でも、②でもない、考え方があるのだと思う。

「志」ー自分が、未来を変えていく当事者になる。

それは、未来に対して、自分が今の問題を解決していき、理想の未来をつくりだす当事者になるということだろう。

つまり、これを志というのだ。
例えば、坂本竜馬。ペリー黒船がやってきて、幕末の混沌とした時代。世界の中で日本がどう生き延びるのかを考えて、薩長同盟などをなしとげていく。

社会企業家といわれる人たちにも、この志がある。
マザーハウスの山口絵里子さんなどもそうだ。
最貧国バングラデシュに対して、どうやって雇用を生み出せるのかと考え、バングラでかばんの製造をはじめる。

自分が、未来を変えていけれる当事者になれると思えば、
「志」にきづき、「情熱」がわき、生きる「勇気」を実感できる。

誰しもが、社会の一員であって、だいたいの人は、組織の一員である。

自分がわき役だと思えば、志もなく、情熱もなく、勇気もなく生きていくことになる。

誰かがつくった未来を生かされているのだと思えば、未来を考えるのも、無意味だ。

自分が、物語の主人公であり、自分が未来を変えていけれる当事者だと思えば、いまを変えていくことができる。

人事部 小山

新卒から海外で働くなら -東京コンサルティングファームー













インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/