見出し画像

『ビジョナリーカンパニー①』を読んで

バンガロール拠点の古川泰加です。

1から4のうち、今回はビジョナリーカンパニー1を読みました。
どのような企業が「ビジョナリーカンパニー」と分類され、どのような特徴があるのかなどが書かれており、企業(TCG)という組織に所属している一人として多くのことを学ぶきっかけとなりました。

時計をつくること

本書の中でも何回か出てくる「時を告げること」「時計を作ること」という表現があります。
「時計を作ること」は、つまりは「会社を築くこと・組織を築くこと」です。「ビジョナリーカンパニー」はいかに素晴らしいアイデアがあるのか、カリスマ指導者がいるのかでは決まりません。

大切なのは、いかにして「会社」「組織」を作り上げていくかです。まずは土台となる「組織」を確立し、その後に何を作るのかということになります。「ビジョナリーカンパニー」と紹介されている企業は必ずしも素晴らしいアイデアをもってスタートしたわけではないとあります。

私は最初、「ビジョナリーカンパニー」と言われる企業は「組織」よりもいかに良い「アイデア」を持っているかで決まるのかなと思っていました。しかし、本書を読み進めていく中で、何度も書かれていたのがいかに基礎となる「組織」を作れているかでした。「組織」を築くこと【時計を作ること】にフォーカスしていることで、たとえトップの人が変わったとしても、企業としての方向性が揺るぐことはありません。

「企業」そのものが「作品」の1つと捉えることで、その作品をよりよくしていくためには○○ということができるといった形で変化していくことができます。良い「アイデア」も必要ではあるけれども、「アイデア」と捉えてしまうと限られた範囲になりがちだから、「企業」そのものを考えるべきなのだと思います。

理念

また、「基本理念」はすべての人の指針となり、企業が何者で何のために存在し、何をやっているのかを示すものです。利益はあとからついてくるもので目的ではないと書かれています。個人では実現が難しいことも会社という組織では可能となり、社会へ価値を与えることができるわけです。この「基本理念」は変わることなく、時代が変わっても受け継がれていく部分です。周囲の状況は常に変わっていくため、「アイデア」や「戦略」などもそれに伴い、更新していく必要があります。しかし、「基本理念」は変わりません。周りのシチュエーションが変わっても「基本理念」にもとづいて、私たちはなにができるのか。何をすべきなのか。ここを常に考えていなければなりません。

だからこそ基本理念の重要性に改めて気づきます。本書にもあるとおり、周囲の状況は常に変化しているのでその変化の一歩先を行く必要があります。その際の道しるべのようなものが「基本理念」とも考えられます。だからこそ全員がしっかりと認識していなければならないし、もし落とし込まれていないのならば、そのための方法や仕組みを確立させなければなりません。土台となる部分は維持し続けてうえで、企業は常に成長(進歩)へのモチベーションをあげていく必要もあります。

そうでなければ、現状維持または下がっていく一方となってしまいます。今に満足せず、中から進歩を促していく仕組みがあり、全体に落とし込まれているからこそ、「ビジョナリーカンパニー」と呼ばれている理由の一つなのだと思います。

大胆な目標を掲げる

「大胆な目標を掲げる」とあり、単なる目標を持っていることと思わず怯むほどの大きな課題に挑戦することは全く違ってきます。これは組織(企業)としてだけではなく、個人にも適用されるのだと思います。様々な難易度の目標を設定することが可能ですが、すぐにでも実現可能な目標ではなくて少し難しいかもしれないけれども実現したらより大きな達成感があるような目標を設定しチャレンジすることの大切さを改めて知らされた気がします。

東京コンサルティングファーム
【バンガロール拠点】
古川泰加

関連記事 『経営戦略全史』を読んで



この記事が参加している募集

推薦図書

インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/